プロメテウス、エイリアン:コヴェナント

プロメテウス

最近映画館へ行っていない。3-Dじゃますます見ない。予告編も見てないから内容全然知らない。そのうちテレビでやるでしょ・・そう思っていたけど、たまたまノベライズを古本屋で見つけて。大して長くもないから即読んで。その後ネットで調べたら皆さんけっこういろいろ書いてて。どっちかと言うとけなしてる人多くて。私はと言えばアンドロイドのデヴィッドが気になって。それですぐDVD買いましたの。廉価版が7月に出るようだけど、二ヶ月も待ってられない!それにしても・・特典なし?ブルーレイにはいっぱい付いているのかしら。それを見れば少しは謎も?いやいや・・売り手の戦略に、はまってたまるか(と言うか、わざわざ高い方買った時点で、はまったも同然)。ビデオの次はDVDと思ったら・・このままずーっといくかと思ったら・・何やらブルーレイが主流になりつつあって・・このめまぐるしさが気に入らない。次々に新しいの出すな!DVDにも特典ちゃんと付けろ!・・前置きはこれくらいにして、要するにノベライズ読んで予習してあったから、無茶な展開にもさほどまごつきませんでしたとさ。詳しいストーリーや、「エイリアン」シリーズとの比較考証は、他の専門家に任せるのにして、私はスルー。冒頭部分はノベライズにはなし。まあ地球の生命誕生には異星人が関わっていたと。そういうの見せておかないと、後で出てきた時に、「こいつら誰?何の関係が?」ってなるからね。彼らに関しては、言葉やテレパシーによる交信があるわけでもなく、ほとんど何も説明されないからね。で、世界各地の洞窟にあった巨人の星・・じゃない、巨人と星の壁画を元に、これは異星人・・人類の創造に関わったエンジニアの招待状と思い込んだ(勘違いした)連中を乗せ、ある惑星目指して航行するプロメテウス号。皆長期睡眠中で、起きているのはデヴィッドだけ。「2001年」と似た状態だけど、家族との交信なんていう人間くさいものはなし。デヴィッドには睡眠も必要ないから、時間はたっぷり。私が変だなと思ったのは、食事をしていること。必要ないでしょ?「アラビアのロレンス」を見ているのが私にはツボ。ロレンスは小男で、それがコンプレックスだった。身長が無理なら他のことで・・と、せっせと体を鍛える。ベドウィンにだって負けないぞ!映画でうつるのは、マッチをすってぎりぎりまで持ってるところ。

プロメテウス2

肉体的な苦痛を意志の力で超越しよう、克服しようという・・。砂漠での過酷な試練とかもそうやって乗り切る。晩年のロレンスは、軍隊生活が長かったせいで、万事簡素簡便なやり方で暮らす。それも長くは続かず、オートバイ事故で命を落とす。マイケル・ファスベンダー演じるデヴィッドは、見かけは確かにピーター・オトゥールのロレンスに似ている。金髪で目が青く、ひげがない。個性のない衣服、家庭くささが全くないところ、ふと見せる複雑な表情は、たぶん実物のロレンスに似ているのだろう。彼のおかげでたいていのことはスルー。ここがおかしい、ここが謎だと皆さん盛んに書いていて、それはそれで楽しくて、あるいは腹が立って、あるいは呆れ返って・・それでいいんじゃない?出資者ピーター・ウェイランドがガイ・ピアース。監督官ヴィッカーズがシャーリーズ・セロン。いやホント、すばらしいプロポーション。前、某雑誌で一時パートナーだったスチュアート・タウンゼントと一緒に水着姿でうつってて・・。たぶん休暇中なんだろう、体の線がちょっとゆるんでいて。でも仕事に入ればこういうふうにピシッと引き締めてくるんでしょうなあ・・さすがプロ。一方タウンゼントの方は、おなかだけぽっこり出ていて・・まだ若いのにどうしたことか・・と、ショックだったけど、今はどうなっているのかな(引っ込んだよね、ちゃんと)。話を戻して・・ヴィッカーズアンドロイド説にはびっくり。ノベライズでは、会社の利益・・と言うより、自分の金儲けのこと考えてるただの欲張り女。映画ではそういうのなくて、どうもウェイランドの娘らしい。年が離れすぎという指摘もあるが、今だって精子や卵子を冷凍保存とかやってるし、数十年後だったらあたりまえかも。不妊のはずのエリザベスが妊娠するのはおかしいという指摘もあるけど、要するに宿主にされたってことで。男だっていくらでも妊娠同様状態にされてるし。それにしてもあの手術シーン・・二度と見たくないね。だっておなか切ってすぐいるわけじゃない。臓器の後ろ・・奥にいるわけでしょ・・中を探って・・ウゲゲ。エリザベス役ノオミ・ラパスは、確かに大作のヒロインとしては地味すぎ。でも演技力で勝負と言うことで。あと、体力も。それにこの映画のヒロインはデヴィッドなんだし・・と言うか、アンドロイドだから男でも女でもないんだけど、美しく謎めいているっていう点ではヒロイン級(何のこっちゃ)。

