決定版!SF映画年代記

決定版!SF映画年代記1 宇宙 最初の開拓地

WOWOWで放映されたドキュメンタリー。BBCの製作なので、「ドクター・フー」がやたら出てくる。映画は権利がうるさいから、出してこれる作品は限られるのだろう。中には写真だけだったり、ナレーションだけですませていたり。「スター・トレック」ではウィリアム・シャトナーとニシェル・ニコルズ。この二人のキスシーンは、テレビで初めての白人と黒人によるキスシーンなのだそうな。他のテレビシリーズとして「GARACTICA/ギャラクティカ」や「ファイヤーフライ 宇宙大戦争」。どちらも未見。「ファイヤー」の主役はネイサン・フィリオンか。いつもヒロインの力になってくれそうだけど途中から出てこなくなるとか(「ドラキュリア」)、ヒロインの力になってくれたけどラストあっさり捨てられるとか(「ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた」)、そんな役ばっか。「キャッスル」とか言うシリーズにも主演しているらしいが、見ているヒマがない。「スター・ウォーズ」は、最初ハン・ソロがロバート・レッドフォード、オビ・ワンがリー・マーヴィンの予定だったらしい。製作は難航し、みんな駄作だと思っていたし、ヒットするとも思ってなかったようで。でも、ルーカスを信じ、後押ししてくれたのが当時20世紀FOXの重役だったアラン・ラッド・ジュニア。あらまあ・・彼を見るのはたぶん初めて。ラッドの最初の結婚でできた息子だろう。再婚後にできたのがデヴィッドで、一時「チャーリーズ・エンジェル」のシェリル・ラッドの夫として(のみ)映画雑誌に写真が載っていたけど、離婚してしまった。「エイリアン」は、人間とはかけ離れた存在というのが斬新。「2001年宇宙の旅」はリアリティーにこだわり、群を抜く説得力がある。ラストの白い部屋は、ルーブル美術館を模しているらしい。異星人はボーマンの意識を探り、ああいうのが人間の居住空間だと判断したのだ。ケア・デュリアはヒゲだらけ。ジェレミー・アイアンズに似て見える。印象に残ったのはジョン・カーペンターの、宇宙船は清潔じゃないという意見。「2001年」はウソっぽい。同じメンバーが限られた空間に長期間閉じ込められるのだから、そのうち気遣いはなくなり、何事もなげやりになり、ぎりぎりまでほうっておこう・・ということになる。その結果、不潔で散らかっていて、頭の中は不満だらけ・・となる。それが「ダーク・スター」。

2 異星人との遭遇

異星人と言えばまず火星人。火星人と言えばH・G・ウェルズ作の「宇宙戦争」。インド人から見たイギリス軍は、火星人の侵略にも思えたことだろう・・というのがヒントらしい。小説も映画も時代をうつす。オーソン・ウェルズのラジオ放送でパニックが起きたのは1938年。戦争の予感が人々に忍び寄っていた頃。50年代に入るとソ連の脅威。で、53年に「宇宙戦争」。96年になると「インデペンデンス・デイ」で、火星人をやっつけるのは細菌からコンピューターウイルスに。2005年の「宇宙戦争」は、はてさて何を背景にしていたのやら。テレビシリーズだと「ドクター・フー」で、憎しみしか持たない種族ダーレク。これって私には「禁断の惑星」のロビーの悪役版にしか見えないけど。それにしても「ドクター・フー」がうつる度にげんなりする。あのへたくそな演技!50年代はまた、外からの脅威だけでなく、内側からのもあった。アメリカで吹き荒れた赤狩りの嵐。「影が行く」で書かれた、誰が乗っ取られているのかわからないという恐怖は、「遊星よりの物体X」では希薄。カーペンターの「遊星からの物体X」でばっちり描かれる。カーペンターったら「異星人は悪者であるべきだ」なんて言っていて。自分が自分でなくなる恐怖は「ボディ・スナッチャー 恐怖の町」。これは見たことないけど、ケヴィン・マッカーシーが若い!それにハンサム!テレビだと「Xーファイル」。異星人が政府と手を組み、一般人には事実を隠していると言う・・。自分達を守ってくれるべき存在を信用できないと言う・・。他に地球内部からの脅威もある。たいていは核兵器がきっかけ。巨大化したり眠りから覚めたり。ここで我らが「ゴジラ」の登場だ。「原子怪獣現わる」の方は見たことなし。他に「ジュラシック・パーク」。脅威が友好に変化するのが「未知との遭遇」や「E.T.」だ。カーペンターのせせら笑いが聞こえてきそう。共存となると「メン・イン・ブラック」。それにしてもなぜ「地球の静止する日」のクラトゥを出さない?あとテレビでは「謎の円盤UFO」という決定版があるでしょ!「ドクター・フー」じゃなくて!

