パーフェクトな妻たち

パーフェクトな妻たち1 ケイトとアン=マリー

一回目・・見終わって気づいたが、白手袋テストはやっていない。ケイトは夫と子供三人。小柄で精力的な感じ。育児からはほぼ解放され、いろんなものに興味を持ち、日曜大工が得意。アン=マリーは夫と子供二人。下の子はまだ小さく、男の子なので動き回り、目が離せない。彼女はできるだけ子供と一緒にいようとする。今のこの時期は一度しかないのだから、大事にしようと思っている。子供部屋はあるが、それ以外の部屋もオモチャでいっぱい。ケイトはやりたいことがありすぎて家のことに手が回らない、アン=マリーは子供中心で他のことは後回しというところか。二人とも以前はキャリアウーマンだった。今は専業主婦だから、仕事と家事を両立させなければならない女性に比べればめぐまれている。つまり、家を汚くしていることについては、言い訳できないのだ。二人に必要なのはシステム作り。何があるか一目でわかるようにすれば時間の節約になり、家事以外のことをする時間ができる。小さなホテルを運営するように回していけばいいのだ。ケイトは人に指図されるのが嫌いだが、その代わり共感すると素直に受け入れる方。彼女の熱意はまわりも動かす。一方アン=マリーは子供中心という考えを変える気はない。家中の壁に子供の描いた絵を貼り付ける。どんな落書きも母親にとってはいとおしいもの。アンシアの考えは違う。何事にも限度がある。子供への愛情は当然だが、そのことによって家事をおろそかにし、家の中をゴチャゴチャにしていていいはずがない。アンシアとアン=マリーはこの点で互いに譲らず、折り合うことはできない。ラスト、勝者はもちろんケイト。アンシアに真っ向から反論した時点で、アン=マリーには勝ち目なし。子供のいないアンシアに、子供がいることのすばらしさを強調するなんて向こう見ずな・・。まあ子育て中の女性はたぶん彼女の方に共感するだろうけど。とは言え、そういう自分の考え方を根本から変えるくらいの意気込みで取りかからなければ、家の中がきれいになるはずがないってのも確か。アン=マリーはともすれば子供を言い訳にし、自分を変えることはできなかった。

パーフェクトな妻たち2 ジェーンとヒラリー

今回から白手袋テストをやっている。ジェーンは26歳で子供が二人。シングルマザーで仕事してないようだが、一軒家に住んでる。両親は向かいに住んでる。日本なら同居するだろう。彼女は何事も最後までやり遂げられないタイプ。さっぱりしたかわいい顔してるし、若いから体の線も崩れていない。ただ、何事にも不器用で、無神経。ものを置くのにほうり投げるようにするし、ジャムに指を突っ込んでなめるなど行儀も悪い。ヒラリーは36歳で、結婚五年目。夫と子供二人。子供二人がまだ幼いのはジェーンと同じ。ダンナはケヴィン・スペイシーにちょっと似ている。彼女はPR会社を経営しているが、仕事は自宅でやってる。以前は太っていたが、今はかなりスリムになったらしい。それでもまだ太めだけど。ダイエットに成功したのに、家のスリム化はできないと?やせる方が難しいと思うが。彼女は服を買い込んではろくに着もせずため込んでいるタイプ。太っていた時の服なんかとっておいても仕方ないのに。彼女は仕事と家事にがんばりすぎ、コントロールできなくなっている。アンシアは家族に助けてもらうようアドバイス。ジェーンの方はゴミの分類の仕方。ゴミが分類できるようになれば、家にあるものも分類できる。彼女はゴミ袋にビデオをほうり込んでいたけど、みんな捨てるのかね。だとしたら思いきりがいいな。26歳じゃそんなにものは持ってないと思うけど、そうでもないんだよな。ヒラリーは友人や義父に手伝ってもらっていたし、課題のティーパーティもスコーンを手作りしたりサンドイッチをきれいに並べたり余裕がある。性格も明るくて前向き。アンシアからもらったマニュアルを読んで、「銀製品なんてないわよ~」と言ってたのがおかしい。一方ジェーンは一人でやっていたな。何で両親は手伝ってくれないのかな。家具を動かすのは一人じゃ大変。今回の勝者はヒラリー。ジェーンが「信じられない」と言っていたのが印象的だった。自分が勝つと思っていたから不満なんだろう。引き出しの中を片づけるのを拒んだり、ゴミを隠していたり、マイナス点は確かにあるけど、孤軍奮闘していたのは確かだから、ちょっと気の毒。

パーフェクトな妻たち3 ジョアンとスザンヌ

3回目はジョアンとスザンヌ。ジョアンの家は三階建てのタウンハウス(って何?)。夫と15歳、2歳半の二人の娘。猫が3匹にオウムが4羽、熱帯魚。専業主婦で、下の娘は5時間預けるから、時間はあるはずなのだが、ベッドに寝っころがってテレビを見たり、パソコンでポーカーゲームをしたり、要するに怠け者。一方のスザンヌは夫と二人の息子、看護師として働くかたわら経営学も学んでいる。とにかく時間が足りないし、家事のやり方がわからない。喘息の持病があって生気に乏しいジョアンに対し、スザンヌは小柄で太っていてエネルギッシュ。ジョアンの寝室にはアイロン台やら乾燥機があってくつろげない。トイレには酒のストックや鳥の餌。居間のカーペットは鳥のフンなどで汚れている。スザンヌは洗濯が大嫌いで、白いものも柄物もみんな一緒くたに洗濯機にほうり込む。乾燥機から出したものを、そのまま戸棚に押し込もうとするので、アンシアもあっけに取られる。より分けることもたたむこともせず、ただ押し込む。視聴者もびっくりだ。しかも驚いているアンシアに「どうしたの?」・・しまう時のひと手間が、身につける時の手間を省くことになる。捜す手間、組み合わせに迷うこともなくなる。とは言えアンシアの洗濯システムは一般家庭では無理だ。白いものを入れるカゴ、色物を入れるカゴ、薄い色のものを入れるカゴ。ドライクリーニングに出すものを入れる袋、手洗いするものを入れる袋・・あの~そんな場所ありませんてば。洗濯ルーム?そんなのありませんてば。アイロンがけに関しては参考になった。力ではなく熱。アイロンの重さを利用して軽くかけること。そう言えば私シワを伸ばすため力入れてた・・。今回の勝者はスザンヌ。二人にはさほど大きな差はなかったと思う。ただ、スザンヌの方がエネルギッシュに取り組んでいた。ジョアンはもたもたして時間がかかるタイプ。寄り道も多い。時間はスザンヌよりずっとあるのに、最終審査の時点でカーペットが汚れたまま。こんなもんでいいやと思っちゃうんだろうな。

パーフェクトな妻たち4 サラとトレーシー

サラは夫と男の子四人。一番下はまだ赤ん坊。専業主婦だが、毎日てんやわんや。洗濯物は山になってるし、流しは食器でいっぱい。トレーシーは夫と子供二人。パートで美容師をし、糖尿病の持病がある。時々気分が落ち込み、涙が出てくる。ダンナまでショボンとしてなぐさめているのが微笑ましい。家の中は使いもしないエクササイズ用品が置かれ、洋服のラックになってる。棚にはメイク用品が詰め込まれ、他にもバーゲンで買い込んだ品々。彼女はものに執着し、捨てられないタイプ。アンシアの見るところ、トレーシーの方がより問題を抱えている。サラだって問題抱えているはずだが、わんぱく盛りの男の子達に振り回され、落ち込んでいるヒマさえないだろう。アンシアは彼女のことを野暮ったいと言っていたが、それはちょっと気の毒だ。追い回され、疲れきり、自分のことは後回しの毎日なのだから。最初はニコニコと明るいが、何か都合の悪いことがあると表情がなくなり、黙ってしまう。自分でも強情な方と言っていたが、それがわりと表に出る方。アンシアとだんだん考えの相違が出てくるが、自分の考え方を変えない。何たってアンシアには男の子四人の大変さはわからないのだし、家のサイズも違う。男の子は洗濯の度に靴下をクリップでとめるなんて細かいことはやらないし、洗濯物を仕分けるカゴをいくつも置くスペースもない。たぶんサラは最初の熱意も失せて、いちおうは言う通りにしたわよ風に見せて、都合の悪いことは隠しちゃったんではないかという気がする。最終審査で書類入れが空っぽなのを見て、アンシアが不審がってたし。その点トレーシーは素直だし、病気持ちで精神的にも弱い。こういう同情を引くタイプは点数を稼ぎやすい。もちろん彼女も気持ちをふるい立たせ、片づけに取り組んだ。女の子だけのパーティもうまくいった。サラの方は男の子ばっかりだから大混乱。ここでも彼女は不利だ。結果はもちろんトレーシーの勝ち。アンシアは勝者を決めるのにあまり悩まなかっただろう。確かにサラは意固地な感じで損をしていたけど、赤ん坊に話しかけながら掃除をしているところなど、やさしいいいお母さんだと思った。

パーフェクトな妻たち5 ルーシーとリンダ

ルーシーは夫と小さな子供二人。でっぷり太っていて、ダンナの二倍くらいありそう。元々は秘書をしていたらしいが、今は専業主婦。家事のやり方がわからないと言うよりは怠け者。テレビを見ていたい方。トイレ掃除は漂白剤を原液のまま大量にかけて終わり。バスルームは洗剤をガラスにスプレーして終わり。あとはほったらかし。アンシアを呆れさせたのは、便器のそばに脱いだ服を置きっぱなしにすること。どうせ明日またこれを着るんだし・・って、そういう問題じゃないだろッ!冷蔵庫の下には綿ぼこり、オーブンは三年も掃除してない。だらしのなさは体形や表情にも現われている。とにかく締まりがない。アンシアに何か言われると・・例えばシャンプーか何かが何本も並んでいるのを指摘されると、これでもかとばかりに言い訳を並べ立てる。しまいにはアンシアも笑い出すほど。私はこんなに大変だとか辛いとか、そのうちに泣いたりするが、自分を甘やかしてるとしか思えない。ダンナの方がよっぽど辛いと思うよ。リンダは夫と10歳、24歳の息子。下の方は生意気盛りだ。ルーシーより年上で元はバリバリのキャリアウーマンだったそうな。彼女も怠け者で、ものの置き場所が決まってない。部屋には砂ぼこりやクモの巣。ルーシーはたった二日子供と離れるのも辛がって泣いたりするが、リンダはクールと言うか、言動がさばさばしている。釘を打って絵を掛ける代わりに、接着剤で絵を直接壁に貼り付けるなど常識はずれなことも平気。アンシアは最初のうちはルーシーのことをやる気があるのかしらと心配する。つまらなさそうだし、逃げることばっかり考えてる。そのうち興味がわいたのか、やる気を見せ始める。リンダの方はあまり変わらない。感情の起伏が少ない。家の片づけという点では、二人にはあまり差はなかったと思う。最終審査でもルーシーはランプシェードにほこりがあったし、リンダの方は主として犬のせいだが、毛や食べこぼし、窓の汚れがあった。あとリンダはパーティの時、ワインのコルクがうまく抜けなくて中に押し込むなど、やることが雑で、これもマイナスだったと思う。いちおうアンシアはルーシーの方がスタート時点で最悪だったから・・と述べていたが、感情も含めて状態に高低差のある人の方が勝者になりやすいってことね。劇的に変わったように見えるから。

