アトランティック・プロジェクト

アトランティック・プロジェクト

「タイタニック」と「ダイ・ハード」をミックスして、低予算で仕上げましたって感じのアクション。アーロン(ディラン・ウォルシュ)はボディガードだが、仕事熱心が裏目に出て、今も往年の人気女優(たぶん)の警護の仕事からはずされる。でもクビを免れただけマシか。今度の仕事は、金持ちのわがまま娘グロリア(エリカ・エレニアック)の警護。でもアーロンは手ごわい相手には慣れている。さて、映画の「タイタニック」のせいで船旅が大流行なのだそうで、それを当て込んでミラーという成金がクイーン・メリー号を修復し、ブリタニック号として就航させる。しかし改船工事費をケチったせいで、港を出てすぐに水漏れが・・。一方船の金庫室に預けられた宝石を狙って、テロリストの一団が船に侵入。食事に集まっていた人々は人質に。でも、金持ちは遅れていくものよ・・と時間を無視したおかげで、グロリアとアーロンはつかまらずにすむ。後で技術主任の・・つまりこの船のことなら何でも知ってるジャスパーが加わり、三人で力を合わせてテロリスト達に立ち向かう。見ていて感じるのはスピード感のなさ。船に乗り込んで乗客達を人質にし、乗組員を片づけ・・その後金庫室を爆破するのに一晩かかっている。乗り込むことだけ考えて、退去する手段を考えていない。出演者の中に演技のうまくないのが・・と言うか自然でないのがけっこういて、見ていて萎える。あと、豪華客船という感じがほとんどしない。予算の関係で仕方ないのだろうが、難破船か幽霊船みたいだ。人が少なすぎる。救援に向かう方の描き方もちぐはぐ。敵のリーダー、ジョゼフ(アイス・T)も地味。その分紅一点マックス(クローディア・クリスチャン)が印象に残る。まああんまり高望みをしても仕方ないんだけどね。モタモタしていて、新味の全くない映画だけど、私はウォルシュは好きな俳優なので、見ているだけで満足しましたけど。アクションも見せてくれるし。船にはアーロンの元カノ、テリーがレポーターとして乗っている。彼女は仕事人間のアーロンについて行けず、別れたようだ。事件が解決し、アーロンとグロリアがいいムードなのを見ても、「彼女だって捨てられるわ」と冷めているのが笑える。ラスト、ブリタニックは恐ろしい勢いで沈没する。たぶん「ジャガーノート」の時の損傷部分をろくに修理していなかったせいもあるのだろう!