ウェズリー・スナイプス コンタクト

ウェズリー・スナイプス コンタクト

これを見る気になったのはウェズリー・スナイプスが出ているから。彼を見るのはずいぶん久しぶりな気がする。彼もエイリアンと戦う時代になったのか。まあ吸血鬼と戦っていたのだから別におかしくもないけど。冒頭部分はよくある流れ。若者数人が楽しい休暇を過ごしに。給油で立ち寄った時、早くも不吉なきざしが・・。ここらへん「シャーク・ナイト」に似ている。途中で一人が宇宙船に吸い上げられてしまう。おやおや「スカイライン-征服-」みたいだぞ。でもまあ・・最初から書こう。冒頭の宇宙の部分は、もっと後に入れた方がよかった気も。その後は上にも書いたが若者達数人。行き先はカラの別荘だ。たぶん彼女の家は裕福なのだろう。彼女には母親から何度も電話がかかってくる。過干渉というやつだ。でも彼女は従順に電話を返す。カラとロブは恋人どうし。だから思いっきりイチャイチャできるチャンスだ。ブレンダンはよくいるカメラマニア。うつすのに忙しいから恋人なんかいらない。その、うつすの中には自分も含まれる。自分をながめていりゃ幸せ。そうなると残りはチャーリーとアニーだ。アニーはハンサムなチャーリーに興味を持つ。彼は他の男と違って浮ついたところがなく、無口で何やら考え込んでいる。ケータイの待ち受けにうつっているかわいい女性は恋人かしら。と言って彼女にもプライドはあるから、拒否されればそれ以上は踏み込まない。一人でひたってれば?給油所でブレンダンは変な男に怖い思いをさせられる。男のトラックの荷台には血が・・。それに興味持ったせいで。狩りの獲物って想像つくだろうに。さて、別荘に着き、気をきかしてカラとロブを二人きりにしてやる。三人は森の中で小屋を見つける。小屋は空き家のはずだが、誰か住んでいそう。まわりに動物の皮がずらっと干してあるのだから、空き家のわけないんだけど、三人は中に。軍用の無線があって、壁にはあの男の写真。まずいことに当人が帰ってきちゃった!大急ぎで逃げ出し、別荘へ逃げ帰る。小屋で、アニーが喘息持ちなのが判明する。その頃空には妙な雲が・・。遠く離れた軍事施設では何やら会議。囚人服を着たロマノヴィッチが連れてこられる。ここらへんの、会話ですませるというのが、いかにも金の節約って感じ。別荘ではあれこれあるが、あんまり頭のよくない若者達がウロウロモタモタしているだけなので、見ているのがしんどい。

ウェズリー・スナイプス コンタクト2

結局彼らが主役で、スナイプスは脇役なのだとわかってくる。映画の前半では男・・ハンターの正体が不明で、若者達にはエイリアンよりも彼の方がよっぽど脅威に思える。ロブが銃を持ち出したせいで、いっそう事態は悪化する。誤ってカラを撃ってしまい、死なせてしまう。ブレンダンはトラバサミのせいで負傷。しかしこの頃からハンターの背景がわかり始める。彼は宇宙飛行士だったが、エイリアンに拉致されてしまう。48時間の空白はあとになって次第に・・記憶が戻り始める。人間はエイリアンの実験動物なのだ。大昔、猿から人類を生み出したように、今度は人類からもっと新しいもの・・新人類を生み出すのだ。でもその話をしても誰も信じてはくれなかった。同じ体験をしたロマノヴィッチはつかまって囚人として生かされている。ハンターは追跡の手を逃れ、この森で生き延びているのだろう。それ以外の者はたぶん殺されたのだろう。人類のやることは決まっている。自分達を脅かす存在は消してしまわなければ。今、黒雲にまぎれて宇宙船が姿を現わし、ロブやブレンダンを吸い上げてしまう。アニーにとっては、無線で要請した救助隊の到着だけが頼みの綱だ。もちろんこのことはハンターには言ってない。話だけ聞いていると、彼は頭がおかしいとしか思えない。見ていて興味深いのは、宇宙船やエイリアンの存在よりも、ハンターの存在の方が彼らにとっては恐怖なことだ。普通なら逆だと思うが、あまりにも日常とかけ離れた事柄は、恐怖の対象にはならないってことか。狂った人間の言動の方が、理解できるぶん恐怖が増す。途中で、チャーリーのつらい過去がわかる。お約束の告白タイムだ。彼が居眠り運転をしたせいで事故が起き、恋人レイチェルが死んでしまった。しかしチャーリーとアニーも宇宙船に吸い上げられてしまう。ここらへんはモロ「スカイライン」。生き残るのが確実な二人が・・見ている者の予想を裏切る驚きの展開。「スカイライン」の方はドロドロのグッチョグチョ、泥んこプロレスみたいなシーンに突入したけど、こちらは・・。この、宇宙船の中に入ってからの描写もあるってのが、最近の傾向かな。「エンカウンター」もそうだったし。外観とか武器とかの描写と違い、内部を描くってのは難しいと思うんだよな。エイリアンが何を考えているのか表わさなきゃならなくなる。

ウェズリー・スナイプス コンタクト3

まだつかまったばかりのチャーリーは、何もされていなくて比較的自由に動けるけど、他の連中は・・。彼の頭にあるのはアニーのことだけ。でも見つけたのはブレンダン。吊り下げられていて、下半身が変なふうになってる。次のロブはお風呂(違うって!)に浸かってる。で、やっぱり下半身が・・。アニーは大丈夫だろうか。やれうれしや間に合ったかと喜んだが・・背中から。あ~手遅れだったか。こんなの見せられたら普通気分が悪くなっちゃうよな。そのうち自分もああなるかもしれないんだから。エイリアンの方は赤いクラゲみたいなのがフワフワ漂うってのはあったけど、ここで人間ぽい形のが出てくる。これが実験者ってことですかね。チャーリーはナイフで刺したりするけど、倒したのかな?そんなことすれば向こうは怒ってひどい目にあわせると思うけど、出てきたのはレイチェル。もういいのよみたいなこと言って、彼を苦しめている記憶を和らげる。その一方で拷問みたいなこともするし、ようわからん。でも向こうはエイリアン。人間の考え方と違っていて当然。朝になると皆何事もなかったように目を覚ます。皮膚に妙な模様があるのは何かされた証拠だが、何をされたのかはよくわからない。ただ、死んだはずのカラがいるし、チャーリーは自信にあふれ、アニーは喘息を忘れ、ブレンダンの足は治っている。宇宙船は去り、拉致されていた人々が戻るが、彼らを待っているのは死である。五人も途中で止められ、撃たれるが、彼らを援護してくれたのは、あのハンターだった。もっとも今の五人は、撃たれてもしばらくすれば傷が治り、生き返るのだが・・。ハンターの行動はよくわからない。エイリアンを憎んで、来襲に備えているが、自分と同じ新人類を守るためには人間達を殺す。まあエイリアンだって特殊な能力を授けてくれるんだから、これなら拉致希望者が増えそう。ある種の電波か何かで操るという下心もありそうだけど。というわけで、わけのわからん映画なのは確かだけど、スナイプスが脇役なのは期待はずれだけど、見終わってさほどがっかりもしなかった。自分でも意外だけど何だかスカッとした。チャラチャラした連中が、一晩で生まれ変わった。一番印象的なのは、母親からの電話を無視するカラ。きのうまでのカラはもういない。スナイプスは半分イッちゃってるようなキャラを楽しそうに演じていた。チャーリー役ジェディダイア・グッドエイカーはハンサムだけど、口がいつも三角形に半開きなのが残念。