墓石と決闘

墓石と決闘

最初に見たのは民放、二回目がたぶんNHKBSで、ノーカット字幕。今回が三回目だろう。とぼけたイメージのあるジェームズ・ガーナーが、ここではほとんど全編硬い表情。最初に見た時は意外だった。1881年、アリゾナのトゥームストーンで起きたOK牧場の決闘。その後日談を描く。監督はジョン・スタージェスで、音楽はジェリー・ゴールドスミス。聞き覚えのあるメロディーが何度も流れる。「地獄から来た女ドラゴン」で使われていたものだ。そうか、元はこの映画の音楽なのね。ワイアット・アープ(ガーナー)やドク・ホリデイ(ジェイソン・ロバーズ)は、クラントン(ロバート・ライアン)側の三人を殺したというので裁判にかけられる。その後も、ラストまであまり起伏のないエピソードが続く。西部劇に期待する爽快感はなく、クライマックスらしいものもなく終わる。ばたばた人が死ぬ。町の保安官がいて、郡の保安官がいて、連邦保安官がいて、それぞれに助手がいて。あっちでもこっちでも逮捕状が出て、何が何やら状態。まあメインはアープとホリデイの男の友情なんだろう。きれいどころは出て来ず、ひたすら相手を思いやる二人を見させられる。正直言って退屈。でも私は別の楽しみを見つけた。前は主演の三人の他に知ってるのは、ヴァージル役フランク・コンヴァースくらいだった。彼はテレビの「コロネット・ブルーの謎」に出ていた。わけのわからない内容でおもしろくなかった。コンヴァースは唇が厚くて、しかもたいていパカッと口を開けていた。それがなければなかなかのハンサムなのだが。モーガン役サム・メルヴィルはテレビの「命がけの青春/ザ・ルーキーズ」に出ていた人。52の若さで亡くなったらしい。殺されたモーガンの代わりに保安官になったスペンスやってるのがマイケル・トーラン。「スパイ大作戦」によく出ていた人。同じく「スパイ大作戦」で見かけたスティーヴ・イーナットは、ネッカチーフを巻いたウォルショー役。ブローシャスがジョン・ヴォイト、クラントン側の弁護士がアルバート・サルミ、郡保安官ブライアンがビル・フレッチャー。アープ側の助っ人ジャックがウィリアム・ウィンダム、シャーマン保安官がモンテ・マーカム。マーカムは、私は見たことないけど「パパのおやじは30才」というテレビシリーズに出ている。瞳キラキラでステキだが、見せ場はほとんどなし。他に裁判官のウィリアム・シャラート、アープ側の弁護士チャールズ・エイドマンなど、私にとってはオールスター総出演という感じだった。