宇宙戦争

宇宙戦争(1953)

古い方です。新しい方はまだ見てない。SF映画の佳作とか傑作とかいう評価にはびっくり。だって・・。主演はジーン・バリー。我々の年代だと「バークにまかせろ」。さすがに「バット・マスターソン」は知らない。けっこうみんなSFに出ているのよね、マックイーンとかレスリー・ニールセンとか。バリーは30歳くらいかな。若いな。こうして見るとハリソン・フォードにちょっと似てるな。まだ生きていて、新しい方の「宇宙戦争」にも出ていたらしい。他には知ってる人誰も出ていない・・と言うか、無名の俳優ばかり・・って批評にも書いてある。ウェルズの原作、ジョージ・パルの製作ってのが売り。火星人が地球侵略に来る。抵抗するけど歯が立たない。熱線で何でも消滅させられちゃう。今ならゴミ問題一挙解決なんだけど・・。で、決断して原爆使う(大統領全然出てこなくて軍がかってに決断してるぞ、いいのか?)。でも効果なし。よかったねえ・・だって効果ありとわかったら世界中で使う。火星人は撃退できても地球は汚染され、人類は滅ぶぜベイビー。例によって放射能には超楽天的。おまえら数年後には全員死ぬぞ~。浴びたのは死の灰、小麦粉じゃないぞ~。少し前の新聞に、インディ・ジョーンズが鉛を張った冷蔵庫に入って核爆発から助かるのは・・とか何とか書いてあったけど、いまだにそんなことやってるんだハリウッドは。女優の使い方は古めかしい。ぎゃあぎゃあ悲鳴上げるとか、バリー扮するフォレスター博士としっかり抱き合うとか。彼の腕の中で目を覚ますシーンなんて唇は口紅のCMみたいだし、目はうっとりうるんでいるし。目玉焼き作ってるし、人類壊滅の危機なんてどこ吹く風。宇宙船はよくできてるし、攻撃シーンもいい。でも単調なので、そのうちあきてくる。ろくろっ首みたいに伸びてくる三色目玉が不気味でいい。でも私はこれを見てケロロ軍曹連想しましたけど。宇宙船の赤い目玉から光線出すのもガンジャみたいでよかった。でも火星人は本体見せられるとあちゃーとなる。スーッと横切るカゲ、ラストの手だけで十分だったと思う。火星人の弱点を探り出そうとする科学者達の努力が、暴徒によって無に帰するという展開は思いがけなくて感心したが、その後は神様頼み。ラストも拍子抜け。今の客なら金返せって言うよ。

宇宙戦争(2005)

あの大震災があった時、私はちょうどこの原作読んでいた。テレビをつけたら津波の予想がメートル単位。また大げさな・・と思ったけど、今回だけは本当だった。本物の地震や津波・・その場にいたら何ができる?どこへ逃げる?家族は?次の日の朝は地震で飛び起きた。日本ではどこにいても地震からは逃れられないのだ・・とつくづく思った。リビアとかのニュース見て思う。日本じゃこんなの起こらない。いくら政府に不満あってもこんなことしない。だってこんなことしなくても地震はあるし津波は来る。台風や豪雪、火山の噴火。何で銃で殺し合う必要ある?いつ天災で命落とすかも、財産や家なくすかもしれないってのに。でもまあ・・映画の感想だ。でもまあ・・火星人より天災だな日本人の場合。私はこういう大作あまり見ない。私が見なくてもたくさんお客が入る。でもジャスティン・チャットウィンが出ていると知って。公開当時は見なくて「臨死」見た後これをレンタル。この当時上昇気流だったんだよな彼。でも「ドラゴンボール」以来見かけない。原作は100年以上も前に書かれたものだけどよくできてるし、こちらの映画も設定はだいぶ違うけどよくできてる。マシーンは、その大きさ、異様さ、ゆっくりした動き、恐ろしい光線・・どれをとってもすばらしい。フードのような部分、三本の足、触手、あっという間にはびこる赤い草・・皆原作通り。マシーンは人間の血を吸うが、原作だとあれは火星人の食料で。残酷?・・いや人間だって豚の血とか食料にするじゃん。レイ(トム・クルーズ)は離婚し、週末息子のロビー(チャットウィン)、娘のレイチェル(ダコタ・ファニング)を預かる。妻は再婚し、妊娠中。家の後ろには高速道路がそびえているが、これはもちろん後でマシーンに壊されるためだ。二人の子供はこの後逃げる時、お荷物にするためだ。レイ一人ならもっと楽に逃げられる。10歳のレイチェルは恐ろしく足手まといだ。ギャーギャーわめき、私はどうなるのトイレ行きたい食べたくない子守唄歌ってとまあホント張り倒したくなる。フェリーのシーンとかよくできてる。原作でも船が出てくる。あッ、原作ではイギリスが舞台ですよ。車の代わりに馬車。途中でティム・ロビンス扮するハーラン出てくるけど、ちょっとおかしくなってる。このキャラは原作の砲兵と副牧師を合わせた感じ。