パーフェクトな妻たち6 リサとスティーブ

リサは夫ピーターと、子供が二人。25キロのダイエットに成功したそうで、今はダイエットのアドバイスの仕事も。バースディケーキに39とあったから、レッスン受けた時は38歳か。家事が大嫌いで、玄関から続く通路にはものが置かれ、ヒーターの後ろには郵便物がはさまれている。何でもそこらに置きっぱなしにし、それが積み重なって手がつけられない状態。キッチンの引き出しはゴチャゴチャで、何が入っているかわからないし、仕事部屋は入るのがいやになるほど。アンシアから見ると、彼女は子育て、仕事、家事を全部一人で抱え込んでいる。一つ一つ順序よく片づけていけばいいのに、全部一度にやろうとする。ゴミは手紙や書類など紙類が多く、私から見ると捨てやすいと思える。あとは細かいガラクタ。いやがらず冷静に見れば、いらないものばかりとわかるはず。中間チェックの時、パソコンなどの絡まったコードを直し、どれが何のコードかわかるようアンシアはラベルを貼っていた。今のリサの生活は絡まってホコリだらけのコードと同じだと思う。スティーブは一年半前大工をやめ、働く妻べブの代わりに主夫をやることに。べブに言わせると大工をクビになったそうで、今の様子を見るとさもありなん。朝起きられない。それでいて毎日6時間もゴルフ。大型犬に小型犬、それに猫も飼っていて、人間のトイレの横には猫のトイレ、庭には犬の糞。そこらじゅうホコリや犬の毛、猫のトイレ臭で不潔極まりない。怠け者の夫のせいで、べブは仕事の他に家事も。「スティーブには変わって欲しい、あれじゃ奥さんが気の毒」とアンシア。家事をしないのなら仕事につけと怒るべブに、スティーブは女は口うるさいだの、男だから家事には不向きだのと言い訳ばかり。家事が女の仕事なら、職業について金を稼ぐのが男の仕事のはず。家事もしない、仕事にもつかない彼はそうなるといったい何なんだろう。レッスンを受けるはめになっても、「家事を簡単にすませる方法があれば」と、甘いこと考えてる。最初のレッスンはカーペットの掃除。アンシアに言わせると、たいていの人は掃除機を使いこなせていない。ノズルの使い分けもしていない。

リサとスティーブ2

次にリサはキッチンの引き出しの整理、スティーブはブラウスのボタンつけ。アンシアは金だわしを布でくるんで針山にしていたけど、日本だと髪の毛が入ってる。それとも今は違うのかな?おもてなしはバースディケーキ作り。家に帰った二人は”とにかく捨てる”モード。そのうち家族も協力してくれるように。最初は捨てるのをいやがってべそをかいていたスティーブの娘も、少したつとケロッとしてあれこれ捨てていたのがかわいかった。スティーブはまだ魔法で何とかならないかな・・なんて考えてる。書斎は壁一面に作りつけの棚があって、彼が作ったのだろうか。片づけの途中で、大工の経験生かしているところは何もなかったな。こう言っちゃなんだけど、大工としての腕もあんまりよくないんじゃないかと・・。だってあまりにもぶきっちょだし、ここはこうしようとか工夫もないし。おもてなしはアンシアの見るところ二人とも不十分。リサは家の前にゴミを出しっぱなし。お客のコートを玄関にかけるため、家族用のコートを一時的に移すことも思いつかない。わざわざお客のコート抱えて、二階の寝室へ運ぶ手間。紙の皿を使ったのもバツ。スティーブの方はアンシアが注意したのに犬用の食器が出ているなど、全体的に清潔さに欠ける。最終チェックも同様。リサの家は一見きれいになっていたが、家具を動かすとホコリやゴミが・・。ただ、仕事部屋は・・仕事をしたくなるような整頓されたきれいな部屋に変身していて、満点。スティーブの方は最後まで自覚が不十分のまま。リサのような、アンシアの言うことを素直に聞き、実践する熱心さはなく、ちょっとくらいホコリがあったってどうってことないという考えをどうしても変えられない。どうしても自分は男だからというのを変えられない。二人とも欠点はあったものの、リサが勝ったのは、彼女は変わったからだ。スティーブの方は変わってない。レッスン前の彼がひどすぎたせいで、べブには十分変わったように思えて喜んでいたが、甘い顔しちゃだめ。すぐまたゴルフ三昧に戻りかねない。とは言え、スティーブにはどこか愛敬があるからまだいい。

パーフェクトな妻たち7 ルイーズとリンダ

NHK教育でやった時はこの回を見逃してしまい、残念に思っていた。それと言うのもリンダの家が本でいっぱいだから。彼女の家がどうなっているのかとても興味があった。54歳のリンダは夫と息子の三人暮らし。他に娘もいる。婦人会の会長をしていて、週に三日は経理の仕事。編み物など趣味も多い。居間には大きな本棚、自分の書斎も入口と窓以外は作りつけの本棚。こういう作りつけというのはうらやましい。大掃除の度に重い本棚を動かすのって大変。床に傷もつくし。玄関へ行くまでの感じなどは「カレンダー・ガール」の一シーンを思い出す。あちらでは子供がいても家の中はきれいに片づき、美しく花が生けられていたが、こちらのリンダの家はごっちゃごちゃ。メガネをかけ、髪はおかっぱ、太めでいかにもぶきっちょそう。一度にたくさん運ぼうとして、よいしょと持ち上げたとたん取っ手が切れるなど、適量を知らない。早くやろうとしてかえって余計な時間がかかる。ルイーズは39歳で元キャビンアテンダント。2歳の息子と9歳くらいの娘がいるシングルマザー。仕事はしているのかどうか不明。男性と子供と三人でうつっている写真が飾ってあるのが気になるが、説明はなし。こちらの家もごちゃごちゃだ。最初のレッスンは洗濯物の干し方。正しく干せばアイロンの手間も省ける。次にリンダはゲストルームの整え方、ルイーズは子供部屋の片づけ方。途中まではリンダの方がリードしている。ルイーズはアンシアにしかられてばかり。逆転したのは、家に戻ってからのコーヒーパーティ。リンダはゴミ袋を通り道に置いたままにし、招いた客に片づけさせるなど無神経。コートも預からず、お客は立ったまま。でもみんな楽しそうだ。ルイーズの方はお菓子作りには失敗したものの、接客には気配りが行き届き、アンシアを感心させるが、これはキャビンアテンダントだったせいもあるかも。家のまわりが汚かったのもちゃんと掃除。これもアンシアに好印象与えたはず。リンダも本をたくさん処分し、屋根裏のゲストルームも見違えるほどきれいにするなどがんばったが、結果はルイーズの勝ち。あまりやる気がなさそうに見えた彼女だが、アンシアにしかられてもくさらず、家の改造に取り組んだ。見かけと違い、彼女は社交的な性格らしい。

パーフェクトな妻たち8 タマラとリアム

タマラは元警察官。同僚だったスティーヴと結婚し、三人の子供がいる。専業主婦らしいが、地域の奉仕活動に熱心で、そのせいで家事は後回し。いつも時間に追われ、大忙し。リアムは、フルタイムで働く妻ケイトの代わりに主夫をしているが、この五年間さぼりっぱなし。子供が二人いて、面倒見のいいパパだが、家事を怠けてばかりなので、ケイトも頭にきている。タマラは、なくさないようにとソックスに入れておいた大切な結婚指輪を捨てちゃったと涙ぐむ。家の中を散らかしているからこういうことになる・・と言うか、しまい場所変だろッ!リアムは妻に離婚すると脅されたと打ち明ける。たぶんケイトは本気じゃないと思う。そうでも言わなきゃリアムは動かないのだ。彼が恐れているとすれば、一人になれば働かなくちゃならないことだろう。今は働かなくていいし、家事もいくらでもさぼれる。こんないい状態はない!レッスンを受ける気になったものの、努力しないで家をきれいにできれば・・と、虫のいいことを考えている。アンシアも「彼は怠け者」と、ずばり。二人は対照的なタイプで、タマラは小柄で活動的。顔立ちもよく見れば整っている。顔はすっきりしているが、お尻のあたりに肉がつき、左右に広がっている。ジーパンをはくといっそうそれが目立つ。リアムは大柄で髪を伸ばし、不精ひげ。太り気味で全体的にむさくるしい感じ。怠けたい楽したいムードが漂っている。よく言えばやさしそう。最初のレッスンは食器の洗い方。汚れた食器を積み上げているリアムだが、大柄な彼には流しが低すぎてやりにくいだろう。とは言え、やり方を知らないのも事実。シンクにお湯を張るのさえまごつく。タマラは食洗器を使うが、詰め込みすぎてつかえてしまう。量を減らせばいいのに、無理に押し込もうとする。彼女は考えるよりも行動が先のようだ。つまりせっかち。次にタマラはラッピングの仕方、リアムは写真の整理。おもてなしはワインとチーズのパーティ。家に帰ったタマラは、早速片づけに取りかかる。体を動かすのが苦にならないから、くるくるとよく働く。スティーヴが心配するほど彼の服を捨てまくるが、自分の服は?中間チェックに来たアンシアは、居間の片づけを手伝う。大きな飾り棚は本やCD用じゃないと、CDはチェストの引き出しに。

タマラとリアム2

よく文庫本やCDはタンスの引き出しになんて雑誌にあるけど、頑丈な英国家具ならともかく、日本の普通のタンスの引き出しは無理。底が抜けそうになるし、引き出しが開かなくなる。話を戻して・・少し片づくと、アンシアはフタつきのカゴをいくつか持ってくる。これならオモチャを入れてそこらに置いても目ざわりじゃない。リアムの方は、玄関を入ってすぐ目につくのが、ヒーターの上にかけられた衣類。洗濯物を乾かしているのだが、アンシアにはがまんできない光景。ものの処分も彼女から見れば不十分。袋に入った妻と子供の服が置いてあるが、自分の服は?本も読んでしまったのは処分させる。居間のソファを並べ替え、寝室も家具の位置を変える。リアムは靴下を靴下の中へ詰め込んでいる。自分ではいいアイデアだと思っているが、イモムシみたいで、アンシアは気味悪がる。第一、一番上にあるものしか取り出せない(アホか)。おもてなしではタマラがリードする。ちゃんと手作りのリンゴのおつまみも用意。パーティではスティーヴが新しく買ったリングを差し出し、「もう一度ぼくと結婚して」とプロポーズ。感激して「何万回でも」と答えるタマラ。こういうのはアンシアも好きだろうな、ロマンチックだもの。一方リアムは用意の前にまず自分がおめかし。髪はカットし、さっぱり頭に。のんびりしていて、後であせる癖はいっこうに治らない。そのうち彼のまわりには謎の女性が・・アンシアも「あの人誰?」と不思議がる。要するに招いた客にあれこれ手伝ってもらっているわけ。で、それが当然だと思っている。ここで彼は大きく減点される。ワイングラスのホコリを水でゆすがず、吹き飛ばしたのもバツ。デンタルフロスでチーズをカットするのを客の前で見せたのもバツ。無神経すぎる。最終チェックではタマラは問題なし。子供の絵がびっしり貼ってあった台所もすっきり。リアムはあちこちホコリや汚れが。結果はもちろんタマラの勝ち。彼女は家の片づけをやっているうちに勝負にはこだわらなくなった。自分に自信がついた。リアムも彼なりにがんばったが、どこかにこれくらいでいいだろう、男だから大目に見てもらえるだろうという甘えが感じられる。ケイトは喜んでいたけどね。

