インターメディオ

インターメディオ

スティーヴ・レイルズバックが出ているというので、DVD買った。レンタルして、まず出来を調べてからとか、そういう手順踏まず、いきなり買ったのは、エドワード・ファーロングが出ていたからでしょう。例によってDVDカバー写真にだまされました。決してはみ出たおなかの見える写真なんて載せません。魅力的な顔の部分だけ。まあ確かに顔だけはまだ何とかなっていて・・。やせ始めたところなのか、これから太り始めるところなのか、よくわかりませんけど、おなかは確実に来てます。ぷよんぽよんの赤信号。一回目見た時は、内容よくわからなくて。今回が二度目。オープニングは赤茶けたトーンで、いかにも映像処理してますムード。たぶんアメリカとメキシコの国境近く。トラックには二人の男と幼い子供。男の子と女の子で、父親達の仕事がすむのを、大人しく待ってる。この二人はなかなかかわいい。後でもう一人男の子が出てくるが、この子もかわいい。女の子の父親はなかなかのハンサム。男の子の父親は太り気味で、ファーロングに合わせたのか。彼らはメキシコ人の男に金を渡して(仲介料?)、地下へ。そこは広い洞窟になっていて、麻薬の取引に使われているらしい。別にわざわざもぐらんでも・・。父親達はそこで何かに襲われ、それっきり出て来なかった。18年後・・子供二人は成長。マリク(ファーロング)とジェン(セリナ・ヴィンセント)・・なぜか一緒に暮らしてる。同棲かと思ったら、マリクにはバービー(アンバー・ベンソン)、ジェンにはウェス(カラード・ハリス)という恋人がいる。じゃあこの二人は兄妹?でもラストでは結ばれてたから・・幼なじみで、恋愛感情は今のところなく、兄妹のような感じで、単に節約のために一緒に暮らしている?別にここらへんあいまいなまま話進める必要ないと思うが。二人の母親のことも、どうやって育ったのかも不明。マリクとウェスは麻薬の売人らしいが、女性二人の方は何してるのか不明。ある日ウェスが儲け話を持ってくる。おじのカルロスの部屋で見つけた地図。どうやら洞窟の中ででっかい取引をやるらしい。ブツは100ポンド、アメリカ側で捌けば6万ドルにはなる。カルロスが誰なのか、だいぶ後までわからなかった。そのうち例のメキシコ人だとわかったけど、最初は結びつかなかった。ウェスはどう見たって白人で、メキシコ人の血はまじってなさそう。義理のおじさんってか?

インターメディオ2

マリクとジェンもそうだけど、人物関係の描写が不十分。名前のわからないキャラも何人か。マリクはこの取引にはあまり気が乗らない。しかしジェンの方は、取引場所が洞窟と聞くと、運命・チャンスととらえる。父親がどうなったのか知りたい。自分達は捨てられたのか、それとも何かトラブルに巻き込まれたのか。18年前、あの洞窟は調べられなかったのかな。警察に届け出ると、取引場所に使ってることがばれてしまうから、カルロスは黙ってた?子供二人が幼いのをいいことに、父親達が別の場所で失踪したように見せかけた?たぶん一番の理由は、謎の男(レイルズバック)が怖かったからだろうけど。こういうのあいまいなまま話進めていくのって手抜き。ウェスによると、洞窟にはインターメディオがいるらしい。メキシコの伝説で、生者と死者の中間にいる者。どこにも行き場がないので、怒っていて、生きている者を殺そうとするとか何とか。人が死ぬ時、その血を手に入れると、自分は永遠に守られ、死者を操ることができるとか何とか。何でウェスがこんなこと知ってる?頭悪そうなのに・・と不思議だったが、カルロスがおじとなれば、いろいろ伝説を聞いているのかも。どうも彼は子供の頃から、カルロスの家の窓からいろいろ見ていたらしい。男達が車でやってきて、地下へもぐったまま出て来ない。でも子供だからその理由が思いつかないまま今日まで来て、とうとう自分も入ってしまいましたとさ。ウェス役ハリスはすらりとしていて、なかなかの美形。背が低く、おなかぽっこりのメタボファーロングは分が悪い。でも、ウェスはバカですから。ホント、頭空っぽノータリン。マリクはどちらかと言うと慎重な方。ややのん気な感じ。ジェンとバービーはケンカばかりしている。不思議なことに、マリクとジェンが一緒に住んでいることには、バービーもウェスも何も感じないようで。アホのウェスはともかく、バービーの方は普通嫉妬するはずだが。彼女は転んだとかで、足を骨折・・松葉杖状態。普通そんな状態なら洞窟へ入ったりしないが・・。単なる探検ならともかく、麻薬の取引だぞ。危険だと思わないのかね。ジェンに嫉妬していて、仲間はずれは嫌、マリクと何かあったら嫌、だから私も行く!・・というのならわかるが。まあこの連中・・ワーワーギャーギャーうるさい。ふざけたりケンカしたり文句ブーブー言ったり。

