怒りの山河

怒りの山河

ファンと言いつつ、ピーター・フォンダの映画はあんまり見てない。特に主演作となると・・。それで少し若い頃のを見てみる気に。希望としては(←?)「世にも怪奇な物語」のウィルヘルムのようなキャラを見たいけど、それは無理でしょうな。かと言って、ヒゲに埋もれたようなのは見たくないのよ。すっきりさっぱりがいい。この映画のことは何も知らない。知ってる人も出ていなさ・・あら?スコット・グレン?故郷へ戻ってきたトミー(フォンダ)。妻と別れたが、息子のディランは新しい父になじめない。それで連れてきた。トミーの父親は牧場やってる。トミーの弟チャーリー役がグレン。チャーリーはキャロリーと結婚し、彼女は妊娠中。住民達の悩みは、土地開発業者クラブトリー。土地を買い占め、石炭を掘り出す。出なくなったらショッピングセンターを作る。しかし住民達は立ち退きに応じない。法律的にはクラブトリーに有利。いつまでも待ってられないと、汚い手を使い始める。まずチャーリー夫婦が殺される。キャロリーがアイロンがけをしている途中、二人はイチャイチャし始める。襲撃されなくても、あのままでは火事になっただろう。ただしこのアイロンが・・焦げたシャツやアイロンによるヤケドが、事件解決のきっかけとなる・・と言うか、なったような。監督はジョナサン・デミで、ネットでは意外と高評価なので驚く。私にはモタモタしてると言うか、ゆるいと言うか。音楽も合っているような合っていないような。期待のフォンダだが、はっきりしないキャラ。子連れなのがあまり成功していない。ディランは何事に対しても「なぜ」「どうして」とうるさく聞く年頃。見ているこっちも「うるさい!」と言いたくなる。また、フォンダだから当然バイクシーンが出てくるが、子供を乗せているのにあんな危険なことするだろうかという気も。話を戻して、チャーリーとキャロリーは殴られた後車に乗せられ、酒もかけられる。車は崖下へ落とされるが、ガソリンをかけたのに爆発しない。しかも二人はまだ息がある。それで襲撃者達は崖下へ下りて火をつける。つまり二人は生きながら焼かれたわけで、何と残酷な。保安官スケリットはことなかれ主義で、飲酒運転による事故で片づける。その後もクラブトリー側によるいやがらせや脅しが続く。住民達の方は目立った行動を取らない。その日一日が無事にすめばそれでいいという感じだ。

怒りの山河2

トミーはクリーニング店で働くロリーンと・・この場合はよりを戻したということになるのかな?戻ってきてから仲良くなったのではなく、前からの関係が復活したみたいで。保安官も彼女が好きなのだが、彼女はトミーに気がある。さて、住民達はバラバラ。普通の映画ならトミーがリーダーシップを発揮して彼らをまとめるところだが、彼はそういう性格ではなさそう。クールな一匹狼という路線で行って欲しいが、そうでもない。わりとすぐカッとなる性格で、巻き込まれなくてもいいことに巻き込まれる。正義感が強いのは確かで、向こう見ずでもある。途中で彼は夜の闇にまぎれて侵入し、重機を破壊して18万ドルの損害を与える。たぶんここは中盤の見せ場だが、暗すぎてよく見えない。途中の裁判のことはよくわからない。クラブトリーは自分達に不利な判決出しそうなオコーナー判事を刺殺させる。今までクラブトリーとつるんでいた議員も、友人を殺されたと怒る。住民の一人ハルは、家を壊され、もうがまんできないと銃を持ってクラブトリーのところへ押しかける。トミーが駆けつけた時にはすでに殺されていて。正当防衛だと主張する男の顔にはヤケドのあとが・・。これでもまだ足りないので(←?)、連中は厩に火をつける。燃え盛る火・・馬を助けようとするウィルヘルム・・じゃない、トミー。ここはちょっと「世にも」連想させてムヒヒなシーン。火事に加えて父親まで死んでしまい、トミーはとうとう立ち上がる。火をつけたのは彼をおびき出すためだ。復讐のため武装してクラブトリー邸へ現われれば、ハルと同じで正当防衛で殺すことができる。変わっているのは、手下を倒すのに弓矢を使うこと。なぜ弓矢が得意なのかの説明はないが、子供の頃から狩りで使用し、慣れ親しんでいたのだろう。屋敷の中へ入ってからは銃撃戦。クラブトリーを倒すが、トミーも深手を負う。あれじゃ助からないと思うが、ラストではディランと二人で歩く。ロリーンの姿はなし。引越ししちゃったのかな?何だか見ている者の期待裏切るよな。駆けつけた保安官がトミーの単独行動に、「クラブトリーは逮捕寸前だった」と言うのが呆れる。全体的にふにゃっとした感じで、フォンダでなくちゃダメっていうキャラでもなかったけど、ヒゲなしの若いフォンダが見られたので、私は別に文句ありません。