パーフェクトな妻たち9 エイドリアンとレイチェル

エイドリアンは夫スティーヴと男の子三人がいる専業主婦。金髪で色白でぽっちゃりしている。美人ではないが、若くて健康そう。彼女はたぶんあまり頭はよくないんだろう。ホントのところはどうなのか知らないが、イメージとしては高校を出てすぐ結婚して子供ができて・・という感じ。家事を教わる暇もなく、ここまで来てしまったという感じ。家事のやり方がわからないと言いつつ、ソファに座って一日中テレビを見ている。誰かに教わろうとか、チャレンジすることもなく、楽な方へ流れる。夕方、夫が帰る頃になってあわてるはめになる。スティーヴにしてみれば、一日の仕事が終わっても、また別の仕事に行くようなもの。いいかげんうんざりだ。レイチェルは週に二日小学校の先生をしている。夫ロブと子供二人がいる。黒髪を垂らし、着ている服もいつも黒。レイチェル・ワイズ似の美人なのだが、ころころと太っている。笑い上戸で、笑っているうちに聞こえるのが「カッカッカッ」という音だけになるのが特徴。エイドリアンとは違い、彼女はある程度家事は知ってると思う。問題はどんなものにも思い入れがあって捨てられないことと、出しっぱなし置きっぱなしにすること。このだらしのなさにはロブも腹を立てている。二人に共通しているのは、家の汚さが夫婦関係の悪化を招いていること。アンシアはそのうち夫は家に帰りたくなくなる・・と、警告する。最初のレッスンは衣類のたたみ方。二人ともたたみ方はおろか、丸めて突っ込んで終わり。男物と女物を分けることすら気づかない。次にエイドリアンは家事にかかる時間を把握することを習う。彼女はどんなやるべき家事があるのか、どれくらいの時間がかかるものか、全然わからない。脇目もふらず家事を片づけるのは、自分の自由時間を確保するため・・とアンシア。レイチェルの方はため込み癖の治し方。あれもこれも取っておくほどのスペースはないということをまず自覚する。自分用の箱を一つ用意し、取っておくものを厳選する。要するに宝物用の箱だ。おもてなしは特別な朝食。家に帰ったエイドリアンは髪を縛り、エプロンを着け、片づけに取りかかる。せっせと働く彼女は生き生きとしてきれいに見える。たぶん彼女にはレイチェルのようなものへの執着心はないのだろう。少しやっただけでもう成果が出る。うれしくなってもっとやりたくなるという好循環。

エイドリアンとレイチェル2

レイチェルの方はレッスンを受けたからと言って、すぐため込み癖が治るわけではない。たくさんのガラクタを前に迷い、あれはとっくとわ、これはとっとくわ・・となる。意外なことに息子のウォーリーはあれも寄付するこれも寄付するとさっぱりしたもの。息子といういいお手本がいるのになかなかスイッチの入らないレイチェル。中間チェックでは次から次へと出てくるガラクタに、アンシアも呆れ顔。どうもレイチェルの母親が元凶らしい。置き物や皿、動物の写真・・そのうちアンシアも頭痛がしてくる。おもてなしではエイドリアンは生のオレンジを使わずジュースで間に合わせ、アンシアをがっかりさせる。お客がいるのに掃除機が出しっぱなしなどムードぶち壊し。一方レイチェルはちゃんとオレンジをしぼるが、お客に手伝わせたり、無粋なスリッパをはいていたりと、こちらも減点もの。最終チェックではエイドリアンは汚れていたソファをきれいにしたし、台所の床もアンシアに言われた通り、酢と重曹と歯ブラシでタイルの目地をきれいに。気がつくとテレビ見てないし、見たくもならない。一番の変化は、汚くて散らかっていて、文字通りただ寝るだけだった寝室をきれいにし、ロマンチックなくつろぎの空間に変えたこと。今では夫婦仲も改善し、とっても幸せとうれしそう。レイチェルも言われた通り宝箱を作った。取っておくものを選び、ガラクタは処分した。二人のがんばりぶりや、きれいになった家には、大きな差はない。でも、勝ったのはエイドリアン。彼女の方がスタート地点では下にいた。無知で自信なさげだった。彼女の方が進歩の度合いが大きかった。またそれとは別に、夫婦仲が改善したというのが大きなポイントだったと思う。家がきれいになって、それでよかった終わり・・じゃないのだ。自分が変わり、家族が変わることも大事。日本のゴミ屋敷改善番組を見ていていつも思うのは、結果を早く出しすぎということ。たいてい一日できれいにしてしまう。しかもまわりが手伝いすぎる。「汚くしていると、またこれと同じことをしなくちゃならない」と、思い知ることがない。「パーフェクトな妻たち」がすぐれた番組なのは、本人に自覚を促し、本人が中心となって片づけるからだと思う。一週間の間には怠けごころも出るし、あせったり、風邪をひいたり、もう投げ出したくなったり。そういう過程が大事なんじゃないの?

パーフェクトな妻たち10 ロレインとスザンナ

ロレインは息子ジョナサンと二人で暮らすシングルマザー。自分の家をごちゃごちゃにして、彼女が何をやってるかと言うと、軍のパイロットで恋人のジョンの家の掃除。掃除の他に食事の支度、犬の散歩も。帰ってくると疲れてしまって、自分の家のことはほったらかし。彼女は、自分が片づけるべきと思ってしまうタイプ。散らかすのは私だから・・と。でもアンシアにそんなのおかしいと言われると、そう言えばそうだ・・と思う。自分がないと言うか、悪く言えば都合のいい女。彼女は不幸な結婚をし、いまだにウェディングドレスをしまっているが、詳しいことは不明。金髪で表情が生き生きとしていて、笑顔が爽やか。アンシアには彼女がその笑顔で不幸な時期を切り抜けてきたのだとわかってる。不幸という点ではスザンナも同様だ。母親の看病でつらい経験をし、その死の後は精神的に落ち込み、遺品の整理も手につかない。しかも母親も彼女もものをため込み、捨てられないタイプ。専業主婦で、双子の姉妹と夫マークとの四人暮らし。マークは前はもっと家事を手伝っていたが、だんだんばからしくなってきている。見ている我々にも母親の死は半分言い訳のように思える。メールのやり取りや、犬の散歩と称してママ友と2時間もおしゃべり。ものすごく太っていて、ガラクタを減らすのと体重を減らすのを同時にやればいいのに・・と思ってしまう。最初のレッスンは床掃除の仕方。次にロレインは書類の整理、スザンナはヘア用品の整理。ロレインは飽きっぽい性格で、転職ばかり。経理、総務、秘書など事務系の仕事が多い。今は助産師になろうと、週に40時間見習いで働いている。アンシアから見れば、事務にしろ病院にしろ、ごちゃごちゃになっていては仕事にならないわけで。職場でやることを、家でそのままやればいいのだ。おもてなしは立食パーティ。お客への心遣い、見せ方の工夫、そして複雑にしないこと。誤ってこぼした時のことを考えれば、赤ワインより白ワイン、オリーブをつまみに出すなら種を入れる皿、油のついた指を洗う水にはレモンを浮かべる。

ロレインとスザンナ2

家に帰ったロレインは、じゃんじゃん捨てるわよモードだけど、ジョナサンは捨てたくないと浮かない顔。年齢的にも難しい年頃だけど、元々は大人しく素直な性格らしく、母親への反抗も尻すぼみなのがかわいい。中間チェックに来たアンシアは、納戸や寝室に置いてある健康器具が目ざわりで仕方がない。あっちにもこっちにもあってスペースを取るし、第一使わないはず。こんなの使わなくたっていくらでもエクササイズはできる。かなり執拗に処分を勧めるが、ロレインは聞かない。意外と頑固。最終チェックの時にもまだあって、こういう言うことを聞かないタイプは、いつもなら負けるのだが・・。ウェディングドレスの方はアンシアとロレイン二人がかりでビリビリジョキジョキ、不幸な思い出と共にゴミ箱行き。途中ジョンも様子を見にくる。ロレインに掃除させ、自分の家は片づいていると自慢するなどいい気なものだが、別の見方もできる。ロレインがジョンの家を掃除できるのは、家が片づいているからなのだ。何も落ちてないし、出しっぱなしになっていないから掃除機をかけられるのだ。朝食で使った皿を流しに置き、それを彼女に洗わせるなんて・・と思うが、流しにあるのが一、二枚の皿とカップだけだから洗うことができるのだ。彼の家と自分の家を比べてみて、なぜそのことに気づかないのだろう。アンシアはスザンナの母親の遺品の仕分けもする。処分を強要せず、スザンナに選ばせる。今回のアンシアは、いつもより態度はやわらかめ。不幸な結婚や身内の死ということで、わりと同情気味。おもてなしは二人とも合格点。どちらかと言うと、スザンナの料理の方がおいしそうに見えた。家の片づけでは、ロレインは例の健康器具がそのままだったし、スザンナの方は家の外が片づけ不十分。あまり差はないように見えるが、勝ったのはロレインの方。家がきれいになり、少しは自主性も出てきた。ジョンとの関係もうまくいくだろう。スザンナはちゃんと犬の散歩をして、ついでにジョギングもして、少し体重減らした方がいい。今のままだとマークを押し潰しそうだ。

パーフェクトな妻たち11 カーラとティーシュ

カーラは息子と夫クリスの三人暮らし。クリスは家で仕事することも多く、工具があちこちに。カーラは仕事は週の半分くらい。子供との時間を大切にしたいからと言うが、それは表向きのことで、家事は大嫌い。アイロンがけはわずかなお駄賃で隣りの9歳の女の子に頼む。妹には週に一度掃除をしてもらっているが、すぐに元に戻ってしまう。カーラはものすごく太っているが、髪はさっぱりと短く、服は白が多い。ティーシュは年齢不詳だが、孫がいるから50代か。こちらもかなり肉づきがよい。衣装もとっかえひっかえ。自営業で、夫スティーヴは販売など外回り。彼女は家で仕事するが、決まった時間はなく、それでいて家事をするわけでもない。子持ちの娘と同居しているが、娘の夫のことは不明。クリスもスティーヴも気がやさしいのか、家のことを強く言い出せない。それをいいことに妻達は甘えている。レッスンはアイロンのかけ方など。洗濯はしてもアイロンがけが面倒で、家中衣類が散らかってるというケースが多いな。家に帰ってからはティーシュはシャワールームの掃除に挑む。教わった通り酢を水で薄め、そこらを拭く。タイルの目地のカビなどの黒ずみにはペースト状にした重曹を張りつけてしばらく置き、歯ブラシでこすり落とす。それでも落ちない黒ずみにはシーリング剤を・・とアンシア。古くなった化粧品の処分を手伝ってくれるのは友人のサラ。他人のものには思い入れがないから、サラは次から次へと捨てる。ティーシュの言い訳も無視。今回はどちらも同じような感じで、がんばり方にも大きな差はない。アンシアも勝者をどちらにするか迷ったことだろう。たぶんカーラが大きなポイント稼いだのは、ベッドの四本柱をアンシアが言う通りすっぱりと切り落としたことだろう。王侯貴族の寝室みたいにベッドの四隅にそそり立つ柱は、今の生活様式には合わない。部屋に圧迫感を与えるだけだ。切ったおかげで部屋が広く感じられる。それにしても・・カーラは少しやせないと。クリスを押し潰しそう。ベッドの底が抜けそう。ティーシュもクローゼットをきれいにするなどがんばっただけに、ちょっと気の毒。引き分けでもよかったのでは?