インターメディオ3

洞窟の中に入るってのにろくな装備もなし。みんなTシャツとか軽装で・・普通中は寒いと思うが・・。ジェンはなぜか銃を持っているが、理由は不明。彼女も売人だとは思えんが・・。その頃地上にいたカルロスはなぜか殺される。洞窟の中に張りめぐらされている電球も、なぜか割られる。だって・・今回でやめようと思ってるのならともかく、これからも入ってきた連中襲うつもりなら、電球は壊さないでしょ。普通ならカルロスは、もうこれ以上協力するのはごめんだとか、甥の命まで奪わないでくれとか、何かしら抵抗すると思うんだけど。それで、そうかじゃあおまえはもう用ずみだ・・とか言って、それで殺すっていうふうにするでしょ?洞窟内や、カルロスの隠れ家でのあれこれは、お化け屋敷みたいな感じ。明かりがチラチラしたり、さっと影が横切ったり、扉を開けると幽霊がいたり、後ろに誰かついてくるとか。まあそういうのは別にいい。単調なくり返し、広がらない空間ではあるものの、飽きさせないよう(見ている人の大半は飽きてるだろうけど)工夫していると思う。麻薬や残酷描写のせいでR指定だが、お色気シーンはほとんどなし。何しろ本来なら洞窟でマリクを誘惑するはずのバービーは、松葉杖だ。両手がふさがってるし、立ってるのがやっとじゃ、誘惑どころじゃない。できることと言えばヒスを起こし、わめき、みんなのお荷物になることだけ。だから彼女はウェスと同じくらい嫌なキャラなんだけど、二回目のせいか、ところどころで気の毒な気もした。ジェンが彼女に比べて格段に性格がよいとか、そういうのでないせいもある。ジェンのキャラはややあいまい。はっきりしているのは、マリクに比べて父親がどうなったのか知りたい気持ちが強いこと。でも、今までだって洞窟に入るチャンスはいくらでもあったはず。何も麻薬取引にかこつけて調べに行かなくたって。それに彼女の性格から言うと、カルロスに何度も食い下がったはずだが。ところで取引にはそれなりの・・ブツを買い取る金が必要なはずだが、どうやって工面した?今住んでいるところ、ファームハウスを売り払ったとか?相手に金だけ・・いや、悪くすると命まで奪われかねないが、全然心配してないな。相手は反対側の入口から入ってくるのだそうで、ラスト、カルロス側の入口封印してたけど、反対側が開いてるのでは何にもならないのでは?

インターメディオ4

えーと・・何を書こうとしてたんだっけ・・ああ、そうそう、何とか工夫が感じられるけどってことだけど、CGに関しては全然だめです。救いようがないほどひどい。今時こんな稚拙な、どうしようもないCG出してくるなんて信じられない。コマ落としとか、画面ゆらすとか、チカチカストロボみたいな感じにするとか、いろいろやるけど、何が何やらさっぱりわからない。ちゃんと見せるとボロが出る。ちゃんと見せなくてもボロが出る。彼らがいったい何なのか・・大昔からのメキシコの伝説と言うからには、メキシコ人の霊のはずだが、そうは見えん。中には謎の男のせいで命落とした連中もまじっているのか。さて、マリク達が出会った取引相手のうちの一人は、わりとまともな・・ノーマルな映画でノーマルな役もできそうなタイプだ。この二人とウェス、バービーの四人は命落とす。バービーは体がまっぷたつになってたけど、下半身はどこへ行った?そのうち洞窟からカルロスの隠れ家に舞台が移るけど、出入口も窓もふさいであるので、外へ出られない。でも閉鎖空間のように見えて部屋はいくつかあるし、床下への扉も見つかる。そこを這って別の部屋へ行くと、死体がいっぱい。ウェス達の他にもいるし、骨もある。彼らの父親達も?寒いからチルド状態らしい。おまけに防腐剤の臭いも。ホルムアルデヒドって・・こんなところにいたら頭痛くなるのでは?まあこの死体だらけの部屋ってのは、いいアイデア。マリクは謎の男が入って来ないよう、ドアの前に死体でバリケードを築こうとする。ジェンは呆れるけど、「何が正しいのかわからない」と、やめようとしない。死体だらけの部屋・・現実とは思えない悪夢のような出来事の連続・・でも、生き延びるためには何でもいいからやるぞ・・という感じで印象に残った。だって泣いたり絶望していたって何にもならないからね。まあ出たり入ったり・・そのくり返しです。途中で彼ら以外の少年が突然うつって、ちょっとびっくりする。洞窟内を移動する時、一番後ろについていて、まるでドリフのコントだ。「しむら~うしろうしろ~!」思わず画面に向かって言いそうになる(「全員集合」世代)。彼も伝説の一つで、”キッド”と呼ばれているらしい。インターメディオと違い、味方のような感じだけど、はっきりしない。マリクとジェンは、隠れ家の一室の壁に新聞の切り抜き・・どれも同じ記事・・が貼られているのに気づく。

