あなたを抱きしめる日まで

あなたを抱きしめる日まで

あまりこういうのは見ないのだが、スティーヴ・クーガンが出ているので。彼を最初に見たのは「80デイズ」、次は「ナイト ミュージアム」シリーズ。彼ってなかなかハンサムだと思う。これは実話を元にしているらしい。ジャーナリストのマーティン(クーガン)は仕事をクビになったようだが、見ていてもよくわからない。ある日パーティでジェーンという女性が、母フィル(ジュディ・デンチ)の話をする。50年前に生き別れになった息子アンソニーを捜し出したい。一度は断ったマーティンだが、思い直してフィルに会い、話を聞く。彼女は元看護師らしい。娘がいるってことは結婚したのだろうが、夫のことは何も説明されない。彼女は男にのぼせ、おなかが大きくなってしまった。母親は早くに亡くなり、父親は怒って家から追い出す。預けられた修道院には、同じような境遇の女性がいっぱい。子供に会えるのは一日に1時間だけ。重労働の日々が続くが、それだけが生きがい。でも、その息子と引き裂かれてしまった。修道院では当時の記録は火事でなくなったと言われる。でも、子供を捜さないというフィルの誓約書は残っていた。近くのバーでは、あそこはアメリカの子供のいない金持ち夫婦に子供を売っていたと聞かされる。マーティンのジャーナリスト魂がだんだん騒ぎ出す。二人はワシントンへ行き、アンソニー・・マイケルを見つけるが、すでに亡くなっていた。大統領のそばで働くなど出世し、祖国アイルランドのことも忘れていなかったようで。ゲイであることを隠し、エイズで亡くなったが、病気とあらば仕方ない。ところが、パートナーの話では、アンソニーは母親のことを調べようと、修道院を訪ねていた。しかし修道院はフィル達に対してと同様彼にもウソをつき・・。しかもアンソニーは、彼の希望で修道院の墓地に葬られていた。で、振り出しに戻ってまた修道院へ。誰が悪いと一概には決めつけられないが、ウソの積み重ねにはやりきれないものを感じる。ビデオに残ったアンソニーの幸せそうな笑顔が救いか。彼は死期を悟って母親を捜し始めたのだろう。修道院での彼の顔には赤いものができている。エイズのせいだろう。死に顔(たぶん)は安らかで、見ていてせつないが、もう少しやつれているのでは?