パーフェクトな妻たち12 アンドレアとマンジット

アンドレアは6歳の息子と3歳の娘、夫のジョンとの四人暮らし。転勤が多く、今も借家暮らし。自分達の持ち物と家の作りが合わない。夫は散らかすし、ため込むし。家をきれいにしても子供のせいですぐ元の木阿彌。エンドレスな家事に嫌気がさし、暇さえあれば自分達に合う家はないかとネットで捜す。アンシアは「あなた、言い訳名人ね」とずばり。アンドレアの泣きどころは幼い娘だ。女の子らしい部屋を作ってあげなければ。マンジットはインド系か。10代の息子三人の母親だが、父親のことは不明。女手一つで育てているが、息子達は図体ばかり大きく、何もしない。家の外にはリフォームした後で出たゴミがそのまんま置いてある。便器にアイロン台、大きなソファ。彼女は仕立てをやっていて、家の中は布だらけ。アイデアが閃くと、家事をほっぽり出して仕事に没頭する。レッスンは靴の手入れ、その後アンドレアはクローゼット、マンジットは物置の収納。おもてなしは特別なピクニック。特別だから食器もそれ用に。プラスチック製なんてとんでもない。食べ物も手作りで。アンシアの言う通りにしていたら運搬は車でなきゃ無理だ。アンドレアは顔だけ見るとやせっぽちだが、首から下はかなり肉がついている。顔立ちはしょっぱいような、すっぱいような要するに貧相。ピクニックの時は重い荷物にひいひい言うが、言われたことは素直にやる方。マンジットは顔の造作が大きく、かなり太っている。気が強そうな感じで、アンシアの言うことも全部は取り入れない。自分が好きで集めている香水のびんをアンシアにぼろくそに言われ、次々に捨てられたのが気に食わない。あれこれ気軽に買えるほど金持ちじゃないとか、カゴカゴって私はカゴが好きじゃないのよとか、反抗的な発言。捨てられたびんのいくつかをまた元に戻しておく。最終チェックの時、アンシアが気づいたかどうかは不明だが、たぶん気づいたはず。彼女が負けたのは、この反抗的な態度のせいだろう。いつもなら女手一つで奮闘するマンジットの方が有利なのだが。息子の部屋はきれいになっていたけど、クローゼットの中はぐちゃぐちゃで、それもマイナスだったと思う。マンジットが悪いわけではない。息子達には勝負も母親の名誉も、どうでもいいことだったってことだ。

パーフェクトな妻たち13 ジュリアンとピーター

今回のはあまり見ない。見ていて腹が立つからだ。出てくる男女の中にはアンシアの言うことをなかなか聞かない人もいるが、ピーターは一番頑固。たぶんアンシアは今回が一番勝者を決めやすかっただろう。もしピーターが自分に少しでも勝ち目があると思っていたとしたら・・考えが甘いもいいとこだ。普通の人なら授賞式になんか恥ずかしくて出てきませんて。彼は腕のいい大工だったが、四年前にクビになり、その後は家でダラダラ。クビになるのもわかる気がするよな、あの感じだと。妻に働かせ、家事もやらせ。娘二人に朝食を食べさせ、学校へ送った後は、ソファで本を読んだりテレビを見たり居眠りしたり。あとは犬の散歩。家の中は彼がため込んだものでいっぱい。妻のカレンが片づけようとしても拒否。置き場所が変わるからと掃除もいやがる。たぶん彼はクビになったことでプライドを傷つけられ、働く気にならないのだ。ものをため込むことで充足感を得ようとしているのだ。自分でもガラクタがストレスになっているくせに、人に言われて行動を起こすことはできないのだ。あくまでも自分がその気にならなければ。ただし、その日がいつ来るかは不明。今回アンシアは彼に片づけさせるのには半分しか成功しなかったけれど、やり方がまずかったのだと思う。彼のようなタイプは誰かに、それも女性に命令されるのはいやなのだ。彼の弱点は娘達。こんな汚い家はいやだ、友達を呼ぶこともできないと泣きつかせればよかったのだ。一方ジュリアンは画家で、娘が二人いる。女優にしたいほどの美人で、白が似合う。夫のジョンは二年前に仕事をやめ、妻のマネージメントと家事のサポートをしている。画家という仕事は、週に五日、9時から5時までとはなかなかいかない。とは言え家事をおろそかにしたせいで家の中はごちゃごちゃ。今回レッスンは軽め。二人には家事のノウハウよりも意識改革の方が大事ってことだろう。家に帰ったピーターは最初のうちは快調だが、すぐにやめてしまう。中間チェックに来たアンシアは呆然とする。全然片づいてないのにもう掃除は終わったと言い張る。最終チェックでは片づいた一階にアンシアは大喜びするが、二階へ行って愕然とする。ガラクタで足の踏み場もない。それに比べればジュリアンはアンシアの言うことを素直に聞き、実行し、居心地のいい部屋を作り上げた。明るく清潔、絵の仕事もはかどるだろう。

パーフェクトな妻たち14 ヘザーとジェニー

今回は若い女性三人ずつの中から一人が代表してレッスンを受け、帰ってから協力して家をきれいにする。ヘザー、リディア、ロウィーナの三人は同じレストランでウエートレスとして働いている。代表のヘザーは大柄で、男みたいな顔立ち。リディアはすごい美人だ。彼女がうつる度、女優になればいいのに・・と思う。ロウィーナは印象の薄いタイプ。もう一方は大学生三人。代表のジェニーは週に二、三回バーでアルバイトをしている。9時から5時まで・・と言っても夜の9時から朝の5時までだ。まだ20歳なのに疲れた顔。ジョーはポール・ダノみたいな顔をしている。シャノンは化粧をするとまずまずきれいだ。今回のアンシアはしばしば言葉も出ないほど呆然とする。見かけはちゃんとしているのに・・。仕事の種類から言って、衛生管理には人一倍気をつかっているはずなのに・・。ヘザーのところは野菜や食器にカビが生え、冷蔵庫の底には茶色い汁がたまり、あたりには悪臭が漂っている。個室の床は服やガラクタで足の踏み場もない。廊下にはワインなどの空きびんが200本以上。極めつけはゴミ袋にわいたウジ虫。ジェニー達の方も似たようなもの。向こうがウジ虫ならこっちはシャワー室の排水口にたまった髪の毛の塊。みんな若いだけにワーワーキャーキャーにぎやかだ。アンシアも負けてはいない。恋人のいないヘザーに「オーディションでもする?」・・こんな汚部屋に耐えられる人なんているかしらねって言ってるようなもの。ガラクタには「チマチマしたもの嫌い、何の意味があるの?」。あまりの汚さ、乱雑さに「何てひどい」「ここ、怖いわ」「吐きそう」。でも彼女達は「言いすぎ」「大げさ」「ナンセンス」と反論。そりゃまあアンシアは確かに神経質すぎるけど、アンタ達の無神経さも相当なもの。酒びんの林立には「腕があるんでしょ」、ジェニーの「不可能よ!」には「あのね、ちっとも不可能じゃないのよ」・・いいですなあ、言い訳してる暇があったら行動起こせってこと。やり始めれば勢いもつくし。白手袋テストで汚れを見つけられたジェニーの絶叫・・「鬼~!」には笑った。結果はヘザー達の勝ち。両者にはあまり差はなかったと思う。髪の毛の塊よりウジ虫の方がスタート時点でより最低で、その分ヘザー達は有利だったってこと。

パーフェクトな妻たち15 クリシーとカール

クリシーには子供が三人いて、夫ブレンダンが経営するヘアサロンで美容師として働いている。専業主婦だった頃は片づけ魔、完璧主義。それが今では家の中はごっちゃごちゃ。子供の世話だけでも大変だと思うが、フルタイムで働いているのだから時間がなくてあたりまえ。一方のカールは24歳。いかにもリバプールだなあと思うのは、どこかポール・マッカートニーに似た顔立ちのせいか。甘い顔立ちで明るく気さくな性格。のんびりやで楽天的で細かいことは気にしない。パートナーのデールはあごがしゃくれていて、どこかホアキン・フェニックス風味。彼には先妻との間に二人の子供がいる。今は週末だけ来るので、そのための子供部屋が二つある。いったいなぜ離婚しちゃったの?カールと出会って、自分は女性じゃなく男性が好きだったんだ・・と気づいたわけ?カールは今はフルタイムで働いているが、何の仕事してるのかは不明。それをやめて、日中は主夫をして、夜間は演劇を習いに行こうと思っている。デールは彼のことをおとぎの国の妖精と言っている。何でも人任せ。主夫をやると言いつつ、家事の初歩的なことも知らない。掃除の代わりに消臭スプレーをまいて、何となくきれいになった気分。お湯に洗剤を入れて泡立て、そこに食器を浸ければ汚れは落ちるはず。スポンジでこするとか、水ですすぐとか知ってるのかね。彼がまごまごしていれば、見かねた誰かが代わりにやってくれる。彼の母親とかデールとか。彼は何もせず、そばでニコニコしてりゃいい。アンシアから見ればまわりが甘やかしすぎ。デールの職業は不明だが、フルタイムで働いている。カールが何もしないので結局彼が家事をやることになるけど、そのうちいやになって、家がごちゃごちゃに。居間のソファでくつろぐ二人を見てびっくりする。デールはカールの足を膝に乗っけて、しかもズボンの裾から手を入れてる~!たぶん彼の方がカールにぞっこんなんだろう。でもカメラが回ってる時はやめようね。確かにカールは人懐っこくかわいい。でもぐうたらで怠け者。アンシアの見るところクリシーは家族を、カールは自分をコントロールすることが必要。クリシーは何でも一人でしょい込んであたふたしている。夫に何か頼んでもやり方が気に入らないと口を出し、ケンカになってしまう。それを改め、家族一人一人に仕事を割り振り、任せた以上は口を出さないと決心する。