プロメテウス3

チャーリー役ローガン・マーシャル=グリーンは知らない人だけど、トム・ハーディにそっくりですな。セロンとピアースは別として、あとは知らない人ばっかりで。誰が生き残るか予想がつかない。と言うか、ほとんどの人は死ぬんだろうって見え見え。クルーのバカさかげんについては、ほとんどの人が書いてる。ブリーフィングの時ヴィッカーズが、「私が採用した」って言ってたけど、どう考えたってミッションを失敗させるために、わざとバカで協調性のない連中選んだとしか思えない。さて、目的の星に着いて、遺跡のようなものに出くわして、中を調べたら知的生命体のものらしい死体もあって。で、連中には衛生観念とか、洞窟探検の初歩的知識とか、非常の際に取るべき行動規範とか、そういうのが全くなくて、ばたばたと無駄に死んでいく。それを見越したのか、今回はクルーが多め。デヴィッドも負けずに無茶で勝手な行動取る。何しろ彼は寄生や感染のおそれはないし、もう死んだと偽って実は船に乗っているウェイランドに命令されてる。死が迫っているウェイランドは急いでいる。動物実験なんかやらない。すぐチャーリーで人体実験だあ!これが人間なら何てひどいやつだ・・となるけど、美しくて悲しげなデヴィッドだからそうならない。彼は命じられているだけ。悪いのはボクじゃない、ウェイランドなんだも~ん。チャーリーとの会話で、しばしば「人間じゃないから」と言われて、その度に複雑な表情になって。実験台に選んだのはそのせい?とも思えたり。逆に言うと、デヴィッドと会話しなければ、そういうセリフも出ないわけで。つまり彼と疎遠なら実験台にされることもなかったと・・。まあ常識的に考えれば、この計画の発案者の一人であるチャーリーを、そんな危険な目に・・命を落とすに違いないような目に会わせるとは思えないけど。実験用に死刑囚用意するとか・・。途中でウェイランドが出てくるのは妙な感じ。ブリーフィングで、自分はもう死んでるって言っておきながら。すぐばれるウソをついてたわけで、信用できないって言うか。高性能の医療用ポッドがヴィッカーズの部屋にあって、おなかが破裂しそうになったエリザベスがそれに入って堕胎手術を受けようとする。その時、これは男性用だからと機械に断られるのがこの映画最大の笑いどころ。