インターメディオ5

後で謎の男の言うことと合わせて考えてみると・・あの少年のような幽霊は、男の息子ジー(ポール・クラム)。ちゃんと育てたはずなのに・・女に入れあげ、麻薬の売人に。男は尻軽女のせいだ、麻薬のせいだと思いつめる。息子はジャンキーに殺されたと言いつつ、男が自分で殺すシーンが出てくる。悪いのはみんな他人のせいという、よくあるタイプ。その後もここで取引しようとやってくる連中を殺しまくる。血を入れる容器のついたネックレスは、元々は息子のもののようだ。彼は今のマリク達より年下だが、麻薬だの女だのともういっぱしの悪党で、末恐ろしい。でも見かけは子供っぽいし、ひ弱な感じ。そこはよかったと思う。新聞に出たくらいだから、ジーの死体はちゃんと埋葬されたのか。魂だけが成仏できず、洞窟内をさまよっているのか。事件そのものがいつ起こったかは不明。18年以上前なのは確かだが、その後今日まで二人の間には何もなかったのか。つまりジーは犠牲者が出るのを食い止められず、父親は息子の幽霊には何もできず?インターメディオを操ってもだめ?ジーは生きてる時は父親と同じことやってた?インターメディオ操って売人殺してた?それともネックレスで自分の身を守るだけだった?そもそもどこで手に入れた?いえ、別にいいんですよ、どうだって。頭を整理するためにぐだぐだ書いてるだけです。この映画は、これだけのことを説明せずにすませた・・と。あまりにも手抜きだらけなので、かえって感心し、不思議でたまらない。こんないいかげんな内容でも映画はできちゃうんだ。何を言いたかったのか、何のために作ったのか。お金があったから仕方なく・・じゃないよね!ファーロングは普通とデブとのインターメディオだな。あれで10キロくらい体しぼっていれば・・何とか見れたと思うよ。ほとんど洞窟の中だから、背が低いのも目立たない。まあ・・大変な役なのよ。狭いところ通り抜けたり、這いずり回ったり、外へ出ようと体当たりしたり。死体でバリケード作ったり、どなったりわめいたり。で、見ながら思うわけ。少しはやせた?それともおなかがすいてごはんがおいしくて逆に太っちゃった?ファンは待っているんですよ。私はファンと言うほどではないけれど、応援はしているんです。いつかきっとその日が来る。