クリシーとカール2

彼女の方が人手はあるが、やることは多い。カールの方が・・男二人だから・・ものは少ないだろう。その代わり家事はド素人。レッスンは二日間で、カールは食器の洗い方、クリシーは食品の保存の仕方。おもてなしはバーベキュー。家に帰ってからの猶予は一週間。最初のうちはクリシーはうまくいかない。気ばかりあせってはかどらない。でも彼女には何となく愛敬があって、見ていて楽しい。ものぐさ主婦は太っていることが多いが、彼女はやせている。髪を垂らしていても、美容師だけあって何となく決まっている。美人ではないが個性的な顔立ちで、生き生きとしている。カールの方は何となく間の抜けた顔つき。今は若いからいいけど、年を取ったらどうなるのかな。ブレンダンはいかにも・・ユアン・マクレガーとかサイモン・ペグみたいな感じの・・髪はさっぱりと短く、がっちりした四角い体形。最初は乗り気じゃないけど、途中からせっせと手伝うように。アイロンかけたり、庭を掃いたり、窓を拭いたり手際がいい。「こんなにいい亭主っているか?」と、自画自賛しているのがかわいい。最後クリシーが勝つと、土下座しているのがおかしい。その前でティアラをかぶったクリシーが踊っていて、微笑ましい。子供達もかわいいし、けなげ。そう、結局クリシーが勝つのだ。カールの方はゴミ袋にそこらのガラクタをザーッと入れていて、あまりものには執着がないのかな。と言うか、元々こだわって置いたり飾ったりしてるんじゃなく、ただ置いてるだけなんだろう。バーベキューではクリシーと違って一人で準備するから気の毒だが、ハンバーグもパスタサラダも出来合いのものですます。果物を切って酒をドボドボ注いでパンチの出来上がり。デールや母親はよくやったとほめていたけど、この手抜きが勝負の分かれ目だったと思うよ。途中お互いの家を偵察に行き、クリシーはカールの家がきれいなのに驚く。カールの方はまだまだ片づいておらず、ホコリだらけなクリシーの家を見て、「冗談みたいだ」と驚く。たぶんこれで自分の勝ち・・と思ったことだろう。両者とも家はきれいになったけど、大事なのはものの考え方。クリシーはアンシアの言うことをよく聞き、家族を頼り、コントロールすることを覚えたけど、カールはたぶんすぐ元に戻るだろう。デールが働いている以上、家事は自分の責任・・と、自覚しているかどうか怪しいものだ。

パーフェクトな妻たち16 ゾーイとサイモン

ゾーイは動物病院の看護師。ウサギやモルモット、猫に金魚と家の中は動物園状態。仕事の他に動物の世話、サイドビジネスで猫のエサやり。大忙しの彼女は当然家のことは後回し。夫のスチュワートは自分は動物の下、魚の前とあきらめ顔。コンピューター関係の仕事をしていて、疲れて帰ってきても家の中はぐちゃぐちゃ。几帳面な彼は気が変になりそうだ。ゾーイの代わりに掃除をしたりするが、がまんの限界に来ている。ゾーイの方は家に帰ってきたら動物に癒されたいと思っている。アンシアから見ると夫婦の危機的状況だ。夫より動物が上なんておかしい。ゾーイは金髪でやや太めだが、なかなかの美人。スチュワートはジェレミー・レナーとかネイサン・フィリオンとかそっち系の顔で、俳優やればいいのにと思うほど。おもてなしの時、隣にいるユマ・サーマン風美女は妹か。もう八年もこんな生活強いられているスチュワート。夫婦には子供がいない。動物が子供の代わりなのかもしれないが、それにしたって・・。サイモンは花屋をやっている。精悍さの全くない、目の小さいジェイソン・ステイサムといったところか。この番組に出てくる男性はたいてい無職だが、彼はちゃんと仕事をしている。妻のクリシーは店を手伝っている。娘が二人いる。サイモンは脱ぎっぱなし、置きっぱなしで散らかし回る。しかしアンシアから見ると、家族四人で散らかしている。家の中はどこもごちゃごちゃだが、花だけはさすがにきれいに生けられている。店でやってることを家でもやればいいだけなのに、それができない。サイモンはジョギングをしたり、友人と飲んだりで忙しい。ジョギングのかいあってか、無駄な肉は全然ついてなくてスマートだ。レッスンはオーブンの掃除など。強力な洗剤を使う時、アンシアがマスクの代わりにパンティをかぶるのはちょっとやりすぎ。おもてなしは野外パーティ。家に帰ったゾーイはしばらくは途方にくれるが、そのうち動き出す。ゴミ袋にゴミをほうり込む。掃除機をかける。帰ってきたスチュワートは、いつもと違う妻の姿に目を見張る。こんなことで目を見張るなんて・・今までよっぽど・・あらゆることに耐える日々だったんだろうなあ。何だか彼が気の毒で胸キュン。ゾーイは動物の世話にかまけて今まで家のことはほったらかしだったから、どこもかしこも汚い。

ゾーイとサイモン2

エサだって動物ごとに違うし、エサの皿とか水用のがいくつも置いてあるし。置き物も動物をかたどったものが多い。でも、それ以外のものはあまり多くないのでは?服とか本とか。子供のものもないし。サイモンの方はそうはいかない。まずは子供部屋でオモチャの選別。でも自分のものとなると、あれもとっとこ、これもとっとことなる。とっとこおじさんだ。今回は七日間で家をきれいにする。二日目は中間チェックだ。アンシアはゾーイが寝室のベッドサイドテーブルに、ジントニックの入ったグラスを置いているのに驚く。それ以上に仰天したのはクローゼットから出てきたウサギの毛皮のコートだ。動物をこよなく愛する人が何で?でも、ゾーイはウサギは夫のものだからと平然。信じられないと白目を出すアンシアがおかしい。サイモンの方はうまくいってたのに娘が口を滑らせ、屋根裏部屋の秘密を白状せざるをえなくなる。部屋がきれいになったにしては、コンテナに入ってるゴミの量が少なすぎるが、その理由が明らかに。とにかくあらゆるものを屋根裏に押し込んであるのだ。天井が落ちないのが不思議なくらいぎっちり。おもてなしではサイモンは腕のいいところを見せるが、時間が迫ってるのにワインの買い出しに行き、のん気に試飲などしていて、アンシアをいらいらさせる。案の定後であわてるはめに。ゾーイの方は料理をしながらタバコを吸っていて、アンシアをぎょっとさせる。見ていてもどちらも欠点があり、リードするとまではいかない。しかし最後の方でゾーイは差をつける。アンシアの忠告を受け入れ、寝具を白に変えた。猫のエサの皿も減らした。最終チェックの時にはゴミ袋はちゃんと片づけてなくなっていた。夫にあやまり、感謝した。サイモンの方は家はきれいになったものの、屋根裏部屋はそのまんま。チャリティショップに持って行くからとか言い訳ばかり。家をきれいにすることと同じくらい大事なのが、自分を変えるということ。ゾーイは夫のために自分を変え、夫婦の危機を乗り越えた。でもサイモンはものへの執着を捨てきれなかった。試練を乗り越えるのではなく、先送りにした。ゾーイの勝利は当然だ。とは言え、前にも書いたようにサイモンはちゃんと仕事しているし、屋根裏がそのまんまなことも正直に認めた。この番組に出てくる男性の中ではかなりまともな方だ。

パーフェクトな妻たち17 カースティとナタリー

ナタリーはエンジニアの夫グレアムと、子供が二人。イベントの企画をやっていて忙しい。他の部屋もそうだけど、洗濯ルームには衣類が山積み。子供にジーンズをはかせようにもどこにあるのかわからず、新しいのを買ってきてすませる。そのせいで子供のジーンズだけで74本もあるらしい。グレアムもアイロンがけとか手伝ってくれるが、仕事の他に勉強もしていて余裕がない。自分の家なのに「よその家みたいに感じる」とこぼす。カースティも似たような状態。宅配便のドライバー、ウェインとの間に二人の子供。彼女はパートで秘書をやっていて、イベントの企画も。階段脇には洗濯物の山。洗濯カゴの底を見たことがない。ウェインも「家に帰ってきたくない」「子供に何かしてやる時間もない」とこぼす。散らかってる家をビデオで見せられても何のかんのと言い訳していた二人も、夫や子供の言葉には胸をグサリ。二人して泣いてしまう。アンシアから見ると二人は無駄なことに大切なお金を使ってるし、夫婦ゲンカで時間を無駄にしている。レッスンは衣類の分類。この二人もそうだが、他の女性達もたいていたたんだ衣類をカゴやケースに(しまうのではなく)ほうり込む。次は子供部屋の片づけ方。おもてなしはケーキの飾りつけ。二人とも家が汚すぎて人を招く状態ではない。家に戻って早速片づけ開始となるが、ナタリーはマニュアルのケーキの飾りつけを読んだりして、グレアムをいらつかせる。たぶん彼女は寄り道ばかりして、やるべきことを後回しにし、結局時間がなくなるというタイプらしい。ガレージのガラクタの中には、買ったものの一度も使っていないエクササイズ用品が・・。カースティの方はオモチャの整理。なかなか捨てようとしない彼女に、ウェインもうんざりだ。息子のキエランはなかなかよくできた子で、親のこともちゃんと観察している。ベッドの下にもぐり込んでホコリだらけになってるのがかわいい。「ボクのオモチャみんな捨てちゃうの?」と心配するのもかわいい。おもてなしではグレアムは念願のスパイダーマンの壁画を友人達に披露してご満悦。カースティの方はウェインがひどい偏食だそうで、せっかくのご馳走にも妙な感想。でも子供達は大喜び。最終チェックも二人とも合格で、アンシアは悩み抜いた末二人とも勝者に。それにしてもこの二人、「ルイス警部」とか「ミス・マープル」に出てきそうな顔立ちしてる。ウェインはヴァンサン・ペレーズそっくりで、驚く。

パーフェクトな妻たち18 コニーとクレア

今回の対決は29歳のクレアと25歳のコニー。クレアには1歳の赤ん坊がいて、今は週に三日ほど仕事をしている。大柄で太り気味だが体力ありそう。彼女はオックスフォードで数学を、夫のアダムは物理学をおさめた。インテリ夫婦だが、家の中の乱雑さをお互いのせいにしてケンカばかり。アンシアはどっちの責任でもない、誰かが行動しないと・・と諭す。ケンカしていたって家がきれいになるはずもない。コニーには3歳と1歳の子供がいて、夫のマイケルは銀行員。彼女には裏表があって、ある部屋はピカピカだが、戸棚にはものがぎゅうぎゅうに押し込んであるといった具合。見えなけりゃいいのだと自分に言い聞かせる。友人も「二人のコニーがいる」・・と、呆れる。レッスンはシミ抜きの方法と、窓拭きの方法。おもてなしはオムレツの作り方。家に帰ってからのクレアは、しばらくの間は途方にくれる。どこから手をつければいいのか。しかしコンテナを用意し、ものを捨て、拭き掃除を始めると勢いがつく。自分でも意外だが、掃除がいやなものでもなくなってきた。アダムの方が壊れたパソコンを六台も抱え込むなど執着心が強い。でもクレアやアンシアにお尻を叩かれれば捨てざるをえなくなる。コニーの家には収納スペースがたっぷりある。そのせいでかえってものを詰め込むことに。彼女に必要なのは何をどこにしまうかだと思う。いらないものを捨て、きれいに並べても、キッチンなどはかえって何をどこへやったかと捜すはめに。彼女に必要だったのはシミ抜きでも窓拭きでもなく、系統立てて考えることだと思う。それにしても彼女には驚く。ここは問題ないと都合の悪い部分を隠そうとする。怪しんだアンシアが開けてみるとごっちゃごちゃ。冷蔵庫の下にこぼれたキノコ。最終チェックの日まで忘れていたのに、すぐ掃除したとウソをつく。極めつけはアンシアに片づけるよう言われた空きびん。ちゃっかり隣家の敷地に移して、片づけたふり。よくやった上出来とゴキゲンだったアンシアも、「信じられない」「嘘つき!」と顔をひきつらせる。クレアの勝利も当然でしょう!それにしても・・マイケルはそういうコニーの欠点も含めて彼女を愛しているようだ。彼の心の広さに甘えず、裏表のない性格に変わらなきゃばちがあたるぞよ。

