ガルーダ

ガルーダ

これを見つけた時は興味を持った。ガルーダと言えばガルーダ航空・・興福寺の迦楼羅・・。すぐレンタルしなかったのはタイ製ってのが気になったから。その予感は的中。まず出演者の演技がひどい。うつし方もひどい。アクションシーンでもないのにゆ~らゆ~らカメラをゆらす。演技もうつし方ももっと普通にやればいいのに。もちろんストーリーもメチャクチャだ。インドとパキスタン国境付近での発掘・・ここで見つかったのは一般のガルーダの化石か。バンコクの地下鉄工事現場で見つかったのは反逆児の方か。国境付近にいたのがピエール博士で、はっきり言って”歩く災難”。彼のせいで助手が死ぬ。君の死は無駄じゃない・・って何アホなこと言ってるんだよ!100%無駄死にだよッ!おまえのせいで・・あやまれこら!その後彼は失意のうちに死ぬが、彼の娘リーナもタイとフランスのハーフということで苦難の道を歩む。地下鉄の方で見つかった怪獣は、父の説を証明するものと期待するが、特殊部隊みたいなのが現われ、破壊する気らしい。彼女は邪魔する。彼女も父親以上の”歩く災難”で、犠牲者続出。爆破して怪物ごと埋めちゃえ・・とセットされた現場をフラフラ歩き回る。ハーンが射殺の許可を求めた時、映画を見ている人全員「今すぐ殺れ!」と思ったはずだが、隊長トスチャイ(加勢大周似)が「まだ殺すな(「やめろ」とは言ってないのが意味深)」と言ったせいで、その後も犠牲者続出(隊長のバカァ!)。いやホント信じられないくらい自分かってで考えなしの行動取る女なのよ。相棒ティムも、あまりのうるささにうんざり。「大人しければ恋人にするのに」とぼやくのが笑える。こういう息抜き的存在はハリウッド映画なら生き残るが、タイ映画ではあっさり殺されてしまう。ティム役ダニエル・フレイザーは「アンダーワールド」の時のウェントワースみたい。あまりにひどい出来なので、彼を見てしのいだ。彼の演技はまだマシ。隊員連中はカッコつけたナルシストとかニヒリスト、トラウマ男・・いやもうホントひどい。タイ初の怪獣映画ということで、作り手の意欲は感じるが、なまじあれこれ見ているせいで新鮮味がない。「エイリアン」そっくりのシーンとか。怪物もやたら目をクローズアップ。いったい何回出てきたか。月をバックに飛ぶシーンが印象に残る程度で、せっかくのキャラなのにもったいない使われ方だった。