クロコダイル・ダンディーシリーズ

クロコダイル・ダンディー

記者のスーは、ワニに襲われながらも生き延びたガイドの記事を書こうと、オーストラリアの奥地へ。彼女を出迎えたのはネバネバ探検社のウォーリー。バーで待っていると、現われたのがマイケル・クロコダイル・ダンディー、通称ミック。ただの粗野な酔っ払いに見えるし、話の方もウォーリーがかなり色をつけていたようで。それでもワニに襲われたところまで連れて行ってもらうことにして出発。途中でウォーリーは引き返し、あとはミックとの二人旅。まずオーストラリアの大自然が美しい。そこに生きる生き物の描写もすばらしい。見渡す限り人間は二人しかいないのだが、昆虫の羽音や森の生物の鳴き声が絶え間なく聞こえる。都会育ちのお嬢様・・スーは後でわかるが新聞社社長の令嬢・・と野生の男。もちろんミックは先住民に育てられたという経歴つき。動物を大人しくさせたり、時計を見なくても時間がわかったり、いろいろな能力がある。スーは今まで知らなかったものの考え方に出会い、納得する。遊びでカンガルーを殺す連中をやっつけたけど、ミックだってカンガルーの肉は平気で食べるんだろう。水辺に来るとお約束のスーの水浴びだ。もちろんTバック。ワニが襲ってきてミックに助けられ、いっそう彼女の心はミックに傾くのだが、何もワニを殺さなくても・・という気はする。ワニは悪くない。不用意に水に近づいたスーが悪いんだワニ。途中で先住民も出てくる。彼らはジーパンをはき、腕時計をしている。なかなか文明と孤絶しているのは難しい。特に若い世代は抵抗感も少ない。後半はニューヨークへ来たミックの、おのぼりさん的描写になる。エスカレーターや人込み、ビデなど使い古されたギャグ。どうせ「2」も作る気でいたんだろうから、「1」はオーストラリアだけでもよかった気がする。スーとミックの歓迎晩さん会で、リチャードはスーにプロポーズ。人前のこととて断ってリチャードや父親に恥をかかせるわけにもいかない。傷心のミックはオーストラリアへ帰るかと思いきや、もっとアメリカを旅して回ろうとホテルを出発。追いかけるスーは途中でハイヒールを脱いで、素足で走る。これってけっこう大変なことで。地下鉄の人込みの中での、他人を介したプロポーズは珍しい。他人には関わらない都会人も、機会があればこうやって快く協力してくれるのだ。

クロコダイル・ダンディー2

ニューヨークでスーと暮らすミックだが、仕事がない。スーは金持ちだから、働かなくてもやっていけるのだが、何もしないでいるのは・・。今回スーは仕事してるとこ全然なし。前夫タナーも記者で、南米で麻薬王リコが人を殺すところを写真にとったが、フィルムは麻薬取締局ブラニガンではなく、スーのところへ送る。そのせいでスーが誘拐されるはめに。あの後タナーは殺されたようだ。郵便を受け取ったのはミック。留守の間に家の中は荒らされ、ブラニガンが訪ねてきたりするが、まずはスーを助けなければと、運び屋リロイに相談する。何しろ自分はニューヨークのことはよく知らない。リロイはクラブでたむろしているパンク野郎達に声をかける。彼らがリコの屋敷のまわりで騒いでいる間に、ミックは侵入。無事にスーを助け出す。フィルムがブラニガンの手に渡り、リコの殺人も明らかになってこれで終わりかと思ったら、逃亡したリコはミックとスーに復讐しようとつけ狙う。ここは安全じゃないと、ミックはスーを連れて久しぶりにオーストラリアへ。後半は追ってくるリコ達を一人一人つかまえる。ポール・ホーガンは帽子の似合う人だ。かぶっていないと、広い額のせいで、一気に老けて見える。リコ役ヘクター・アーバリーは小柄だがなかなかのハンサム。部下のミゲルやってるのはファン・フェルナンデス。この映画で一番印象に残るシーンは、ミゲルが草むらの中からスッと身を起こして銃をかまえるところ。そこだけ別の映画のよう。追っ手の一人はまだ若いルイス・ガスマン。リロイ役チャールズ・S・ダットンも若い。パンク野郎の一人ラットは目が大きく、ルーファス・シーウェル風味。全体的にモタモタしていて、ギャグのキレが悪い。あまりおもしろくない時の「ポリスアカデミー」思い出す。それにしてもスーは記者なのに、麻薬王に関する大スクープを目の前にしても全然反応しなかったな。それとミックがリロイに言われて運んだブツは結局何だったんだろう。ミックの友達の先住民達が相変わらずいい味出してる。ミックが彼らに連絡を取る方法も興味深い。