パッセンジャー57

パッセンジャー57

この映画のことを知ったのは、「ミス・マープル」の「復讐の女神」に出ているブルース・ペインのことを調べていた時だ。何だかこの映画では凶悪なテロリストやってるようで。・・整形手術受けようとしていたレーン(ペイン)はFBIにつかまり、ロスへ移送されることに。航空会社の乗務員訓練所の講師をしているジョン(ウェズリー・スナイプス)には、目の前で妻リーサが強盗に撃ち殺されるというつらい過去が。友人スライ(トム・サイズモア)は何とか彼を元気づけようと、ラムジー社長(ブルース・グリーンウッド)にジョンを副社長にと口添えしたりする。ジョンは承認会議に出るためロスへ向かうが、その便にはFBI捜査官に付き添われたレーンも。しかしこの便には乗客や乗務員にまぎれてレーンの手下も乗り込んでいて、途中でハイジャック。ジョンはスチュワーデスのマーティと二人で、テロリストと戦うはめに。まず燃料を捨て、空港に不時着させる。狭い飛行機内から一転、遊園地での追いかけっこ。そこからまた飛行機内へという三段重ねの作り。途中で一味と間違われ、警察に追いかけられるはめになったり、最後の方では飛行機のドアが吹き飛んで、マーティが外へ吸い出されそうになったり、お約束の手順を踏む。凶悪犯が一般の乗客と一緒とか、そのことが事前に知らされてなかったりとかするが、FBIの特権でいつでも乗り込めるのだそうな。私がお客だったらいやだなあ。ジョンのつらい過去も、マーティと出会い、一緒に行動するうちにどこかへ吹き飛び、ラストでは再婚考えている。いい気なものだ。マーティ役アレックス・ダッチャーはへんてこりんな髪型をしていて、顔立ちはマイケル・ジャクソン風。顔立ちはともかくあの髪型は何とかして欲しかった。もう一人のスチュワーデスは何とエリザベス・ハーレーだ。役柄のせいか、演技がへたくそに見える。あの英国風の整った美貌を生かして、もっと優雅で冷たいキャラにすればいいのに。途中で何人か犠牲者が出るが、あまり引きずらないで通り過ぎる。暗さやリアルさではなく、スピードや爽快感の方を大事にする。85分という短さの中にぎっちり詰め込んでいて、見ている人はお得感を感じる。つまり、何じゃこの駄作は・・と失望しても、無駄にした時間が短いと思えば少しは気も晴れるわけ。ペインの悪役はよかったと思う。ただ、レーンがどこから資金を得、何を目的にテロをくり返すのかは不明だけど。