パーフェクトな妻たち19 ギャリーとダニエル

今回は男女の対決。ギャリーは大柄な黒人で、勤めをやめ、9歳の息子を育てているシングルファーザー。数ヶ月前から同居しているエイミーはフルタイムで働いているが、家の中の乱雑さにはストレスを感じている。片づけてと言ってもギャリーはするすると返事するだけで何もしない。片づけたくてもギャリーのものを勝手に処分するわけにいかない。今のままじゃ安らげないし、子供にとってもよくない。エイミーはなかなかしっかりした女性のようだ。ギャリーは自分では忙しいと思っている。でも実際はボーッとしてるか、家の中をウロウロしているか、休憩してるかだ。昼過ぎに息子が帰ってくると、やることが出てくる。テレビを見たりゲームをしたりゴルフの打ちっぱなしに行ったり。息子の母親とはどうなっているのだろう。また、生活費はどうしているのだろう。エイミーの稼ぎに頼っているわけではあるまい。この番組には無職の男性が何人か出てくるが、失業手当とか出るのだろうか。一方のダニエルは3ヶ月、3歳、6歳と子供が三人いて、猫も3匹。夫のコリンは長距離トラックの運転手。疲れて帰ってきても家の中はゴミ捨て場のようでくつろげない。家のまわりや庭もガラクタでいっぱい。ダニエルはどうしたらいいのかわからなくて途方にくれている。だらしのない妻の代わりにコリンが家事をやるが、仕事もあるからストレスがたまる。ダニエルが家事をほうり出して代わりに何をやっているかは不明。ギャリーだとテレビのスポーツ中継観戦とかゲームになるけど。たぶん子供の世話や食事にはダニエルは手は抜いていないと思う。妻や母親になるのが夢だったというから、家庭的なタイプなんだと思う。それが今では自分は失格なんじゃないかと思い始めている。何度も恥ずかしいという言葉が出てくる。最初のレッスンは家庭での危機管理。キッチンを舞台に、タコ足配線やまくれた敷物、カーテンに届きそうなローソクの火、引っくり返しそうなヤカンやカップなどをあげていく。これで二人ともいちおうの常識は備えているとわかる。レッスンを受けにくる人の中には、ふざけたり一般常識も持ってないような人もいるが、今回の二人は真面目な方だ。次は便座の掃除。ギャリーの方は何をどうしたらいいのか全然わからない。トイレは汚れていてあたりまえだと思っている。

ギャリーとダニエル2

トイレ掃除ではアンシアは外側から内側にが基本と言ってたな。普通は反対だと思うけど。おもてなしはピザ作り。ここでもギャリーは苦戦するが、ピザだから大失敗ということもない。それなりに出来上がる。具を乗せすぎず、シンプルに。端っこをあけておくのがポイント。ワンポイントアドバイスは手作りの芳香剤。そう言えば15回のカールの時、手作りの洗剤の作り方を教えていたけど、あの時のカールはどう反応していいかわからないって顔してたっけ。洗剤なんか店に行けばいくらでも売っているのに、何で?・・みたいな。でもアンシアは手作りにこだわる。家に戻ったギャリーは、早速トイレ掃除。最初にこれをやっちゃえば、後は気が楽だと思う。次にクローゼットの上を掃除し、そこだけでゴミ袋六個分も出る。中間チェックに来たアンシアは、クローゼットでのエイミーのスペースが少なすぎると主張。女性だからもっと広いスペースが必要・・まあここらへんはいかにもアンシアらしい。女性だからということの他に、彼女は外で働いているのだからというのもあると思う。通勤着とか靴とか。ギャリーはそういうことには無頓着。誰かが代わりに言ってあげないと。また彼は家事の中では食器洗いが苦手。背が高い彼には流しの高さが合わない。紙皿を使えば洗わなくてすむのに。アンシアは実際に紙皿を出し、どれくらいの量が必要か見せる。流しが低すぎるのなら洗い桶を二つ重ねればいい・・となる。そして変な飾りのついた炊事用ゴム手袋をプレゼント。アンシアに「早く帰ってくれ」とギャリーが言うのが笑える。テレビのまわりに積み上げてあったビデオも、最終チェックの時にはきれいに片づいている。ギャリーは自分の見てくれ・・男らしさとかイカしたTシャツとかには敏感だけど、ものへの執着はそれほどでもないようだ。悩みもせずコンテナにどんどん捨てていく。気がついてみればスポーツ中継も見てないし、ゲームもしていない。料理の材料に魚が入ってるのを見て、トイレ掃除の方がマシと言いつつ、魚を具にピザを作って息子にもおいしいとほめられる。忙しいフリをする必要もなくなり、家事にもちょっと自信のついたギャリー。きれいになった家に、エイミーは大喜びだ。

ギャリーとダニエル3

ダニエルの方はかなり大変。中間チェックに来たアンシアも子供服の多さに呆れる。洗濯はするけど、しまわないで出しっぱなし。そのうち汚れ物なのか洗濯してあるのか区別がつかなくなる。洗ったと言っても床に置いてその上を歩いているようなものだし。床がまたホコリだらけだし。子供に何か着せようと思ってもどこにあるのかわからないから、次々に新しいものを買うはめに。まずはきれいなものをより分け、アイロンをかけ、きれいにたたんでタンスにしまう。そこまではいいのだが、量が多すぎて入らない。結局入りきらなかった服はどうしたのだろう。そこらへん知りたかった。コンテナは一つでは入りきらず、もう一つ用意する。庭にある大量のガラクタはコリンが片づける。料理の方はダニエルは問題なし。魚は内臓を取ってレモンの輪切りを入れ、ホイルにくるんで蒸し焼きにする。ジャガイモも皮つきのまま蒸したのか。青味はアスパラガスか。デザートは手作りのアップルパイ。お風呂に入り、着替えをし、お化粧もする。テーブルにはバラの花を生ける。ダメ主婦の面影はどこへやら手際がよく、自然。どこかで歯車が狂っていただけ。それが直れば元々の有能な主婦が顔を出す。アンシアは何度も料理が上手だとほめる。魚料理を見てもわかるが、ゴテゴテせず、素材の持ち味を生かしたシンプルな料理法。シンプルというのはアンシアの好みにぴったり。こちらのコリンも大喜びだ。ヒゲを生やし、ごっつい顔立ちのオッサンだが、結果発表の時には小指を赤ん坊にしゃぶらせていて、その落差に笑ってしまう。それにしてもダニエルは色が白く、澄んだ目をしていて、真っ白な歯にピンクの歯茎。少し化粧をするだけですごい美人になる。小柄で丸顔。顔だけ見るとややぽっちゃりだが、首から下がうつるとかなりの肥満体。20キロくらいやせればどんなにきれいになることか。勝敗は・・ギャリーの勝ち。元々ダニエルは料理は得意だし、掃除のやり方もアイロンのかけ方も知っている。自信を失っていただけ。一方ギャリーはほとんどゼロからのスタート。だから彼の方が成長は目覚ましいと。ただこの先どうなるかと言えば・・明るくてのんびりした性格のギャリーは、元に戻っちゃう可能性大かも。

パーフェクトな妻たち20 ステファニーとジェニー

最初はステファニーの家の惨状に目を奪われる。それがだんだん改善されていく。家族との関係もこちらの方が変化が大きく、しかも感動的。でも、何回か見ていると別のことに興味が・・。それはまあ置いといて・・。ジェニーには子供が二人。夫のダンは銀行員。ステファニーの家に比べると裕福そう。家には収納スペースがたっぷり。でもそのせいで手あたり次第にものを詰め込むはめに。扉を開けるとものが降ってくる。ダンは今時珍しい亭主関白で、家のことは何もしない。ジェニーに任せきり。自分が帰ってきた時には家は完璧な状態で、自分が楽しく過ごせるようになっていなければならない。ジェニーは週に8時間ボランティアをし、補助教員になるための勉強もしている。家事をしようと思っても子供達が邪魔をする。夫が帰るとその日のことを話すが、ダンにしてみれば、忙しかったと言いつつ実際は、友達とお茶したり映画やショッピングへ行ってただけじゃないか・・となる。最初はダンが自己中心的で非協力的ないやなやつに思える。顔も体も四角く、偉そうな顔つき。でもそのうちジェニーの方も相当なものだとわかってくる。ダンに好きなこと言われて一見気の毒に思えるが、実は彼女の方が夫を操っているのだとわかってくる。NHK教育テレビでの放映時はカットされていたが、ノーカットで見るとジェニーがダンに言い返したりしていて、ああ、言われっぱなしじゃないのだ・・と。ジェニーはアンシアのファンで、レッスンが終わって家に戻ると「アンシアはこう言った」、そればっかり。ダンがうんざりし、腹を立てるのも無理はない。彼女には自分はこう考えるというのがない。ステファニーは地下鉄職員のディヴと、男の子三人、二匹の子猫、二匹のハムスターと暮らす。台所は汚れた食器の山、床は衣類が散乱していて踏んで歩く。そのくせクローゼットは空っぽだ。書類の山に、洗濯物の山にオモチャ。住み始めて四年たつが、トイレ掃除はしたことがない。今までで最悪・・と、アンシアが言うほど汚い。庭もガラクタでいっぱい。ディヴは仕事から帰ってきても、疲れを癒すどころではない。そこからまた一日が始まるような感じで、家事に協力しつつも腹が立って仕方がない。以前はこんなじゃなかった。普通に家事をやっていた。それが子供が生まれてから変わってしまった。理由はステファニーにもわからない。

