コーマ

コーマ

監督はマイケル・クライトン。ロビン・クックの原作は読んでない。クックは「スフィンクス」も書いてる。ボストン記念病院の外科医スーザン(ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド)はマーク(マイケル・ダグラス)と恋人どうしだが、時々ケンカもする。医師は忙しく、ストレスが多い。昇進争いもし烈。スーザンが異変に気づいたのは親友ナンシー(ロイス・チャイルズ)が堕胎手術後意識が戻らず、脳死状態になったため。信じられない、おかしいと調べ回り、麻酔担当医ジョージ(リップ・トーン)を怒らせる。大病院で手術も多い。時にははっきりした原因もなく昏睡に至る患者も出る。スーザンだってナンシーじゃなかったら何の疑いも抱かなかっただろう。見ている方は早い時点でこりゃ臓器売買が絡んでいるなとわかる。何でスーザンはそれに気がつかないのかいな。ビジョルドはこの映画の頃は30過ぎで、目のあたりにシワがあるが、小柄で細くて知的で応援したくなるタイプ。一方ダグラスにはどうしても信用できないムードがある。昇進のためなら何でもしそう、途中で裏切りそう・・でも何もなかったな。外科部長ハリスがリチャード・ウィドマーク。出てきた時から悪役臭がぷんぷん。スーザンが自分の思い過ごしかも・・と思い始めた矢先、今度はマーフィという頑丈な男性が昏睡状態に。あらまあ、この濃いオッサンは・・トム・セレックだわ。それにしても一味もバカよねえ。めったに起きないことが二日間で二件じゃ、そりゃ疑惑に火がつきますってば。昏睡患者が送り込まれるジェファーソン研究所を仕切っているのがエマーソン。演じているのはエリザベス・アシュレイで、すげ~貫禄。患者はみんな宙づりにされていたけど、ああいうやり方はホントにあるのかな。ボストン記念病院での死体置き場・・頭のところをはさまれて・・ウォークインクローゼットの中の衣類状態ってのもびっくり。病理科では、まだ髪のあるエド・ハリスがちょこっと。標本にするのか内臓をいじくっていたけど、彼なら塩漬けにして天日で干して酒のつまみにしそう。わりとおもしろかったけど、途中のスーザンとマークの休暇など、いかにもなとり方で平凡な感じ。病院という巨大な建物や、無機質な研究所は印象深かったけど。