アイアンマンシリーズ

アイアンマン

公開二週目平日午前、お客は五人。アメリカでは大ヒットしたけど日本では・・。私のお目当てはロバート・ダウニー・Jr。彼がこんな役をやるなんて。最近多いなケイジの「ゴーストライダー」、ノートンの「インクレディブル・ハルク」、そしてこれ。みんなすばらしい!「アイアンマン」のことは知らないし、興味もない。でもダウニーの演技見ているだけで幸せ。ちょっと年がいっていて、若者にくらべれば体力は落ちるけど、老人よりはがんばりがきく。人生経験豊富。家族等のしがらみがないから思いきったことができる。トニー・スターク(ダウニー)は兵器作って大儲け。私生活では美女をとっかえひっかえ。ギャンブルも大好き。天才的な頭脳を持ちハンサム。でもある日突然目が覚める。よくある話。ろくな材料ないのにアイアンマンスーツ、トンテンカンと作っちゃう。パートナー(ジェフ・ブリッジス)の悪だくみを知り、クライマックスでは二体のアイアンマンが激突。ここらへんはまたかよという感じ。そこへ行くまでは、ありえない話ながらもきっちり作ってある。私が一番うれしかったのはトニーの豪邸。だって「サンダーバード」のトレーシー邸みたいなんだもんウヒ。どうせならプールも見せて欲しかった。ジェフはトニーと同じくらいの大富豪だと思う。話を戻して・・見終わって何も残らない映画なのは確か。自分の使命に目覚めた・・次にやることは・・とかいちおう描写されるけど、それが重要なことに思えない。伝わってくるのはダウニーの演技の幅の広さ、厚み。黒々とした目に力がある。信念を持ってからはいっそうどっしりとすわってくる。ヒゲもいい。知性や経験がにじみ出てヒゲになったという感じ。ヒゲにすら力を感じる。他の出演はテレンス・ハワード、グウィネス・パルトロウ。グウィネスは秘書ペッパー役。貧相で華がないけど、ダウニーが濃いから彼女のうすさでちょうどいい。トニーが関係を持つ女性記者のようなタイプがヒロインだと、人間関係がくどくなる。ペッパーはトニーの秘書ならあんなヒマそうな描写ではなく、あたふたきりきりまいしながらもクールに取りすますとか、もうちょっと何とか・・。珍しくエンドクレジットの後にも続きがありますとか親切な(余計な)テロップが出る。でも別に大したものじゃない。サミュエル・L・ジャクソンはデヴィッド(「ジャンパー」の)追うのに忙しいんじゃなかったの?

アイアンマン2

平日昼間、お客は九人。シネコンは閑散としている。新聞には一作目のような深みがないと書いてあったが、確かに浮かれた気分が漂う。アイアンマンのおかげで東西勢力の均衡が保たれ、スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は一年もエキスポ開催するし、ふらりと休暇でモナコへ行き、グランプリに出たりやりたい放題。その一方でアイアンマンスーツは兵器だから軍に寄こせだの、彼に恨みつのらせているロシアのイワン(ミッキー・ローク)だの暗い話題も。それに何よりもスターク自身体調が悪い。そういったいくつかのことが同時進行で、だれることなく展開していき、クライマックスはボカボカボンボン破壊しまくり、まわりは大迷惑だけどなぜか勲章もらって、秘書のペッパー(グウィネス・パルトロウ)と結ばれる。長いエンドロールの後はもちろん次へ続くシーンがちょこっと。お客九人のうち出て行ったのは一人、残りの八人はちゃんと最後まで見ていた。まあ見逃したってどうってことないけど。途中で重要でもない人物が配置換えになるとかわざとらしく言っていて・・そしたら案の定。あんまりお客に(次を)目くばせするのもいやみ。ダウニーは役になりきっていて演技は自由自在。逆にパルトロウは堅実な感じ。ペッパーは社長職を譲られ、奮闘する。山積みの難問を一つ一つねばり強くかたづけていく。パルトロウ自身そういう性格なのでは?才気煥発で器用と言うより忍耐強いタイプ。彼女だけでは華が足りないのでスカーレット・ヨハンソンも出てくる。どんくさい感じのする彼女だが、ここでは思いがけなくキレのいいアクション見せる。見せ方は例によって細切れでチャカチャカ落ち着きがなく、俳優の努力信用してないが。登場した時はてっきり敵のスパイでスタークを誘惑・・と思わせるが、そういうの全くなし。きびきびと有能な仕事ぶり。嫌っていたペッパーもいつの間にか彼女を頼りにし・・。テレンス・ハワードがドン・チードルに交代したのは全然気がつかなかった。それくらいこの映画に溶け込んでいる。サム・ロックウェルは・・こういう感じの人なのね。「月に囚われた男」を見てみたいのだが当分無理そう。「銀河ヒッチハイク・ガイド」にも出ていたがわたしゃてっきりベン・スティラーだと。ロークは貫録があって、浮かれがちの映画を引き締めていた。・・まあ、ちょっと貧乏くさいかな。

アイアンマン3

「アベンジャーズ」はまだ見ていないので、よくわからないところもあるが、まああんまり関係ないか。もう半分惰性で見ているようなものだし。スタークが精神的にまいっているってのがまずあって、そこから抜け出すと。アイアンマン・スーツも卒業・・えッそうなの?しっかり作ってあって・・このしっかりというのは筋の通ったストーリーということではなくて、特撮やセットにお金かかってるということだけど。ストーリーの方はぶっ飛ばしているので、何が何だかよくわからない。ペッパーとキリアンの関係とかハーレー少年の境遇とか大統領のもみ消しとか。時間が長いわりには深くやらない。とにかく猛スピード、とにかく物量作戦で押しまくる。私にはアイアンマン・スーツがなぜあんなにたくさんあるのか、それすらわからない。ラスト近くの花火は・・スーツが自爆してるの?いや別にいいんですけどさどうだって。で、しっかりしていることの二番目は出演者。ロバート・ダウニー・ジュニアは、この役がもう普段着みたいになってる。アクションとかかなりきついと思うけど、でも自分の動き、体の一部になってる。グウィネス・パルトロウもアイアンウーマンになったり、高熱女になったり。その一方でスレンダーな体形は変わらず、白いスーツが清楚。マヤとの会話シーンでもわかるが、同性にも好意を持たれるタイプ。マヤ役レベッカ・ホールは目が大きく、口のあたりやしゃべり方がもったりしてるのが特徴。キリアン役ガイ・ピアースはかなりがんばっていたと思う。クライマックスではたくましい上半身も披露。最初悪役はベン・キングズレーだと思っていたのよ。でも途中でもしかしてこのマンダリンって実在しなくて映像?って思い始めたのよ。そしたら実在はするけど、ただの役者だとわかって。キリアン達が人を殺していたなんてとか言ってたけど、自分の手で公開処刑してなかった?黒幕の副大統領がミゲル・ファーラー。もっと活躍して欲しかったな。他にドン・チードル。両親が失踪して一人暮らしらしいハーレー少年はかわいらしかった。でもラスト、スタークからのりっぱな設備の贈り物に喜んでいたけど、両親を見つけるとかじゃなく、金で揃えられるものなのか・・と思ってしまった。エンドクレジットの後でマーク・ラファロが出てくる。ブルース・バナーということで、ハルクか?