コップ・アンド・ハーフ

コップ・アンド・ハーフ

某映画サイトで酷評されているのを読んでおかしくなった。だって本当にそうなんだもの。監督は「もしも昨日が選べたら」などのヘンリー・ウィンクラー。この人監督もやるんだ・・。ニック(バート・レイノルズ)ははみ出し刑事。数年前相棒をなくし、そのことで自分責めてる。デヴォンは祖母と二人暮らし。学校ではいじめられているが、テレビの刑事物に夢中。ひょんなことから殺人を目撃し、麻薬取引の情報もつかむ。これだけあれば交換条件に十分だ。ボクを刑事にしてくれたら情報教えてあげる・・。子供嫌いのニックはガキのおもりなどごめんだが、まわりの者はご機嫌取りに汲々。仕方なく二人で行動するが、地味で退屈な捜査にデヴォンはテレビと違う・・と不満顔。そのうちデヴォンに危機が迫り・・。子供が大人顔負けの活躍をするという痛快さや、はみ出し者どうしの反発と和解、そういうもので感動させようという見えすいた手口の連続。やりたい放題のガキや、それにへつらう大人なんか、見ていて楽しいわけがない。レイノルズとデヴォン役の子は揃ってラジー賞にノミネート。レイノルズの方はめでたく(?)受賞した。犯人一味がオマヌケなのはお約束だからいいとして、捜査がいいかげんなのには呆れた。麻薬不法所持で逮捕されたクィンテーロがなぜすぐ釈放されたのか、説明がない。ニックの逮捕の仕方が乱暴すぎたからか。ボスを突きとめるためわざと釈放したというのならわかる。クィンテーロを泳がせ、ちゃんと監視してりゃ、デヴォンのご機嫌取りなんかする必要ない。デヴォンに対してだって「あっそう、言いたくないんなら言わなくていいよ、もしかしたら君の情報ってそんなに大したことないかもしれないしぃ」とか言えば相手は子供「そんなことないもん、○○だって言っていたもん」となる。もっともそれじゃ映画にならないけどね。レイノルズは珍しくお色気なし。上司役ホランド・テイラーは「ジャングル・ジョージ」や「スパイキッズ」シリーズに出ていた美人。普通は彼女と仲良くなりそうなものだが。おなかの出たレイノルズを見るのはわびしい。クライマックスのボートシーンはなかなかよかった。間抜けなラストシーンは笑えたし、デヴォンが一人でガッツポーズ取るところはかわいらしかった。ムカつくことの多い映画だが、ところどころいいところもある。