インターメディオ6

・・主演映画が大ヒットする・・なんて、そんな大それたことじゃないんです。10キロ、いえ5キロ、ううん3キロでもいいからやせなさい!映画のヒットは時の運だけど、減量は自分の意志でできる!今なら間に合う、年取ってからじゃ手遅れ・・あら?話がそれたぞ。マリクとジェンはやっと外へ出ることができる。でも車のキーがない。で、カルロスを捜すんだけど、いたのは見知らぬ男。すでにカルロスは殺されていて。マリク達はこの男が自分達を追い回している張本人だと気づかない。車に乗せてもらってホッと一息つくけど・・。ジェンは缶・・コーラか何かもらって飲むけど、薬が入っていて眠ってしまう。でもプルトップ持ち上げて開けて、なかみがシュワーと出てたから、薬は中には入ってないってことよね。缶の飲み口のところに塗ってあった?で、男が正体あらわして、また逆戻り。もうそろそろ終わりにしようよ~という、視聴者のうんざり声が聞こえてきそう。で、クライマックスになるはずなんだけど、ここでまた作り手の想像力のなさ、予算のなさがはっきりするわけ。男がインターメディオだの、ジェンの父親の幽霊だのにやられて・・でもはっきりしない、あいまい、不明。ま、今更期待しませんけど。男がツルハシだかを投げて、ジェンが後ろに反ってかわすという、「マトリックス」もどきのシーンもある。たぶんここで視聴者を爆笑させようという魂胆か?DVD買ったのはレイルズバック目当てだけど、若くて未熟な連中がぞろぞろ出てきて学芸会やってる中で、さすがはレイルズバック、彼だけは名演技、いぶし銀のような存在感とか、そんなこと言う気はないの。あまりにも表面的な、薄っぺらいキャラだし。彼自身幽霊みたいな存在なのは、「レストストップ2」を連想するけど、あそこまでのインパクトはなし。洞窟の中をウロウロしている、何をしたいのか今いちはっきりしないという点では、「キング・オブ・ロストワールド」に近い。まあ私は見るのは二度目だから、背景とか人物関係とか、ある程度把握できたけど、初めての人はそうはいかないでしょうな。もう一度見ようなんて気を起こすのは、ファーロングファンだけだろうし。さて、マリクとジェン・・必死にあがいているうちに、相手への気持ちに気づいたようですぜ。大ピンチでもこういうムードになれるのは、若いから?楽天的だから?いいえ、バカだから!ただ、この期に及んでもイチャイチャにはならず、一部の視聴者から不満の声が・・。クズ映画なんだから、せめてお色気シーンだけでもちゃんと見せんかい!

インターメディオ7

それでなくてもジェンは巨乳で、ファーロングファン以外は、彼女の胸にしか視線が行かない。いつぽろりとなるか、それだけを楽しみにがまんして見ている。でも何にも見せずに終わるので、作り手はいったい何考えてるんだぁ~ということになる。IMDbのユーザー評価が2.5と、超低いのはそのせいかも(違うって!)。さて、意味不明のクライマックスも終わって、やっと二人は脱出。いちおうやれやれ助かった状態。ここまで来たら、あとはすっきりきれいな終わり方して欲しいよな。続編への目配せとかそういうのはやめて欲しい。何日後か知らんが、マリクとジェンはヒッチハイク。マリクは松葉杖ついてる。男に両足刺されたからね。作り手はよっぽど松葉杖が好きらしい。たぶんこのままお決まりのラスト・・過去とはさようなら、未来へ向かって出発だ・・となるのだ。ウェスとバービーのことはどうしたのかな。カルロスや他の死体は・・まあ、全部あの男の仕業ってことにされて・・。と言うか、あの洞窟入口あたり別に何ともなっていないから・・立入禁止のテープとか張られてないから、ジェンが入口封印して、あとはほうっておくのかな。マリクだってへたに警察に届け出て自分が売人だってわかっちゃうのまずいし。まあとにかく車が止まって、親切そうなじいさんが二人を乗せてくれた。普通なら小さくなっていく車うつしてエンドクレジットとなる。でもなぜか・・モーテルの一室。あ~やっぱりがまんできなかったのね、最後に一つやってやろうという色気出しちゃった。二人はくつろいでいて、さあたぶんこれからイチャイチャが始まるぞ長らくお待たせしましたムード。でもそこまでいきません。マリクは例のネックレス持ってる。お守りだとか言って。で、ラストシーンはウェスとバービー(の幽霊)。たぶんモーテルの窓からだと思うけど、中の二人をじっと見ている。ここも、もっと効果的なうつし方あったと思うけど。最後までツボはずしまくり。ネックレスなんか持ってくるから、二人の霊がついてきちゃったのか。前にも書いたが、封印したのはカルロス側の入口だけだろうから、反対側はたぶん出入り自由。それともネックレスがあるから、二人はマリク達に手が出せないのか。そこらへん不明だが、ここまできたらもうどーでもいいです!車に乗せてもらったところで潔く終わりにすればよかったのよ!クズ、クソ、ゴミ映画なんだから欲張っちゃだめ。分をわきまえましょう!・・とは言え、ファーロング君ががんばっているので、私はこの映画嫌いじゃないですぅ。