マックィーンの絶対の危機(ピンチ)、ブロブ/宇宙からの不明物体

マックィーンの絶対の危機(ピンチ)

これは前から見たいと思っていた。何たってスティーヴ・マックイーンの初主演作だ。1958年と言うと28歳か。高校生にしては老けすぎだが、あまり気にしちゃいけません。スティーヴ(マックイーン)とジェーン(アニタ・コルシオ)は金曜の夜、丘の上で二人きりでいいムード。それにしても・・画面がきれいだな。カラーで。「ブロブ/宇宙からの不明物体」はレンタルビデオで見たんだけど、画質は悪かったし、暗い場面が多く、見づらかった。この映画くらいはっきりきれいに見えていたら・・もっと楽しめたことだろうに。突然空から何か落ちてきたので、二人は見に行くことに。かなり遠くだが、車だから。それにしても・・ぴかぴかのいかした車だ。何で高校生が乗り回せるのかいな。隕石を見に行ったのは、近くに住んでいる老人が先。棒で突っつき、なかみをほじくり、ゼリー状の物体を棒に絡め、よく見ようと顔に近づける。下に垂れたゼリーが手をおおい・・そのままはがれなくなる。何でこういう不注意なことするのかね。車の前に飛び出してきた老人を、スティーヴ達は診療所に運ぶ。運よく医師のハレンがいて、見てくれる。その間に現場をよく見てくるよう言われ、スティーヴ達は戻ろうとするが、邪魔したのが悪ガキグループの連中。ハレンは看護師のケイトを呼ぶが、いつの間にか老人の姿が消えている。ケイトが襲われ、ハレンが食われようという時に戻ってきたのがスティーヴ。自分の見たものが信じられず、ショックを受ける。でもまわりに信じてもらうのは難しい。「ブロブ」と話の流れはだいたい同じ。ゼリー状のものがだんだん大きくなっていくということの他には、特撮らしきものはなし。人が食われるところが出るわけでもない。SF映画には違いないが、半分くらいは青春映画。みんな栄養状態がよく、年よりは老けて見えて(←?)、頭空っぽノーテンキ。つまんないいたずらやって警官をおちょくるとか、他にすることないらしい。マックイーンだからもっと不良少年かな・・と思っていると、彼は他の連中よりはかなりマシ。髪も服装もきちんとしてるし、ヒゲもなし。ジェーンにしても浮ついたところはなく、控えめ。途中で時間稼ぎのイチャイチャがはさまれるかな・・と思ったらそれもなし。イチャイチャは冒頭だけで、意外と健全ムード。その代わり悪ガキ連中のおバカっぷりはたっぷりだ。

マックィーンの絶対の危機(ピンチ)2

邪魔する彼らを出し抜いてやったと思ったら、見回りの警部ディヴに見とがめられる。その時にスティーヴが事情を説明せず、やり過ごそうとしているのが不思議だった。やり過ごしてから、あ、頼まれたこと忘れていた・・となるのだが、説明しなかったのは忘れていたからかよ!一人が忘れてももう一人・・ジェーンが覚えているはずだろッ!この時点でスティーヴがディヴに説明し、ディヴがハレンを訪ねていたら・・ディヴも食われていたかもね。とにかくあっちでもこっちでも何でちゃんと説明しないのよ~ってな場面がいっぱいある。そりゃ前にも書いたけど信じてもらうのは難しい。どうやって話したらいいのか。一番困るのは、一番ショッキングな出来事・・ハレンが食われたところをジェーンは見てないってことだ。でも、例の老人のことは警官なら知っていただろうに、何も追及されていなかったな。診療所が荒らされているのは、不法侵入のせいにされそうに。老人のことだって、通報してもかえっておまえらがはねたのではないかと思われそう。とにかく普段の行動のせいで信用がないのだ。スティーヴがまともでも、他の連中と一緒くたにされる。まあ車のことは調べりゃすぐはねてないってわかるけどさ。墜落現場にはホカホカの石くらいしかなかったけど、みんなして素手でさわって・・ヤキイモ状態。で、帰ってきてハレンが襲われてるの見るわけだけど、もったらもったらしていて怖くも何ともない。マックイーンのSF物って他にあったかな?別にこの役、彼でなきゃだめってわけでもない。もっとハンサムで見映えのいいの出してくる手もあったはず。でも変に強がらず、怖いとかわからないとか正直に言うスティーヴには好感が持てる。ダイナーに閉じ込められ、打つ手なしとなった時の潔さみたいなのもいい。もちろん弱点がわかって消火器で冷却してピンチを脱するんだけどね。炎で赤いスティーヴは「タワーリングインフェルノ」の消防隊長にしか見えませんでした。ラストのジ・エンドの文字が?マークになるのも楽しいが、冒頭の音楽のポンという音も何だか楽しい。続編があるらしいが、ロバート・ウォーカー・ジュニアは私の好きな俳優なのでぜひ見てみたい。

ブロブ/宇宙からの不明物体

これは前文庫(ノベライズ?)買って読んであった。映画は本の通りに進む。隕石にくっついていた謎の生物。人間を飲み込みどんどん大きくなる。「アンドロメダ・・・」や「ファントム」に似た内容。キャストは地味だし特撮はちゃち。一番困るのは画面が恐ろしく暗いこと。元々なのかデッキのせいか。ハンサムで花形フットボール選手のポールは真面目でおくての好青年。チアガールのメグにやっとデートを申し込む。でも初デートは災難続き。やっと車で出かけたと思ったらクズ屋のじいさんが飛び出してきた。腕に変なものがくっついている。不良青年ブライアン(ケヴィン・ディロン)のせいだと誤解したポール。でもとにかく三人でじいさんを病院へ運ぶ。結局じいさんは怪物に食われ、その後も犠牲者続々。先に出てきたことが、後で起こることの伏線になっている。そりゃもう呆れるくらい律儀に・・。ブライアンは壊れた橋をバイクで飛び越えようとして失敗。後で追っ手を振り切るシーンでこの橋が出てくる。彼はジャンプに成功、追っ手は落っこちる。メグの弟ケヴィンのジャンパーはチャックが壊れている。怪物に追われた時ジャンパーが引っかかったので脱ごうとするがチャックが下りない。危うし!ケヴィン。ブライアンとメグが冷凍庫に逃げた時、怪物は入ってこようとしなかった。やつらの弱点は寒さだ!まだ10月だけどモスはすぐ雪になる・・とスノーメイカーの点検をする。クライマックスではその(いつでも出動OKの)スノーメイカーの登場だいッ!いや~実に無駄のない作り。それでいて意外な展開にびっくりさせられる。てっきり主人公だと思ったポールがあっさり退場・・あら?ブライアンが主人公?怪物の正体も意外。うまくひねってある。さてケヴィンは名前でわかるけどマット・ディロンの弟。「ノー・エスケイプ」くらいしか見たことないが、今回ははまり役。長髪、皮ジャン、ジーパン、バイク、タバコ、ビール・・不良の条件全部揃ってるけど、根はいいやつ。メグは普通の高校生なのにクライマックスでは銃撃ちまくり。扱い方知ってるんだ。食堂のフラン役はキャンディ・クラーク。子供が犠牲になるのは反則という感想が多いが、私はフランが気の毒で・・。途中まではスローテンポだが、後半はたたみかけるような展開。まだやるのまだやるのって感じでサービス満点。多少の欠点も気にならない、よくできた作品。