宇宙戦争2

見ていて思うのは・・ワーワーギャーギャー騒ぎ、時には殺し合う彼らのバカさかげん。何とまあ無駄なことにエネルギー使い、落とさなくていい命落とすことか。たぶんあっちの人にとっては、しゃべらないこと身を潜めていることは死んでいることと同じなのだ。存在を主張してこそ生きていると言えるのだ。でも見つかって殺されたんじゃ何にもならん。レイはハーラン殺す必要なかった。そっと忍び寄ってポカリと殴り、しばっておけばよかった。しばるもの?レイチェルに目隠ししていたじゃん、あれ使えばいい。でも殺しちゃう。ほどよくってのがなくてすぐ極限まで針が振れる。通り過ぎる軍隊の横でレイとロビーが争ってるの見てどう思いました?どちらの気持ちもわかる・・とかそういうことじゃなくて。兵士達にも家族や恋人いるはずで。一緒にいたいはずで。でも任務のため行かなくちゃならない。そんな彼らのすぐそばでギャーギャーもめてるんですぜ。三人は自分達が兵士よりめぐまれてる、少なくとも家族一緒にいられるありがたさをわかってるのかね。自分はこうしたい、許さん、私はどうなるの・・てめーらいいかげんにしやがれッ!迫力のある映像とそつのない作りで、この映画は楽しめる。その一方で人間ドラマ部分は・・私には重い。どうしてここまで家族の中でさえ争うのかな。主食が肉!みたいなレイや、要求のかたまり(私には保護してもらう権利があるのッ!)みたいなレイチェルにくらべるとロビーは・・ふにゃ~何てかわいいの!あのキラキラした目!彼は高校生か。反抗期だろうがふてくされて一言もしゃべらないようなバカではない。妹の面倒をそれなりに見る。妻はレイの家で兄妹が同室なのを知って呆れるが、ロビーは気にしていない。クールぶってるのではなく、実際クールなのだ。それでいて若者らしく血気にはやるところも。彼は途中で父や妹と決別するが、その後ラストまで出てこないのでどんな目に会ったかは不明。それを描いていれば2時間じゃおさまらないから、別にいいのだが、見終わって物足りなく思う部分があるとすれば、後半のロビーの不在である。レイ達より先にボストンへ着けたのはもちろん彼が一人だったからだ!レイチェルというお荷物がいなかったからだ!ラスト、オリジナル版のジーン・バリーとアン・ロビンソンが妻の両親役でちょこっと出てくる。こういうサービスはうれしいね。

シン・宇宙戦争(2021)

