悪魔を憐れむ歌

悪魔を憐れむ歌

これは最初WOWOWで見た。特にすばらしい映画というわけではないが、ヒマつぶしにはなる。名優達が出ているので安心して見ていられる。ホブス刑事(デンゼル・ワシントン)がとらえた凶悪犯リース(イライアス・コーティーズ)の死刑が執行される。リースはその模様を映画にとらせ、奇妙な言語でしゃべったり、謎かけをしたりする。リースが死ぬと魂(後でわかるが、悪魔アゼエル)が体から離れ、次々に人々に取りつき、殺人を犯す。そのうちの一人がロバート・ジョイだったりするのがうれしい。ホブスの相棒ジョーンジーがジョン・グッドマン。12年もコンビを組んでいる二人の心のつながりがいい。上司スタントンがドナルド・サザーランド。ホブスが連続殺人を調べ始めるといろいろ邪魔するが、なぜ邪魔するのかはっきりしないのが残念。あまりにも怪しいとかえってこの人は何でもないと思えてくるが、その通り。一番怪しくない者が実は・・となる。他にジェームズ・ガンドルフィーニ。ホブスは弟アート(ガブリエル・カソーズ・・どこかで見たような・・と思ったら、「悪いことしましョ!」の天使だった)とその息子サムを引き取っているが、そこらへんの事情も不明。捜査の途中グレタ(エンべス・ディヴィッツ)という女性と知り合うが、彼女の目的等も今いちはっきりしない(仲間がいるのか、一人で悪魔と戦おうとしているのか)。ディヴィッツは知的で感じがいい。悪魔はタッチするだけで宿主を乗り換えることができるので、ホブスには打つ手がない。かえって彼が殺人犯として追いつめられていく。アートも殺される。それにしても殺しに使われる毒はどこから調達しているんだろう?乗り移られた人(俳優)はここぞとばかりに演技するので、気持ちはわかるが見続けるとうんざりしてくる。2時間と長めなのもこの次々乗り移られシーンが続くためだ。多くのことが説明不足なのもこのせいだ。ホブスとグレタの仲ももっと深まっていたのにカットされたのでは?悪魔は善人に取りつきたいらしく、それでホブスを狙う(彼は決してワイロを受け取らない清廉な人、家族思いの慈愛の人)のだが、弱点もある。それを逆手に取り、ホブスは我が身を犠牲にして悪魔を倒そうとする。途中悪魔がネコの体を借りるが、これがラストの伏線か。ハッピーエンドではないので、後味は悪い。