激流

激流

テレビ東京の「午後のロードショー」で見た。111分あるらしいから15分くらいカットされていることになる。こんな大変な映画によく出たなあメリル・ストリープ。94年くらいだから40代なかば。若くないのに漕ぐわ漕ぐわ。激流下りの話だからほとんどノーメイクだろう。目尻にはシワが目立ち、大口開けて笑うと虫歯の治療あとまで見える。彼女ゲイルは息子の誕生祝を兼ねて川下りを計画する。故郷の自然が汚される前に息子に一目見せておきたい。息子役の子は「ジュラシック・パーク」に出ていた。かわいくて無邪気。夫のトムは建築家。この映画見たのは筋肉見せびらかし、危険な匂いプンプンのケヴィン・ベーコン目当てじゃないんですの。トム役デヴィッド・ストラザーン目当て。若い頃の彼ってあんまり見たことないから興味ある。仕事に追われ、妻や子供とうまくいってるとはとても言えない。犬ですら彼の言うこと無視する。今回は少し反省したのか遅れて姿を現わす。でもやっぱり仕事している。大らかで親切なゲイルはウェイド(ベーコン)という青年と仲良くなる。彼は男三人で川下りしているが、途中であれこれあってゲイル達と合流する。実は彼らは強盗をして逃走中。追っ手にはカナダへ逃げたと思わせ、川を下って別方向へ・・のつもり。どうも仲間割れしたらしくガイド役のフランクを殺してしまう。残った二人は川下りの経験がないので、この川に詳しいゲイルに目をつけたというわけ。見どころはやっぱり激流下り。役者も撮影する方も大変だったろう。ドラマとしては・・ベーコンはいろんなもの・・危険でセクシーで陽気な反面孤独で残忍で・・をみんな表に出しているのでちっともドキドキしない。かえってストラザーンの方にドキドキしてしまう。無理して出かけてきたけど、やっぱりどこか家族とうまくいかない。メガネかけてちょっとくたびれたインテリ中年。ウェイドとは正反対のタイプ。でも家族のためなら、いざとなったらやるんです。溺れさせられそうになったり殴られたりさんざんな目に会うけど何とかしのぎ、走り、泳ぎ、頭を働かせ・・。ゲイルもほれ直す。あなたステキだったわ、パパすごい!・・と賞賛の嵐。ひたすらトムが助かりますようにって願いながら見ていた私もホッとしました。意外性がいいんですよ。メリルがこんな役を?ストラザーンがこんな役を?というのがね。他にジョン・C・ライリー、ベンジャミン・ブラットが出ていた。