ブレイン・ゲーム

ブレイン・ゲーム

これは惜しい映画。もうちょっと何とかなったはずなのに。サイコパスとか超能力を扱っているので、映像も凝ったものになるが、それがあんまりうまくいっていない。余計なことしているって感じ。むしろCGなどに頼らない、古風なやり方で見せた方がよかったかもしれない。演技力のある人達が集まっているのだから。冒頭、目がうつって、女の人かなと思ったら男の人で。生きてるのかなと思ったら(瞳孔開いてないし)、死んでいて。捜査しているのはFBIのジョーやキャサリン。ジョー役ジェフリー・ディーン・モーガンはどこかで見たような。「ノー・エスケープ 自由への国境」に出ていた人だ。キャサリン役アビー・コーニッシュはニコール・キッドマンによく似ている。「ジオストーム」に出ていた人だ。美しい肌、美しい金髪。終始きちんとした髪型なのが好もしい。着ているものもシンプルな白いシャツとか。殺しはこれで三件目。手口が同じで、何の証拠も残さず、目撃者もいない。被害者に共通点もなし。ジョーはジョン(アンソニー・ホプキンス)に頼もうと言い出すが、キャサリンは反対する。彼女は精神病理学をおさめていて、超能力はインチキだと思っている。ジョンは娘エマを白血病でなくし、妻エリザベスともうまくいかなくなり、二年前に引退して世間との接触を断っている。ジョーはキャサリンを連れてジョンを訪ねる。思った通り断られるが、それだと映画にならないので、後で考えを変える。ジョンは早速キャサリンの未来を透視してしまう。頭から血を流している。こりゃ彼女は死んでしまうのか・・と、見ている者は心配する。ただ、このシーンは何度も出てくるので、そのうち反対に彼女は死なないのではないかと思えてくる。顔や頭からの出血は、大した傷でなくても多いからなあ・・。ジョンはジョーが苦しんでいる様子も透視する。始終こんなの見せられていたのでは、精神的にまいるよなあ。事件に、他人に関わりたくないと思うのも無理はない。ホプキンスは「レッド・ドラゴン」の時よりちょっとやせて見える。レクターのようなあぶらぎって多弁な感じはなく、わりと大人しめ。見ている方はどうしてもレクター系のキャラ期待しちゃうけど。途中で、キャサリンが見かけと違い、ドロドロした過去を持つことがジョンによって暴かれる。と言ってそれがあとを引くわけでもない。

ブレイン・ゲーム2

そのうち四人目の犠牲者が出る。なぜか花びらを浮かべた浴槽で他の三人と同じ手口で殺されていた。容疑者とされたのは夫のデヴィッド。どうやら彼は男の愛人ができ、妻のヴィクトリアとは別れるつもりだったようで。しかも彼はエイズであることを妻には黙っていた。このデヴィッドへの聴取のシーンで、カメラはぐるぐる回り始める。一回回って終わりかと思ったらまだ回る。何か勘違いしてないか?さて、ジョンは四人の共通点を見つけ出す。まだ表には出ていないが、エセルという女性はガンが再発するはずだった。冒頭出てきたピーターはALS、まだ子供のロバートには小脳に腫瘍があった。今度のヴィクトリアは精神が不安定で、自殺する可能性があった。夫に捨てられ、エイズもうつされていた。ロバートの両親は宗教的な理由で解剖を拒んだが、ジョンが説得する。この父親エリス役の人は見覚えがある。ザンダー・バークレー・・あらら「メンタリスト」のマカリスター保安官?・・解剖中ジョンにファクスが届く。それを見た彼は下りると言い出す。荷物をまとめ、長距離バスに乗り込むが、ジョーが説得に来る。ジョンは犯人がいずれ苦しむであろう人達を、苦しまずに死なせているのだと言う。犯人は彼以上の能力の持ち主で、ジョン達の行動はお見通しなのだ。その頃また殺人が起きるが、手口から見て犯人は別人のようだ。この事件のことはよくわからない。画家のライナスが犯人で、ジョーが撃たれてしまう。その後はカーチェイス。別に入れる必要ないと思うが、作り手はいちおう入れとかないと・・と思ったのだろう。もちろんキャサリンとジョンの乗った車は引っくり返る。横倒しじゃだめなのだ。一回転しないと。コーニッシュは「ジオストーム」でもカーチェイスやっていたな。こういうのの常で、車が一回転してもキャサリン達はケガ一つしない。車から出たジョンはライナスに頭を撃たれて即死するが、これはジョンが予知した出来事。と言うことは、彼は自分の未来も透視できるのか。その後も時々「NEXT-ネクスト-」みたいな描写がある。犯人がジョン達をライナスへ誘導したのには理由がある。ジョーが撃たれるよう仕向けるためだ。

ブレイン・ゲーム3

彼は妻にも隠しているが、末期のガンで余命いくばくもない。まだまだ生きたいのにと言いつつ亡くなる。葬式でジョンはジョーの幼い息子ケヴィンの未来を透視する。今はいじめを受けているらしいが、スタンフォード大学へ進み、幸せな家庭を築く。これならジョンも少しはホッとできるだろうと思っていたら・・。突然チャールズ(コリン・ファレル)が姿を現わす。あのままジョーが病気で死んでも金は出ないが、殉職となれば恩給も出て、ケヴィンは大学へ行ける。他の者にしたって、長く苦しむところを、苦痛も恐怖もなしで一瞬で死なせてやったなど、くどくどと言い立てる。あらまあ、コリン、ちょうど1時間たってやっとちゃんと登場してくれたのね。それまでは透視でチラッと。相変わらず眉毛のせいでボクちゃん困った顔。チャールズは正しいことをしているのだと信じているけど、顔がそれを裏切っている。それにしても・・ジョンはもうちょっと若い人の方がよかったし、チャールズはもうちょっと困ってない顔の人の方がよかったと私は思う。ジョンは・・我々はホプキンスが80近いのを知っている。ジョーが妻子のこと気にかけてくれとジョンに頼んだり、チャールズが自分のあとを継いでくれとか言うのを見ても、え~ッジョンだって棺桶に片足突っ込んでまずぜとしか思わない。普通なら逆だよな。年老いたジョンが人助けに疲れ、若いチャールズに後継者になってくれと頼む。でもそれだとファレルが出ずっぱりで、ホプキンスの出番がうんと少なくなってしまう。それがいやだったのかな。チャールズはもう終わりにしたいと思っている。死ぬ時はジョンに撃たれて死にたい。「サスペクト・ゼロ」風味。そこに・・二人の対決の場にキャサリンが飛び込んでくるので、ジョンが身代わりになって死に、チャールズは当てがはずれて嘆くのかなと思ったら・・ジョンもキャサリンも助かりました。ここらへんはクライマックスなのにモタモタした感じだ。ジョンはエリザベスとよりを戻すつもりらしい。病に苦しむエマを死なせたのはジョンだけど、そのことは一生黙っているだろう。チャールズはこのこと知っていて、彼なら自分の気持ちわかってくれる、仕事継いでくれると、目をつけたのかな。他にホセ・パブロ・カンティージョが出ていた。