プロメテウス4

その前にデヴィッドも、この船にはそういう技術を持った者は乗っていないと断言。ネットで見たデヴィッドの動画では、何でもしますって言ってなかった?男性用イコールウェイランド用というのは察しがつくけど、それにしたって男女が乗ってるんだから、妊娠がゼロとは言い切れないのでは?話を戻して、ウェイランドの目的は自分の死を回避すること。結局は自分のため。人類のためじゃないんだ・・と鼻白むけど、創造主・・エンジニアが一人生き残ってると知らされれば、エリザベスだって心は動く。開腹手術してすぐの彼女や、補助器具のおかげでやっと歩くウェイランドなど、会見はする前から見通しが暗い。案の定眠りから覚めたエンジニアは、問答無用の行動に出る。例えば明らかにおかしくなってるファイフィールドに、クルーが次々にやられるシーンとか。何かに感染しているってはっきりしてるのに船に入れようとするとか。相手は人間、話せばわかる。何か方法があるはず、見捨てられない。そういう思い込みが邪魔して何回も同じ過ちくり返す。今だって例え異星人でも、知的生命体なんだから意思の疎通は図れるはずという、勝手な思い込み。エリザベスだって、調査に来たんだから武器は必要ないと少し前まで思ってた。残念ながら異星人は友好的ではなく、ウェイランドやフォードは殺され、デヴィッドは壊される。野蛮と言うより、やっぱり人類の祖先だけのことはあるなあという感じ。言葉のやり取りがないので、どういう思考の流れなのかは不明。姿は似ていても、なかみは全然別ということ。それは彼らが作った生物兵器・・エイリアン・・も同様。エリザベスの体内から取り出された時は、スーパーの今日のお買い得アメリカ産ヤリイカを連想させたけど、ほどなくダイオウイカみたいな大きさまで成長。せっかく生き返ったエンジニアに巻きつき、口からごにょっと入って、寄生する。次の世代へ繋げることに成功すると、オオイカは死んでしまって、あの大きさはいったい何のためだったんだ?次の世代の餌になるとか?寄生期間も、成長に要する時間も非常に短いけど、彼らの時間の流れは我々とは違うのだと。一方で短く、一方でものすごく長いと(何百年、何千年と時期を待つ)。エンジニア役の人はIMDbによると216センチもあるそうで。「エイリアンVS.プレデター」ではプレデター役だったようで。

プロメテウス5

他にIMDbでわかったこと・・マーシャル=グリーンは、スーパー!ドラマTVで放映中の「DARK BLUE/潜入捜査」に出ているようで。ディラン・マクダーモット主演なので見てみたいけど、見てる暇がない。チャンス役イーモン・エリオットはかわいい感じ。彼とラヴェルと船長ヤネックの三人は、プロメテウスでエンジニアの船に体当たり。地球へ行って生物兵器ばらまき、人類を滅亡させるのを阻止する。偉いなあ。でも最初はそのまま逃げるつもりだったのよ。外にいるエリザベスを待ってる余裕はなくて、見捨てて出発して当然なんだけど、彼女に言われて気づく。このままじゃ人類の破滅。こういうのに気づくのって(映画だと)たいていは女性。ラヴェル役は「サンシャイン2057」のベネディクト・ウォン。ヤネック役イドリス・エルバは「リーピング」に出ていたようだ。ミルバーン役レイフ・スポールは「ミス・マープル」の「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」のロジャー。感想読み返してみたら、彼のことハンサムって書いてる。でもこの映画ではあんまり顔がはっきりしなくて。ファスベンダーも「ポアロ」の「葬儀を終えて」に出てるんだよな・・顔が思い出せないけど。エリザベスの父親役でパトリック・ウィルソン。こうしてみると、知らない人ばっかりってわけでもないんだな。さて、だらだらと書き続けるのもそろそろ終わりにしないと。前知識はノベライズくらいで見たわけだが、私にはけっこうおもしろかった。映像はたぶん映画館で見ればすばらしいのだろう。内容は雑で、手抜きだらけだが、最悪というわけではない。リドリー・スコットの作風とか、そういうのは知らないし、「エイリアン」シリーズの年代記もどうでもいい。食い違う部分も多々あるようだが、それはそれでいいんじゃない?「エイリアン」シリーズに「エイリアンVS.プレデター」シリーズまで加えれば、考察するのが楽しくて楽しくて、マニアは夜も眠れないんじゃないの?私自身は、いわゆるスペースジョッキーとやらのシーン・・これだけでもう十分です。ラストでお約束の・・エイリアン誕生シーンがあったけど、私はこんなのよりもうちょっとちゃんとしたラストにして欲しかったな・・と。流れから行くと、たった一人生き残ったエリザベスは、破壊されながらも機能はしているデヴィッドの助けにより、他にもあるエンジニアの船で地球へ向かうと・・。

