ホスタイル・グラウンド

ホスタイル・グラウンド

中古ビデオ。ジョン・コーベット目当て。一時期の彼はこういうのにばかり出ていたのか。「オゾンクライシス」「ボルケーノ」そしてこれ。地質学者マット(コーベット)は市長の片腕アリソンともう七年も交際しているのに結婚に踏み切れない。自分の鉱山で起きた死亡事故をいまだに引きずっているようだ。ニューオーリンズはマルディグラの真っ最中。ところがトンネルで陥没事故があり作業員が死亡。続いて道路も陥没する。アリソンに頼まれても調査を渋るマットだが、やり始めると止まらない。去年火事があって、消えたように見えて地下で燃え続け、そのせいで空洞ができているらしい。悪くすると街全体が陥没するおそれがあるが、観光の目玉であるパレードの中止や人々の避難については当然のことながら反対の声が上がる。「オゾン」と非常によく似た設定だと思う。市長のそばに恋人(「オゾン」では妹)、足を引っ張る存在(「オゾン」のシフレン、こちらの広報官レーガン)、打つ手はないか・・となった時に唐突に持ち出される秘密兵器(「オゾン」の爆弾、こちらのポリウレタン・ゲル)。連絡が途絶えて死んだのかと思わせて無事生還も同じ。向こうは空でこちらは地下。その違いだけ。こんな仕事しかないのかよコーベット。と言って「セックス・アンド・ザ・シティ2」なんかに出られても困るが(←?)。彼は一本の映画を背負って立つにはちょっと弱い。まあ私はそういう彼の物足りなさが好きなんだけど。レーガンは若くて野心家。最初はアリソンが好きでマットから離そうと企んでいるのかと思えるが、違った。彼は彼女が市長に信頼されているのが気にくわないのだ。災害の徴候を記した報告書を握りつぶし、アリソンに間違った判断を下させ、責任を取らせようという魂胆。しかしこんなのはすぐばれる。ばれた後の彼がどうなったか知りたいものだ。演じているピーター・ステッビングスはハンサムなので、他の出演作も見てみたい。アリソンの姪シンディが幼なじみのダルトンと恋仲になるエピソードもくっつけられている。救助されたダルトンがボーッとしているのがリアル。地下でマットが膨張するウレタンに追われるところは(洗剤の泡とわかっていても)ハラハラする。地下の大穴は「ザ・キープ」連想させ、ワクワクする。「オゾン」と同じくこちらも暴動が起き、余計なケガ人が出る。人間の愚かさはいつものことだ。