ファースト・キル

ファースト・キル

仕事に忙殺される父親と、学校でいじめられている息子。こりゃ何とかしなくては・・と、週末旅行で父子の絆を深めようとする。ところが、久しぶりに訪れた故郷で血みどろの抗争に巻き込まれ・・。まあよくある設定。日本と違うのは、そこに銃が絡んでくること。さすがアメリカ。母親ローラは息子ダニーを心配して、夫に何とかして欲しいと思っている。だからスケジュールをやりくりして旅行を計画してくれたのはうれしい。ウィル(ヘイデン・クリステンセン)の両親はすでに亡くなっているが、おばのドッティがいて、歓迎してくれる。ダニー自身はあんまり気が進まない。外に出るよりゲームしてる方が好きな、大人しいタイプ。警察長ハウエル(ブルース・ウィリス)は、銀行強盗が発生したので注意しろと忠告。翌朝、鹿撃ちに出かけた父子二人。雨の中、休憩していたら男二人の争いに出くわす。どうやら金をめぐっての仲間割れのようで、一方がもう一方を撃つ。一人ならともかく、子供連れならすぐその場を離れるのが普通じゃないの?言い争いの内容からこいつら強盗だなってわかるはず。雨が降ってるし、向こうは気が立ってるしで、そーっとその場を離れれば気づかれないはず。でも、ず~っと見ちゃう。で、気づかれちゃう。撃ったのを見られたってんで、ウィル達を撃ってくる。ウィルは鹿撃ち用ライフルで相手を倒すが、腰につけた警官のバッジに驚く。先に撃たれた方はまだ息があるとわかって連れて帰り、ローラに手当てしてもらう。彼女は看護師なのだ。しかし男・・バレットは、気がつくと父子に現場へ戻るよう要求。彼は撃たれる前、何かのキーをほうり投げていたが、金を取り戻すにはそれが必要なのだ。まあ見ている者は、ウィリスが出てきた時点で、彼と巡査達、それにバレットが加わって金を盗んだのだとわかっている。ウィリスが正義の味方役だなんて誰も思わない。いちおうハウエルの態度をあいまいにして、何とか見ている者をあざむこうとしているが、前にも書いたようにハゲハゲ・・じゃない、バレバレ。ウィルはハウエルのことは疑っていない。父の親友だったし。でも父親の事故死にハウエルが関与していることは明らか。もちろんクライマックスで、彼が父親を突き落としたことがわかる。ウィルの母親と結婚できなかったことを恨んで?

ファースト・キル2

話を戻して・・ウィルが撃ち殺したのがチャーリーで、もう一人はリッチー。この二人は兄弟警官。もう一人ディヴィスってのがいるけど、こちらはまともな警官らしい。ウィルはリッチーにつかまり、バレットはダニーを連れて恋人アデルの家へ。ウィルは警官を撃ち殺したのを隠すため、ハウエルにはウソを言う。何としてでもダニーを取り返さなければ。アデルの家には重病の母親、メイベルがいる。バレットが強盗に加わったのは、恋人の母親に治療を受けさせたかったから。ダニーに危害を加えるつもりはなく、「巻き込んですまん」とあやまったりする。こういう映画の常で、誘拐されたのにダニーはだんだんたくましくなってくる。顔つきまでふてぶてしくなってくる。家庭で大事にされている時より、逆境に他人といる時の方が、精神的に成長する・・と言いたいのだろう。そのうち彼は、いじめを受けていることまで打ち明ける。父親にだったら打ち明けただろうか。きっと「何でもないよ」とか言ってごまかしたのでは?結局キーは郵便局の私書箱か何かのものだった。バレットは金を盗み出した後、仲間と落ち合う場所へ行ったが、彼らが自分を始末する気でいるのに気づく。金は信じられないほど簡単に盗めたが、警報装置などを切ってお膳立てしたのは、警官という立場を利用したハウエル達だろう。バレットを殺して犯人に仕立て上げ、金はいただく。捜したけど金は見つからなかった・・ということにする。どうせ保険がかけてあるから、誰も損はしない。いや、保険会社は?自分はもう定年。第二の人生始めるためには金が必要。これはいわば退職金。まあハウエルはほとんど一人じめする気でいたと思うよ。230万のうち、200万もらう気でいるし、欲張りだな。バレットとダニーは森の中の防空壕みたいなところに。そこへウィルが金を持って現われるけど、ハウエルやリッチーも。アデルはすでに殺されている。メイベルも死んでいたけどハウエルが?で、撃ち合いの末、ハウエル、バレットが死亡。リッチーはケガ。ダニーに殺しをさせるわけにはいかないからね。と言うわけで大変な週末でした。クリステンセンはスラッとしてステキだけど、心に残るのはバレット役ゲシン・アンソニー。残念だったのはぐるぐる回り、揺れまくる映像。それと区別のつかない警官達、地味すぎる女優さん達。鹿を銃で仕留めることによって人間は強くなるみたいな考え方もいやだったな。鹿にとっては迷惑な話だ。