プロメテウス6

ところが彼女は、何を血迷ったのかエンジニア達の母星へ行くと宣言。で、便座みたいな宇宙船で旅立つわけだけど、見ている人にとっては、はしょりすぎで。ウェイランドを連れて、エンジニアを起こしにいった時、彼女はチャーリーがなぜ感染したかに気づく。彼はデヴィッド・・ウェイランドによってわざと感染させられたのだ。妊娠ももしかしたら想定ずみのことかも。わかった時点で睡眠装置に入れ、胎児ごと地球へ持ち帰るという・・。で、頭部と体が切断され、動けないでいるデヴィッドに、本当のことを言えと迫るわけ。で、恋人の復讐を・・と思ったけど、すんでのところで思いとどまる。デヴィッドはウェイランドに命令されていただけ。悪いのはウェイランド。この部分が映画にはない。だから、エリザベスは何考えとるんじゃい、チャーリーの死の真相突き止めないのかよ・・となる。この部分はブルーレイにはあるの?もう一つのエンディングとか特典で。あったとしてもどうせ見られないから別にいいんですけどさ。まあとにかくラストのはしょりを見ていて、ああもうここで製作費なくなったのね・・そう思って見てました。厖大な製作費を回収できるほどヒットはしなかったようだけど、「2」はいちおう作られるということでよろしかったでしょうか?何たってファスベンダーのデヴィッドがこれで終わりじゃもったいない。人間じゃないから、年を取らない。だからあんまり間があきすぎると困るんだわに。私の勝手な意見だけど、アンドロイドなら別にシワとか刻まなくていいと思うわけ。すべすべお肌のはずで。ファスベンダーも、もう10歳若けりゃなあ。で、何が言いたいかと言うと、今回のデヴィッドにはシワとか入れて、ちょっと老け気味に作ってあるのではないかと。二、三年たって「2」やら「3」やらが作られる時、今より年取ったファスベンダーが、無理に若作りしなくてもいいように。あと、洞窟での天井画・・ノベライズと映画では違ってて。映画の方は何が描かれているのか、今いちはっきりしなかった。私はノベライズから別の絵を想像していたんだけど。天使のように空を舞う青年・・その顔はどこかなぜかデヴィッドに似ていて・・となれば、ロマンチックで妄想をかき立てること間違いなし!いや、この感想自体妄想だらけですけど。

エイリアン:コヴェナント

これは前に一度見たけど感想は書かずじまい。「プロメテウス」の続編だから期待したんだけど、何やら後味悪くて。でもまあいつまでもほっとくわけにもいかないし。オリガエ6という惑星へ向かうコヴェナント号。乗組員の他に入植者2000人や大量の胚芽体を乗せており、着くまでにはあと7年4ヶ月かかる。全員冷凍休眠中で、起きているのはアンドロイドのウォルターだけ。事故が起きて乗組員は覚醒させられるが、その際船長のジェイコブが死亡。このジェイコブやってるのはジェームズ・フランコらしい。船長って必ず死ぬことになってるのね。そのうち人間が出していると思われる信号をキャッチ。発信元の惑星には2、3週間で着ける。ダニエルズは反対するが、船長になったオアムや他の乗組員は全員乗り気。例によって出演者は誰が誰なのかはっきりしない。はっきりしないうちに次々に死んでいくといういつものパターン。今回はホント”いつもの”が多い。いつものように行く先を変更し、取り返しのつかないことになる。いつものように未知の生物に寄生され、背中やおなかがベロンチョとなって死。未知の惑星なんだから水やら空気やらにはもう少し気をつけなきゃ。具合の悪くなった者を船内に連れ込んじゃまずいでしょ。血を浴びたらまずいでしょ。途中でプロメテウス号の生き残りデヴィッドが登場。ウォルターと同じ顔なのは仕方ないとして、オアム役ビリー・クラダップがまた同じ顔してるので、”私は誰でしょう”映画になっちゃってる。前回生き残ったエリザベスは殺され、デヴィッドは便器宇宙船から毒をばらまいて惑星の住民を皆殺し。暇があるのをいいことに実験三昧。彼は”創造者”になりたい。宇宙船をおびき寄せるため信号を発信。そのかいあってコヴェナント号がやってきた。しかも2000人の男女を連れてデヴィッドはウォルターを始末し、彼にりすましてコヴェナント号へ。惑星から脱出してオリガエ6に向かう。その際いつものように脱出中、及び脱出後の船内でのエイリアン退治がある。最後の最後にダニエルズは彼がデヴィッドだと気づくが、時すでに遅し。バカか!それにしてもいつものように画面が暗くてわからん。戦っていてもこれまたヒュッヒュッパッパッでわからん。便器がドド~ンとかシャーリーズ・セロンがドド~ンとかインパクトのあるものがない。ラストも”いつもの”。残念作でした。