他の二作と一緒にしていいのかな。H・G・ウェルズの小説が元だけど、火星・トリポッド・撃退方法が細菌・・残っているのはそれくらいか。知ってる俳優はトム・サイズモアくらい。もちろん期待なんかしてませんよ。ニューヨーク州のファルコン観測所。オリンポス山の噴火がどうのって、え?どこの?と思ったら火星らしい。ずっと火星を観測してきた天文学者アリソン(エミリー・キリアン)と、元軍人でISSにいたこともある兄のヘンリー(アンソニー・ジェンセン)。てことは元宇宙飛行士?火星から何かが噴出し、地球へ向かっている。冒頭ISSがその物体のために破壊されるが、おい、えらく早いじゃないか。火星から地球へそんなに早く来れるわけないじゃないか。早速やって来たのが空軍のリード大将(サイズモア)と、ハリス中尉。データベースを公開しろ、いやだめだの押し問答。昔から科学者と軍人は意見が合わないと決まっとる。ここらへんまでで、どういう映画なのかわかる。いや、見る前からわかってるんだけどさ。登場人物は少なく、多くをセリフですませる。人物だけとってまわりをうつさない。お金がないんだから仕方ないけど、演技のへたなのがいて、それがハリス中尉。見ていていたたまれなくなる。他に誰もいなかったんかい!宇宙軍とか言ってるので、おお地球でも防衛のためそういうのが作られているのか、あの宇宙船がそうなのか、そうすると時代設定は近未来か・・なんて思ってたら、あれが火星から来た宇宙船でした、あらそう。ここはロックフェラー州立公園らしい。他の国には来てなくて、アメリカだけ。どの交信にも答えないので、いつでも攻撃できるよう準備。出てきたのは・・本人がいきなり出てきたけど、パッと引っ込む。普通は偵察用機器とか出して、大気とか重力とか順応できるかどうか調べるはずだが、おっちょこちょいめ。まああんまり見せるとボロが出るからね。この宇宙船が先発隊で、後からまた来る。そこから出てくるのがトリポッド。強力なレーザー武器での攻撃と、シールドでの防御のため、人類側はたちまち苦戦。途中でポコッと舞台が医療センターに変わる。ジュニーが脚をケガして、父親マークが付き添っている。アリソンの妹かなと思ったら、よくわからないがマークの後妻にアリソンがなるのか。この年頃にはよくあることだけど、ジュニーは父の再婚をあまりよく思っていないのか。

シン・宇宙戦争2

と言うか、そんなどうでもいい人間関係つけるなよ。ケガだって階段の手すりを滑り降りて・・というアホなことやったせい。さてヘンリーはじっとしてられなくて現場へ。でも軍隊みんなやられちゃったので、観測所へ戻ることに。途中男に車を奪われそうになってた姉妹を助け、乗せてもらう。アリソンは祖父の農場へマークとジュニーを連れていき、そこを仮の研究所にするつもりだったが、思い直して観測所へ戻る。医療センターの場面でもうつるのはマークとジュニーだけで、他はうつらない(節約節約)。だけどマークだって車持ってるだろうに、何でアリソンが送迎しなくちゃならないの?いちおう避難で渋滞する道路がうつるが、毎日の通勤ラッシュの映像だってわかるから別に・・。その間にも火星人の正体や目的についてあれこれ説明・憶測される。フロンを発生させ、オゾンを破壊、大気中の窒素を減少させ、酸素を多くする。それに点火すれば海水は蒸発し、地球は一気に砂漠に。てことは彼らは水を必要としないの?アリソンは途中でクリスという男に出会う。旅客機の中で一息つくが、トリポッドがそばにいて動けず、夜を明かすことに。このトリポッドと旅客機の構図はなかなかよろし。あとほめるとしたらアリソン、ジュニー、姉妹のうちの姉レベッカがなかなか美人なこと。この映画若い女性ばかり出てきて、若い男性は不作。ホールラン軍曹が出てきて、この人もあまりうまくないけどハリスに比べればマシ。でもすぐ退場。クリスは整備士で旅客機直してトリポッドに体当たり。でもチョボッて感じで吸い上げられて食べられちゃった。そう、火星人は人間を食べるのです。人間はいろんな細菌持ってるはずだが・・。ヘンリーは姉妹と別れ、兄妹は再び観測所で再会。敵の弱点は何かと調べる。で、レンサ球菌だ・・となる。何で天文台に12種の細菌株があるのか・・なんて突っ込んではいけない。常備してあるんです!!で、培養して増やす。天文台のレーザー使って一機やっつけ、アリソンが中に入って彼らの武器である毒ガス噴霧器に菌を入れ、プシュ~とまく。あんなにあっという間にやつらがやられるとはとうてい思えないが(シールドはどうした?)、お金もなくなったことだし、ここらへんでハッピーエンドにしときましょうという感じでエンド。やれやれどうしてこういう映画見てしまうんでしょう私。