嵐の夜の惨劇

嵐の夜の惨劇

これはわりとよくできていたと思う。嵐の夜、一人ぼっち、家の中に誰かいる・・まあよくあるスリラー。場所は限定され、登場人物は少ない。そのせいか、わりとよく覚えている。とは言え日本では感想書いてる人はほとんどいなくて、IMDbとかを頼るしかない。でも例によって翻訳が・・。エリザベス・モンゴメリーと言えば「奥様は魔女」。シリーズ終了後はそのイメージから脱却するのがさぞ大変だったろう。私がこれを見たのはたぶんジョージ・マハリス目当て。すでに「ジグザグ」を見てファンになっていたはずだから。ケイト(モンゴメリー)の妹スーザン(ジェス・ウォルトン)は夫婦仲が悪く、離婚を考えているらしい。姉妹は金持ちらしく、ケイトは独身か。この頃のモンゴメリーは30代後半だが、金髪で目が丸くてスタイルがいい。ちょっとメグ・ライアンに似ている。スーザンがいるのは別荘らしいが、扉が音もなく開いたり閉じたり。誰かの視点でうつされたり。あ、「らしい」とか「ようだ」と言った表現が多くなるのは許してたもれ。1972年製作で、日本放映は74年。まだビデオもなく、録画して残しておくというわけにもいかない。途中からスーザンと連絡が取れなくなってしまったケイト。別荘に着いた頃には嵐になってる。妹の姿はなく、ケイトは不安になる。何度か地下室がうつるが、スーザンはもう殺されてトランクか何かに入れられている。今考えると、早々に死体見せちゃってるなとなるが、当時は十分怖かった。ずっと一人芝居というわけにもいかないので、スーザンの友人エディスが電話をかけてくる。エディス役はスー・アン・ランドン。昔はラングドンと表記していたが。ちなみに私は以前スーザン・サランドンとスー・アン・ラングドンは表記が違うだけで同一人物だと思い込んでいた。ジョー・アン・プフルーグとジョー・アン・フラッグみたいに・・って誰も知らんてば!他に家政婦のホークス役でアイリーン・ヘッカート。「悪い種子」に出ていた人。よくわからんのだが、彼女はスーザンに解雇されたのに、しらばっくれてまだ仕事続けようとしているのか。どうせケイトは知らないし。それがエディスとの会話でわかって、ケイトが怒るのかな。ホークスはスーザンが別荘に来たことを知ってるし、おそらくベン(マハリス)がいるのも。でも彼女はベンの味方で。たぶん姉妹には好意持ってない。彼女のキャラはなかなか興味深い。

嵐の夜の惨劇2

さて、別荘と言っても広いからあっちへ行ったりこっちへ行ったり。地下室、ガレージも。ワンルームじゃそうはいかない。途中で警官が二人来る。電話が通じなくなったため、エディスが心配して様子を見に行くよう頼んだらしい。この頃には地下室の死体はなくなっている。一度はいなくなったホークスがまた来たのは、パトカーでも見かけたからか。二人でヒューズを調べに行くが、ケイトはホークスを疑い出す。電気を切ったのはあなたね!出てって!いや、ホント、ホークスから見れば雇い主でもないのに命令されて、頭くるだろうなあ。ホークスは確かに扱いにくい性格だけど、ケイトの(そしてたぶんスーザンも)態度はほめられたもんじゃないね。たぶんベンだけはいつも彼女に親切に接していたんじゃないかな。だから彼女はベンに同情していたんじゃないのかな。ベンが出てくるのは、かなり後になってから。離婚の原因は事業の失敗とか?今離婚されると困るとか?たぶん失踪に見せかけたかったんだろうけど、嵐のせいで運び出せなくなったとか?ケイトが到着するまで時間はあっただろうに。ケイトの方はスーザンの車は残ってるし、鍵とか置いたままだし、不安がつのる。ベンは何か問題抱えているようだし、ハイウェイが通行止めになったはずなのに、どうしてここへ来れたのか。彼への疑惑が決定的になったのは、外に見回りに行かせた時。電話線が切れてるのに、調べもせず通り過ぎた!と言うか、ケイトは電話線が切れてるのに今気づいたの?ベンもベンだ。ケイトに見られてるとは思わないのかね。と言うか、ケイトのことどうするつもりだったのかね。と言うか、そもそもここへ来たのはスーザンを殺すと決めて?それとも説得しようとして断られ、はずみで?スキを見てスーザンの車で逃げようとしたケイトは、後部に死体が転がっているのを見て驚愕する。車を止めようとしたベンは・・。この時のベンの表情は覚えている。ゆがんだ、泣きそうな顔。車と木(?)にはさまれて死んだのかな・・と思ったら、生きていた。でもケイトの方は妹の死体ゴロ~ンと、ベンを死なせるところだったこととのダブルショックで、目はうつろ、虚脱状態。これがラストシーン。実は・・という説明部分はゼロ。まあ、潔いと言えないこともない。モンゴメリーは1995年にガンで62歳という若さで亡くなったが、この作品は彼女の代表作と言ってもいいと思う。