3 われらはロボット

ロボットと言うと「アイ,ロボット」が思い浮かぶが、出てこない。人間は新しい命を作り出したい。神の役割を演じたい。その先には、自分の作ったものだから自分の思い通りになるはず・・ってのがある。でも、反旗を翻され、恐怖を感じるはめに。「ターミネーター」は最初ランス・ヘンリクセンがやるはずだったそうで、そうなっていたらずいぶんイメージが変わっていたことだろう。結局シュワちゃんで正解だったんだけど。人工生命と言うと、古くは1817年にシェリー夫人が書いた「フランケンシュタイン」。映画は1931年。作り出すことはできても、制御できない。ボリス・カーロフのモンスターには悲哀が漂う。人にやさしい、いいロボットの代表は「禁断の惑星」のロビー。悪い方は「メトロポリス」のマリア。「スター・ウォーズ」シリーズのC-3POはマリアの外見を参考にしているようだ。R2D2の方は「サイレント・ランニング」に出てくるロボットを参考に。どちらの映画も未見。そのうち人間をサイボーグ化するようになる。テレビシリーズの「600万ドルの男」の頃はまだ楽観的。対照的なのが「ロボコップ」で、こちらはピーター・ウェラーのおかげで強い印象残す。ちょっと見にはやたら残酷で暴力的。でも監督バーホーベンによると、十字架にかけられ、その後復活という・・宗教的な話なのだそうで。でもそこまで感じ取れた人いる?さて、「2001年宇宙の旅」のHAL。マーティン・バルサムとかナイジェル・ダヴェンポートが声の候補だったけど、なまりがあるのでダメ。それで「ユニバース」という短編映画のナレーションやったダグラス・レインがやることに。まあHALはロボットではなく、コンピューターだけどね、SF映画史上はずせない存在ではありますな。人間の機械への責任となると「A.I.」。あらッ、オスメント君すっかりオッサン化しております!感情や記憶、さらには寿命と、余計なものくっつけたのが「ブレードランナー」のレプリカント。人間が機械に取り込まれるのが「マトリックス」。他にテレビの「GALACTICA/ギャラクティカ」も出てきたけど、宇宙船の中で金髪で真っ赤なドレスのイケイケ美女はあまりにも場違い。安っぽいムードぷんぷんで、何じゃこりゃ。

4 タイムトラベルへの扉

タイムトラベルと言うと、まず「タイム・マシン」、それと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」がすぐに思い浮かぶ。他に「タイムライン」や「タイムコップ」などがあるけど、出てこなかったな。タイムトラベルは科学的には実現の可能性はないのだそうで、それだと話が終わっちゃうな。H・G・ウェルズが「タイム・マシン」を書いたのは1895年。原理とかはっきりしないけど、とにかくマシンは完成する。少したつと、今度はタイムパラドックスが問題に。過去をいじくると未来に影響する。「サウンド・オブ・サンダー」がこれだけど、原作の紹介だけで終わり。アホ映画だから?でも「ビルとテッドの大冒険」だって見るからにバカ映画。若い頃のキアヌ・リーブスはこんな役やってたんだ。テレビシリーズだと私はどうしても「タイム・トンネル」を思い出す。でも代わりに「ドクター・フー」に時間割く。一番新しいドクター・フー役マット・スミスは、「シャーロック」のワトソン役の候補だったらしい。非常に個性的な感じの人で、彼とカンバーバッチだとシャーロックが二人・・みたいなことになるのでは?その前のドクター・フー役はデヴィッド・テナント。ウェス・ベントリーと若い頃のジョン・キューザックをミックスしたようなハンサム。でも、この番組には全く興味持てないな。他に「タイムマシーンにお願い」ってのがあって、主演はスコット・バクラ。タイムトラベルに関係なく、未来を描いた映画としてきれいすぎな方が「2300年未来への旅」。暗くて混沌としていて無駄なものばっかりで、でもエネルギッシュなのが「ブレードランナー」。未来から誰か警告しにやってきたらどうなる・・というのが「12モンキーズ」や「ターミネーター」。でも警告されたって人々は本気にしないし、やっぱり悪い方へ流れる。「新・猿の惑星」もそうだったな。同じことをくり返すうちに人間的に成長するというのもある。「恋はデ・ジャブ」とか。これには出てこないけど、「ミッション:8ミニッツ」とか「オール・ユー・ニード・イズ・キル」なんかもそうなんだろう。未来から来た自分と対面・・しかも殺し合うというのが「LOOPER/ルーパー」。あら?ブルース・ウィリスってこういうの多くない?「12モンキーズ」も彼だし、他に「キッド」なんていうのもあったよな。