パラサイト
これを見るのは久しぶり。最初に見たのはWOWOW。もうだいぶ前。その後DVDを買ったがほったらかし。DVDには数人のインタビューが収録されているが、クレア・デュヴァルのはなし。残念。あと、コメンタリーくらいはついてて欲しかったな。冒頭はフットボールの試合。監督のウィリスがどなっている。試合後すぐに・・この時ウィリスを襲ったエイリアンは人間の形しているはずだが、誰だったのだろう。ここはハリントン高校。教員の会議は予算のこと。ドレイク校長はケチで、予算はフットボール部へ回したい。見映えのいいところには出すけど、それ以外のところには出さない。パソコン一台もだめとオルソンはこぼす。その校長は帰ろうとして玄関のカギを忘れたことに気づき、校長室へ引き返す。ヌッと現われたウィリスの様子がおかしい。逃げ惑う校長、やっと外に出てホッとしたらオルソンがハサミでグサリ。これって「インフェルノ」の肉屋みたいだな。味方かと思ったら・・。私この校長やってるのファムケ・ヤンセンだと思ってた。そしたら後でバーク先生役で出てきて、あら?二役?と思ったけど違った。こちらはビビ・ニューワースとかいう人。オルソン役はパイパー・ローリー。「キャリー」の母親役あたりからこういう異常なキャラなら彼女にお任せって感じ?自然じゃなく、いかにも芝居してるって感じ。ウィリス役ロバート・パトリックはまだ若く、青い瞳が美しい。ウィリスはやたら水を飲む。寄生したエイリアンは水を大量に必要とするらしい。学生の方は・・この人が主役という感じではなく、六人ほど出てくる。ジーク(ジョシュ・ハートネット)は留年したとかで、余裕たっぷりマイペース。両親は不在なので、家では好き勝手できる。車のトランクにはドラッグやエロビデオ、身分証明書の偽造もお任せ。ケイシー(イライジャ・ウッド)は成績優秀だが、ことあるごとにいじめられている。前に見た時私が一番印象的だったシーンは、トイレに閉じこもり、鼻血を拭くケイシー。ゴスメイクをし、まわりからは距離を置いているのがストークリー(デュヴァル)。彼女と対照的なのがチアリーダーのデライラ(ジョーダナ・ブリュースター)。彼女は学校新聞の編集長でもある・・と言っても他の部員はカメラマンのケイシーだけだが。
パラサイト2
ケイシーは彼女に憧れているが、デライラにはスタン(ショーン・ハトシー)というボーイフレンドがいる。そのスタンはフットボール部の主将だが、部をやめようと思っている。スター選手というだけで教師はDの成績をAに書き換えてくれる。でもそんなのおかしい。DならDでいいじゃないか。それが本当の自分なんだから。でもデライラはとたんにスタンをふる。うわべばかり気にするデライラにとって、花形選手じゃないスタンなどお呼びじゃないのだ。この後スタンはストークリーと親しくなっていく。転校生のメアリーベス(ローラ・ハリス)は最初ストークリーに近づく。まだまわりになじめなくて孤独を感じている。ストークリーも孤独に見えるから話しかけてみる。でもデライラはストークリーはレズだと言う。本当はストークリーはレズじゃない。人と接するのがいやで、防護策としてそう思わせてるだけ。こんな感じで六人が紹介されていく。昼休み・・ケイシーは学食へも行かず一人外で食べた。戻ろうとしてふと見ると妙なものが落ちている。生物のファーロング先生は新種かも・・と言い出す。水がかかると動き出したので、水槽へ入れてみる。すると泳ぎ出し、そのうち二つに分かれた。おまけにファーロングは指を噛まれる。その頃スタンはウィリスに部をやめると言っていた。怒り出すかと思ってたら全然。拍子抜けするほどあっさり了承してくれた。デライラとケイシーは教師用ラウンジで新聞のネタ捜し。そこへウィリスとオルソンが入ってきたので、あわてて物入に隠れる。二人が目にしたのは保健婦のハーパー(サルマ・ハエック)がウィリス達に襲われるところ。ところで後で寄生された人間を倒すにはドラッグが効果的というのがわかる。ドラッグと言ってもジークは自宅に揃えた実験装置を使い、一般の薬から作り出している。成分はほとんどがカフェインで、利尿作用がある。そのためドラッグがかかるとエイリアンは水分がなくなって死んでしまうのだ。じゃあ塩でいいじゃん!と思うが、それだと映画として見映えがよくないのだ。後で六人はエイリアンに寄生されていないことを証明するため、鼻からドラッグを吸い込むこととなる。でもその後誰もトイレに行きたくなっていなかったな。それとエイリアンはドラッグを摂取したばかりの人間に寄生しようとするかな。
パラサイト3
さらに言えばハーパーは風邪気味で、ちっともよくならないとやたら風邪薬飲んでる。風邪薬の成分には無水カフェインがあるけど、関係ないのかな。ハーパーに寄生しようとしたけどダメで、エイリアンが??となるシーンがあったら笑えるのに。さて物入にはブランメル先生の死体が入っていた。彼女はガンで、しかも年寄りなので、寄生は無理だったようだ。逃げ出したケイシーは両親に話し、警察にも来てもらうが、何も痕跡はなし。両親には信じてもらえないし、警官は逆に寄生されてしまった。父親も寄生されてしまうかも・・。ケイシーは図書館でストークリーと話す。ケイシーはSF小説やSF映画はみんな作者が実際に体験したことだと思い込んでいる。成績優秀にしてはちょっとおバカ。ストークリーは、フィニイの「ボディ・スナッチャー」はハインラインの「人形つかい」のパクリだと話す。彼女の方がまとも。例の実験ではデライラが寄生されていることがわかったが、逃げられてしまった。ジークは銃も持っており、インチキドラッグならまだしも、銃が使われるのはちょっとやり過ぎという感じ。エイリアンにはボスがいて、そいつを倒せば寄生された人間は元に戻るというのも、何も根拠なし。SF映画としてはかなりいいかげんだが、SF映画という形を取っているとは言え、なかみはほとんど青春映画。だからあまり細かいことは言いっこなし。作り手が描きたいのは、高校生が感じる様々な思い。一見楽しくて何の悩みもなさそうに見える学校生活だけど実際は・・。いじめ、孤独、本当の自分は・・。そういうところはうまく描かれている。さて、金曜の夜にはフットボールの試合がある。町中の人が集まる。寄生される人も一気に増えるだろう。ボスは校長に違いない・・と、ジークが撃ち殺すが、実際は・・ここはちょっと意外だったかな。その人物がせっせと水を飲むシーンはなかったけど。現われたボスエイリアンは巨大で、とても一人の人間の中におさまりきれないはずだが、プールに入って十分水分を吸収したため、巨大になったらしい。クライマックスではケイシーが奮闘する。ジークは気絶して何もできなかった。てっきり彼が奮闘するのだと思ってたので意外でした。