ステファニーとジェニー2

現実から目をそらそうと、趣味のインターネットオークションに時間を費やす。ガラクタでいっぱいなのに、これ以上何を買うのか。ビデオに出てきた彼女の父親は、自分が悪いと娘を弁護。夫や父親の言葉に、ステファニーも涙が止まらない。アンシアもこの惨状には怒るより励ますしかない。最初のレッスンは書類の整理。ステファニーは反動で”とにかく捨てる”モード。重要なものまで捨ててしまいそうな勢いだ。アンシアは取扱説明書や重要書類、ゴミの収集日や家電の修理など、覚えておくべきことをひとまとめにして、時々チェックするようアドバイス。もっとも、最近の家電の取扱説明書などは分厚くて、一つのファイルにはおさまりきれないが。次は花の生け方。やることが山積みなのに何で花なんか・・となるところだが、おもてなしには必要。そのおもてなしは野菜の炒め方・・と言うか、焼きそば?花も料理も二人はぶきっちょでうまくいかず、どっちがリードということもない。もちろんアンシアはステファニーの方がより深刻な状態だと思っている。家に戻った彼女はまず山のような食器を洗い、油まみれのコンロやオーブンをきれいにする。次に便器。とにかく汚れているので、いつもなら天然洗剤をとうるさいアンシアも、今度ばかりは中性洗剤を容認。ディヴは友人達に手伝ってもらって庭のガラクタを片づける。コンテナは一台じゃ足りず、二台目も用意。ディヴは洗面台にあるものを次々にゴミ袋へほうり込む。庭のゴミもそうだが、プラスチック製が多い。これらに費やされた・・衣類もそうだが・・お金はかなりのものだろう。汗水垂らして稼いだお金がこんなガラクタに使われ、ゴミとして捨てられるのだ。やりきれないだろうなあ。まあとにかくステファニーは体力勝負と言うか、体を動かす。そのうち風邪をひき、アンシアのところへ行って高揚した気分も落ち込んでくるが、それでもがんばる。彼女はメガネをかけ、小柄で太っている。ディヴは大柄で髪は薄くなり、体はだぶついている。ステファニーよりだいぶ年上に見える。ステファニーの父親と同年代に見える。母親がどうなったのかは不明。父親と恋人のキャロルを夕食に招く。きれいになった台所でサラダを作り、ラムとさつまいもをローストする。デザートも手作りだ。キャロルが持参したワインを開けたのだろう、和気あいあいとしたなごやかなムードだ。

ステファニーとジェニー3

一方ジェニーは妹のクレアの誕生日を祝う。ダンは仕事でいないが、友人のケリーと女ばかり三人のパーティだ。サマーサラダとやらを作るが、どう見ても前菜で、メインディッシュにはほど遠い。他にはトーストした小さなパンが一枚、ワイン。デザートのチーズケーキは買ってきたもので、アンシアをがっかりさせる。自分は小食だからと言い訳するが、おもてなしにしてはボリュームなさすぎ。セッティングなどはよかったが、ケーキを出来合いですませたのがたぶん勝負の分かれ目。それと、さつまいもをゆでるのかどうかでダンに電話をかけるのもマイナス。レシピにゆでるって書いてないから・・って、相変わらずの自主性のなさ。片づけの方は元々スペースがあるのだからステファニーよりは楽なはず。アンシアから見ればこういう家は、あっという間にきれいにすることができる。ジェニーは戸棚の中のものを全部出す。収納用品を買って帰ってきたダンは、こんなにひどいとは・・と呆然とする。たぶん大量のものを捨て、戸棚はスキスキ、きれいになるが・・。ステファニーと違い、ジェニーはがんばった、大変だったという感じが出にくい。やせて目がくぼんでいて、うるおいのないパサパサした感じ。ステファニーなら汗もかいた、涙も流した、がんばった、よくやったとなるけど・・。最終チェックではクモの巣もあったし、汚れもあって、あんなにがんばったのに・・とジェニーはショックを受ける。結果は、まだ完璧じゃないけどという但し書きつきでステファニーの勝ち。彼女の方が最低な状態でスタートしたし、彼女自身の成長度も大きかった。大変さが表に出ないジェニーはちょっと不利。ただ今度のことでダンも、任せきりにしておくのも考えものとわかったことだろう。で、最初に書いた興味のことだが・・それはクリスのこと。彼女はジェニーには全然似ていない。やせて骨ばった姉に対し、彼女は肉づきがよく、顔もぽっちゃり。家はモデルルームみたいにきれいに片づいていて、子供がいるようには見えない。ものはあるべきところへ置かれ、台所はピカピカ。こんなにいいお手本がすぐ近くにいるのに、ジェニーはなぜ真似をしないのか。なぜ妹にアドバイスしてもらわないのか。私にはクリスのものの考え方、家の整え方が気になった。教えて欲しかった。

パーフェクトな妻たち21 メルとジャスティン

メルは自宅で不動産アドバイザーの仕事をしている夫サイモンと、二人の子供の四人暮らし。彼女も働いていて、そのせいか生活はわりと豊か。ビデオを見てアンシアも、「すてきな玄関」とか「すてきなキッチン」などと感心する。でもそのすてきな家はものであふれ、押し込まれ、扉を開けるとものが降ってくるありさま。夫婦はこの惨状をお互いのせいにして言い争いばかり。もっと気の休まる家にしたい。メルは金髪で透き通った目をし、やや太り気味だが美しく、健康的。サイモンは髪が長めで、ウィレム・デフォーのような個性的な顔立ちをしている。結婚写真を見ると、絵に描いたような美男美女カップルで、輝いている。今回はメルがレッスン受けたが、サイモンが受けていたらどうなっただろう。プライドが高く、理屈こね回しそうな彼を、アンシアならどう御する?ジャスティンは二人の子供がいるシングルマザー。結婚して10年目、妊娠を知った夫は出て行ってしまった。ん?夫が出て行ってしまったのに子供は二人?二人目ができたために出て行ったの?今住んでいる家は、懸命に戦って手に入れたものだ。今の彼女には心の支えとなる恋人イアンがいる。教師になるための勉強をしているから、家を片づけてる暇なんかない。さえない顔立ちだが色白で、ぽっちゃりした肩や首を剥き出しにしてることが多い。彼女の母親は以前は孫の世話や家事の手伝いをしたが、そのうち自分の手には負えない・・と手を引く。どうしてあんなに乱雑なのか。今は娘の家には入らず、自分の家に孫を連れてきて遊ばせる。ジャスティンの父親のことは不明。亡くなったのか。メルは夫とケンカしないですむような家にしたいし、ジャスティンは母親に自分でも変われるところを見せたい。アンシアの見るところ、二人はよく似ていて、同じレベルにある。最初のレッスンは一週間の予定表作り。二人とも日常生活が整理できていない。皿洗いのような毎日しなければならない家事は別として、それ以外の・・掃除とか洗濯などは日を決めてやった方がいい。掃除にしてもホコリに気づいたらさっとモップがけをするなど、汚れをためないようにする。

メルとジャスティン2

予定はあまり細かくする必要はなく、大ざっぱでいい。ちゃんとやれば時間に余裕ができ、心おきなくワインを楽しめるというわけ。次はバスルームの戸棚の整理。何でも詰め込んである状態から、いるものいらないものを分ける。期限の切れた薬はないか、使い残しの去年の日焼け止めはないか。バスルームに置いてあるものは、自分の体に使うものだから、衛生観念を持って欲しい。また、ナプキンや除毛クリームのようなものは、目につかぬところへ置く心遣いも欲しい。おもてなしはパンケーキ作り。初めはうまくいかなくても、慣れれば大丈夫。トッピングによっていろいろ応用もきく。家に帰り、早速じゃんじゃん捨てるモードのメル。サイモンはあまり乗り気じゃない。渋々手伝っても、なかみ入れ過ぎて袋を破くなどぶきっちょ。そのうちゲームなどしてサボり始める。結局ほとんどメルがやっていたようで。彼女は動きが雑で、あまり細かいことは気にしてないように見えるが、よく働く。そのうちサイモンに頼るのをやめ、一人でせっせと働く。中間チェックに来たアンシアは、細かいガラクタや、冷蔵庫に貼ってある期限切れの福引券などを処分させる。メルの仕事先の電話番号を書いたメモも捨てさせていたけど、あれはよくないな。メルは番号覚えているけど、サイモンや子供達のためにはすぐわかる冷蔵庫に貼ってあった方がいい。何があるかわからないのだから。アンシアはメルのところではほとんど手伝わなかったな。彼女は一人でも大丈夫なように見えたのだろう。逆にジャスティンは誰かが背中を押してあげなければならないタイプ。張り切って片づけを始め、しっかりしなくちゃと言いつつ、すぐこんなに汚くしていたなんて・・と落ち込み、涙を流す。しばらくすると涙を拭いて、また気持ちを奮い立たせる。そのくり返し。真面目でがんばりやだが、その一方で甘えがある。一見片づけは進んでいるように見えたが、プレイルームを見たアンシアは「ワォ!」とびっくりし、続いて「オオォ・・」とホラー映画みたいな表情に。それもそのはず、他の部屋にあったガラクタをプレイルームに移しただけなのだ。

メルとジャスティン3

それをまた仕分けしなければならない(二度手間じゃん!)。壊れた人形に、床に落ちている洗ってあるかどうかわからないパンティなど、アンシアも呆れて厳しい口調に。そうやってものをため込んでいるように、彼女は問題を抱え込んでいるのだ。だから前へ進めない。離婚した時の書類も、アンシアから見れば取っておく必要なんかない。運が悪かったのだ。早く忘れてしまうに限る。でも、ジャスティンの「法的書類だから」と迷う気持ちもわかるのだ。将来何があるかわからない。離婚と言えばアンシア自身、この番組の頃結婚していた二人目のダンナとその後離婚したようで。やっぱり思い出の品とか法的書類をばっさり処分しちゃったのかしら。アンシアならダンナごとシュレッダーにかけそう。おもてなしは二人とも合格。メルは苦手なパンケーキ作りを克服。サイモンも彼女の変化に驚く。一方ジャスティンのところには小さな花束を持った母親がおそるおそるやってくる。入口から中を覗き込んで、きれいになっているのを見てびっくりする。彼女の不安、うれしい驚き、娘を誇りに思う気持ちなどは胸がキュンとさせられる。たぶんこの母親との関係の改善が、勝負の分かれ目だったのだろう、勝ったのはジャスティン。同じようなレベルからスタートし、その後も接戦。二人とも真面目に取り組んだし、家はどちらもきれいになった。でもジャスティンには過去の呪縛から抜け出せたというのがあった。メルは前にも書いたが一人でも大丈夫と思われてしまうのだ。彼女にも弱さ、心細さはあるのだが。一方ジャスティンには「ほら見て、私ってこんなにかわいそうなのよ、誰か助けが必要なのよ」的雰囲気がある。メルにもそれはわかっていて、「ジャスティンはうまく感情に訴えた」とずばり。「私も変わったのに」など、判定に納得いかないようで、不満顔。でも、気を取り直して、「一人でやったのが誇り」と自分に言い聞かせる。そんな彼女の心情には共感できる。今までは夫のせいにしてののしり合ったりしてたけど、一人でやり遂げたことで自信もついた。彼女はジャスティン以上に成長した。くさるなメル!

