ハイランダー/悪魔の戦士

ハイランダー/悪魔の戦士

「ハイランダー」っていくつもあるよな。この前WOWOWでやったので見てみたら日本製のアニメだった。モチ、即見るのやめましたけど。どうせ見るなら「1」から・・と、これをレンタル。ビデオだからあまり映像はくっきりとはいかない。現代と16世紀を行ったり来たり。それはまあいいけど冒頭など暗くて何やってるか・・16世紀は誰が誰やら。だいたい一作目って整理されてなくて。作り手にはアイデア浮かんでいるけど、どう見せたら一番効果的かわかってない。でもその粗けずりなところがフレッシュでいいんだけど。意欲的だし。脇に意外な人持ってくる場合も多い。この映画だとショーン・コネリー。知られた名優が出ているだけで映画の質がちょっと上がったように感じる(同時に彼がなぜこんなのに出ているのだろう・・とも思うが)。主演はクリストファー・ランバート。私は彼の作品ほとんど見たことがない。昔テレビで「サブウェイ」をやったが、あまりにもつまらないので途中で見るのやめてしまった。最後まで見ればおもしろくなったのかな。見れば見るほどトーマス・ジェーンに似ている。あの独特の目つきは、極度の近視のせいらしい。今回は白いスニーカーはいてるのがいやに目についた。まあ・・動きやすいだろうけど(ウィル・スミスなら絶対メーカー名見せるな)。戦うことを運命づけられているのがいて、不死身だが首を切られると死ぬ(不死身じゃないじゃん!)。いつか”集合”し(たぶん土曜夜8時だろう)、最後に勝ち残った者は”宝”を手にする。16世紀、スコットランドのコナー(ランバート)は、戦死したはずなのに生き返る。そのため魔王とみなされ、迫害され追放される。きのうまで仲間だったのにぱっと態度を変える村人達の怖さよ・・。特にコナーに恋していたらしいのに殺せ殺せとなるケイトは・・いやだねえああいうの。五年後彼はヘザーという女性とひっそり、しかし幸せに暮らしていた。ある日ラミレス(コネリー)という男が現われ、導き手となる。コナーは気乗りしないが、運命だから仕方がない。ヘザーは、自分から夫を奪うのでは・・とラミレスを警戒するはずだが、そういうのはなし。わりと大らかなのがいい。ラミレスは2000年以上生きていて、紀元前593年に日本人のサキコと結婚し、マサムネを手に入れたらしい。すみませ~ん・・どこの世界の話?

ハイランダー/悪魔の戦士2

設定するにしても少しは歴史調べてよね。中国6000年なら紀元前6世紀にサキコもマサムネもありだと思ったのだろう。どうせ日本は中国の一部だろうし(おいおい)。一方黒い騎士クルガン(クランシー・ブラウン)というのがいて、ラミレスを殺す。現代でもコナーを狙う。不死身でいつまでも若いコナーと違い、ヘザーはそのうち老いて死んでしまう。戦争中コナーはレイチェルという少女をナチの手から救い、今では彼女はコナーの秘書をしている。彼女ももう若いとは言えない。コナーのことは何でも知っているし、恋情もいだいているが、ヘザーの死で悲しい思いをした彼は、世間一般の愛情からは距離を置いている。マディソン・スクエア・ガーデンの駐車場で他の戦士と戦ったコナーは、首切り殺人の犯人と疑われる。他の場所でも似たような事件起きているらしい(クルガンの仕業か)。逮捕される時は手荒な扱い受けるが、聴取の後簡単に釈放される。捜査の描写は、それが映画のメインではないから当然だが、かなりいいかげん。鑑識のブレンダは古代刀剣の研究者でもある。現場で見つけた破片に興味を持つ。分析すると紀元前6世紀のものだが、その時代に日本刀があるはずない。これはいったいどういうことか。でもこの件もそれ以上の進展はなし。なぜならブレンダはコナーに引かれ、そのうち結ばれるからである。年代の矛盾なんかどうでもいい。メインでないものは無視され、通り過ぎるのである。それに気にするの日本人だけだろうし。私が思うに、きっとこれにはタイムトラベルが絡んでいるのだ(おいおい)。クライマックスはコナーとクルガンの一騎打ち。音響効果はブレンダである。いちおうこの映画クイーンの音楽が流れるが、印象に残るのはブレンダの悲鳴である。ワーワーキャーキャーギャーギャー。ラミレスが襲われた時のヘザーもワーワーキャーキャー。叫んでる暇あったら逃げろよ!・・と言うか、あの時コナーはどこにいたの?もちろん激闘の末コナーはクルガン倒し、”宝”を手に入れる。他人の思考がわかり、世界を変えられる強大な力を持つらしい。あたしゃてっきり鏡見せられて自分の顔と対面するんだと・・ってそれは「サイレントフルート」だろッ!でも映画はブレンダとの愛の世界で終わり。何かふにゃっとしたラスト。

ハイランダー/悪魔の戦士3

強大な力手に入れても早速使うわけでもなく、大事なのはキミとボクの愛の世界というちまっとしたラストは、この映画に限ったことじゃない。まあ確かにこんな力がクルガンみたいな悪党のものになったら世界は混乱する。二人の世界にとどまっているのは、人類のためにもいいことなんだけどさ(宝の持ち腐れとも言うが・・)。コナーはもう古美術商ナッシュという仮の姿取るのはやめだ。レイチェルに後はまかせる。彼女は、自分より若く、自分が願ってもかなえられなかった地位にやすやすとおさまったブレンダに嫉妬するはずだが、そういう描写はなし。フン、どうせコナーは年取らなくて自分はどんどんシワクチャになっていって、辛い思いをするのよッ!楽しいのは今だけよッ!そう考えれば少しはなぐさめに・・。アクションシーンはもっとすごいかと思ったらそうでもなくて。シーンによっては間抜けな感じも。首を切られない限り死なないから、撃たれても刺されてもどうってことない。疲れてへたばるということもないようだし。18世紀だったか、コナーが貴族と決闘するところは笑える。ヘザーが秘密かかえたまま死ぬのは泣かせる。まあそんなこんな盛りだくさんな内容で、最初のうちは雑然としているけどそのうちまとまってきて。感心してたら最後はふにゃっと・・。ブレンダ役はロクサーヌ・ハート。「ミディアム」のリリー・デヴァロス役・・って、デヴァロスの奥さんかな。ブレンダにあんまり魅力ないのがこの映画の惜しいところ。ヘザー役ビーティ・エドニーはきれいで、ヘレナ・ボナム=カーターに似ている。私最初本人かと思った。心変わりして殺せ殺せとなる村の女ケイトは「カレンダー・ガールズ」など、よく見かける人。クルガン役のブラウンはどことなく見覚えがある。調べたら「スターシップ・トゥルーパーズ」に出ている。あの印象的な軍曹役の人かな。「ペット・セメタリー2」にも出ていて、あの生き返るDV男かな。まあこの映画が少しはマシに見えるとすれば、ランバートの眼力と、コネリーの軽妙さ、そしてブラウンの邪悪さのおかげだろう。でかい体、ギョロギョロした目、下品な表情やしゃべり方。悪役なのになぜか憎めないとんまさ。いつも言ってることだけど、魅力的な悪役って大事なのよ~。「一人しか残れない」というきめゼリフもよかった。