パーフェクトな妻たち22 ドーンとドナ

今回は姉妹対決。姉のドーンは夫スティーブと子供が三人。家事と育児に追われる毎日だ。しかも自営業の夫を助けて経理の仕事も。彼女はあっちに手を出しこっちに手を出し、結局どれも中途半端という性格。家の中はごちゃごちゃで、捜し物で時間を無駄にする。妹のドナは夫のアランと子供が二人。専業主婦で時間はあるし、家の大きさもドーンの半分だが、ため込みグセがある。箱や缶、ぬいぐるみ、豚の置き物。彼女はドーンと違って行動を起こす前にじっくり考えるタイプ。しかしなかなか行動には移らないようで。最初のレッスンはキッチンの片づけ方。シンクのまわりとか飲み物関係とかゾーン分けをする。それを家全体に応用すればいいのだ。次に写真の整理。捨てるのはよりよい思い出を残すため。おもてなしはパイ作り。姉妹の母ジャッキーは家の中をきちんと整えている。二人には目の前にいいお手本がずっといたのだ。やり方は見て知っているはずなのだ。家に戻った二人は母親を喜ばせようと奮闘する。ドーンは居間を片づけていたと思ったらキッチンへ。ちょこまか動いてるわりにははかどらない。ため込んだ食器セットを前に夫と口論する。ドナは洗濯物が入った大きな段ボールを空にする。不用品をフリーマーケットに出してちょっとしたお金を得る。今回印象に残ったのはアラン。たいていの夫はビデオに出てきて家の惨状を嘆き、中盤では今回のスティーブのように口論し、授賞式では喜びを語る。でもアランは全然。子供の相手をしているところと床掃除をしているところがうつるだけ。しゃべらないし、授賞式にも出てこない。でも洋服掛けを作ってくれたし、いろいろ協力してくれたようだ。見た目はちょっと怖そうだけどいい人なんだろうなあ・・と好感が持てた。中間チェックでは、できないわと泣き言を言うドーンに、アンシアは「一から始めたらいいのよ」と励ます。ドーンはすぐ結果を出そうとして、結局は愚痴や泣き言を言うはめに。彼女に必要なのは、一つのことを最後までやり遂げる辛抱強さだ。その点ドナの方が持続力がある。勝負はドナの勝ち。ドーンは親友サムに助っ人を頼むなど、ずるをしたからかな。

パーフェクトな妻たち23 エマとデヴィッド

今回はやたらアンシアの胸の谷間強調してるし、ソーセージ作りもうつし方のせいで何やら意味深。ケンブリッジに住むエマは夫ベンと小さな子供が二人。ベンは朝から晩まで農場で働き、犬の繁殖も始めた。エマは子育ての合間に教育学を学び、パートで仕事もやっているから大忙し。一年前に引越ししてきた家はゆったりと大きいが、中はごちゃごちゃ。壁にはクモ、カーペットには虫の死骸。子供のプレイルームはゴミ捨て場と化している。オモチャ、家電、大学のレポート。一方のデヴィッドは五年前古物商を引退し、今は競売人をやっているが、仕事と言うより趣味に近い。家の中は集めたガラクタでいっぱい。これは売れそうだと買い込む。必要以上に買い込む。いつか売れるはずのものが売れずにそのまま、しかも増え続ける。妻のメアリーは教師としてフルタイムで働き、料理を作り、時にはアイロンがけも。デヴィッドは家事なんて何が楽しいんだ?と、バカにしている。エマは言い訳ばかりするタイプだ。でも、ビデオに母親がうつり、自分のせいだ、娘は本当にいい子なのよと話すのを聞けば涙が出てくる。デヴィッドのお気楽ぶりにアンシアは「夢の世界に住んでる」と呆れるが、彼は「楽しいよ」と涼しい顔。妻の負担にもさほど心を動かさないが、娘のためにもよくないと言われれば・・。さすがに彼も反省する。レッスンはエマは食器の拭き方、デヴィッドは肉や野菜のゆで時間。水分を拭き取りにくいチーズおろしのようなものは、オーブンの余熱を利用する。デヴィッドの方は何が何やらだ。決まったゆで時間があるなんて考えたこともない。次のレッスンはアイロンのかけ方。こちらはエマの楽勝。で、ソーセージ作り。デヴィッドはおもしろがって肉をひくが、腸に詰めるものだということに気がつかない。エマは豚肉にさわれない。今回のレッスンは見ていてもあまりおもしろくない。特にエマに必要なのは細かいことより仕事の段取り、全体を見ることなのではないかと思われる。デヴィッドより彼女の方がやることはいっぱいある。全部やろうとしても無理だから、掃除などはどうしても後回しになる。そのうち何もかもプレイルームにほうり込んでドアを閉め、ついでに頭からも締め出す。昆虫が苦手だからとクモの巣も虫の死骸も無視。

エマとデヴィッド2

結論から言うとデヴィッドの勝ちなのだが、それはなぜかと言うと、家はきれいになったものの、エマ自身はほとんど変わっていないからだ。デヴィッドだってあまり変わっていないが、エマほどではない。ビデオに汚れた湯わかしポットがうつった時、エマは新しいものを買うと言い出す。アンシアは「主婦たるもの、それは最後の手段よ」と諭すが、エマは全然聞かない。中間チェックでアンシアがエマの家を訪れると、玄関前のゴミの中にポットの空き箱が捨ててある。アンシアの忠告を聞かず、新品を買ったのだ。たいていの家電品は拭くだけである程度汚れは落ちる。エマはその手間さえかけようとしない。洗濯機にもチェックが入る。フィルターが綿くずでいっぱいだが、エマはきれいにしたばかりと言い訳する。ゴムの部分の洗剤カスその他を、アンシアはスプーンやヘラでかき出す。きれいにしておくよう言われても、最終チェックの日になってもエマはそのまんま。たぶんあまり汚れたら新しいのを買えばいいと思っているのだろう。アンシアはガラクタなどは捨てろ捨てろとうるさく言うが、家電製品は大事に手入れして長持ちさせるべきだと思っている。働いて得た大事なお金を無駄に使ってはいけないという考え方だ。おもてなしの方も、エマは最低だ。友人と母親を招くが、こんなのしたくないと思っている。早くすませたいと思っている。テーブルに花を飾るのに、買ってきたまま、ラッピングされたまま差し、アンシアをぎよっとさせる。食事が始まっても、後ろでは洗濯機が回っている。まだ食事がすんでいないのに、お客をほったらかして皿を洗い始める。食事が終わるとまだ掃除が残っているからとお客を追い出す。人をもてなすという気持ちがなく、自分のことしか頭にない。デヴィッドの方は妻と娘と三人で食卓を囲む。慣れないことで大変だったが、ちゃんと家族と向き合う。彼を手伝ってくれるのが友人のトニー。私はこのトニーが印象的だった。拭き掃除をし、テーブルに皿を並べ、クリームを泡立てる。無駄口をきかず、たんたんと、ゆったりと仕事をこなす。エマを手伝ってくれたのは母親や身重の妹、それに友人。この友人がいつも笑い転げているようなタイプで、見ていておかしかった。スイッチが入ってないのに気づかずアイロンがけをするなんて、どうなってるんだ?

パーフェクトな妻たち24 ティナとトレーシー

ティナは夫コリンと四人の子供がいて、パートでレジ係をしている。家の中はほこりだらけで乱雑。15歳の長男はわりと几帳面だが、13歳の次男、9歳の娘、末っ子三男は散らかして回る。いくらがみがみ言っても言うことを聞かない子供達。家の中の汚さを、ティナはみじめでつらいことだと思っている。コリンも家に帰っても片づけに追われ、疲れて元気がない。この16年、夫婦で出かけたこともない。夫の言葉に涙を流すティナだが、彼女一人が悪いわけではない。今のままのやり方じゃまずいのは確かだが。もっと毅然とした態度で子供達に接しなくてはなめられる。子供達だって片づける気はあるのだ。でも面倒くさいし、こと母親に言われると反抗したくなる。一方トレーシーは美容師で、夫ミックと小さな子供二人がいる。ティナはかぶさるような髪型で鬱陶しいし、体の線は崩れ始め、服装も野暮ったい。トレーシーは美容師だけあってすっきりした髪型、着ているものもシンプルですっきりしている。ミックも彼女もため込み癖があり、家の乱雑さをお互いのせいにする。ミックは家事を手伝わないのでトレーシーは不満だ。子供の世話をやってるとか犬の散歩をやってるとか言い訳ばかり。自分だって今の状態がまずいのはわかってるけど、一人じゃ無理。時間が足りない。レッスンはダニ退治と洗濯物のたたみ方。おもてなしはホワイトソース作り。トレーシーは悠然と構えているけど、ティナはホワイトソースなんて作ったこともない。いかにもぶきっちょだし、そのうちトイレへ行きたくなったどうしよう・・となる。騒ぎすぎで見苦しい。家に帰ったティナは、子供達を動かすのに苦労する。1時間もするとゲームをしたりしてさぼり始める。財布をいじったり電気をつけたり消したり・・まあいたずらっ子を抱えた親ならだれもが経験するような展開。こういう時の子供って悪魔だよな。親を果てしなく疲れさせる。ふざけるし言うこと聞かないし口答えするし。うんざりしつつもティナは片づけを続ける。片づけたらキープしなくちゃ、二度とやりたくないからと自分に言い聞かせる。途中で掃除機が壊れちゃったとまた騒ぐ。見ているこちらも疲れる。

ティナとトレーシー2

中間チェックに来たアンシアは、カゴが捨ててあるのを戻す。カゴを捨てるなんてとんでもない!!娘クロエの扱いもアンシアにはたやすいことだ。こういう生意気な子は、母親のことはバカにして無視するが、よそから来たきれいでステキな女性の言うことは聞くのだ。適当におだてられ、論理的に説得されると、反抗する理由がないので素直に従うしかない。ちょっと残念だったのは、コリンが協力する場面がなかったこと。それと長男の部屋がどうなったのか見せないこと。クロエの部屋よりそっちの方が気になる。全体的にはティナの方が描写が多い。アンシアは明らかに彼女の方が気になる。最終チェックではどちらの家もきれいに片づき、汚れもなく大きな差はなし。それでもアンシアは迷わずティナを勝者に選ぶ。彼女の方が悲惨な状態からスタートしたからだ。それと、おもてなしでトレーシーはとんでもないことをやらかし、アンシアを呆れさせた。これが大減点に繋がったのだと思う。料理の材料に柿があったが、ティナには未知の食材だったようだ。苦手のホワイトソースに苦戦しながらもラザニアを作る。子供達を家から追い出し、夫のために料理する。二人きりでの食事なんて16年ぶりで、コリンも大喜びだ。彼はどことなくさびしそうな顔立ちなので、笑顔を見るとこちらまでうれしくなる。一方トレーシーは四人ほど招くが、シラフじゃやってられないとばかりに料理中にワインをがぶ飲み。二本くらいあけたのではないか。彼女はティナよりも料理はうまそうだが、こんなに飲んだのではまずい。酔っ払って手つきがあやしくなり、「吐きそう」などと言ってアンシアをハラハラさせる。お客を待たせ、あいさつもろれつが回らない。しかもこういうことは今回だけではなく、よくあることらしい。それだけ不満もたまっているってことなんだろうけど。ワンポイントアドバイスで、思いきってベッドマットと靴は上等なものを・・と言っていたのが印象的だった。理由は、常にどちらかを使っているから。向こうの人は我々日本人みたいな、裸足でという部分がほとんどないから、足も疲れることだろう。