エクソシスト・ビギニング

エクソシスト・ビギニング

私は「エクソシスト」って見たことなくて、これからも見るつもりないんだけど、この作品は紹介記事にたいていハンサムな神父さんの写真ついているから見る気になったのよー。WOWOWで見たんだけどこのフランシス神父(ジェームズ・ダーシー)ちっとも活躍しないのよー当てはずれー。てっきりこの人が若き日のメリン神父だと思ったら違うの。じゃあメリンとこの若がコンビ組んで「ヴァンパイア/最期の聖戦」みたいになるのかなー、最初ウブなヒヨッコ神父だった若が、メリンの薫陶受けて、一人前のエクソシストに成長するのかなーと思ったらこれまた違うのよ。あんまり出てこない上、何てこともなく殺されちゃうの。せっかく若くてハンサムで体格よくてクリストファー・リーブみたいだなーって期待したのに。映画は中世の戦いの惨状から始まる。1949年に飛んで舞台はアフリカ。5世紀の教会が発見される。えッこんなところにこんな古いのがなぜ埋められているの?・・と「ギャザリング」風味。発掘しているイギリス側と原住民の間に摩擦が起き、やがて大惨事に・・。1949年だからまだ戦争の影響色濃く残っている。メリン(ステラン・スカルスガルド)も、医療活動しているサラ(イザベラ・スコルプコ)もトラウマ背負っている。メリンは神父をやめた。なぜ?この映画もちろんホラーだけど、何ていうこともなく話が進むので、たいていの人は退屈すると思う。ちっとも怖くない。ハイエナのシーンでびっくりする人いるらしいが、CGバレバレなので私は全然・・と言うかあの子供どうなったのかそっちの方が気になる。食われちゃったの?サラがシャワー浴びるとこも変な感じがしたな。アフリカだし都会じゃないし昔だし、洗面器一杯の水で体を拭くというのならわかるけど、ひねればふんだんに水が出てくるような描写には違和感あった。その後の血が流れるショッキングなシーンになってもまだそっちの方が気になって今いち怖さ感じない。族長の妻の出産シーンは怖いと言うより悪趣味。「ザ・フライ」連想した。クライマックスもCGバレバレで、あれで怖がれったってムリでーす。じゃあこの映画おもしろくなかったのかと言うとそんなことないです。ステランのおかげでね。出てきた時どっかで見たような・・って思って。「ディープ・ブルー」に出てた。告白しますと、私こういう系統の顔立ちの人好みなんですぅ。

エクソシスト・ビギニング2

古くはアンドリュー・プライン、近くはサム・ライミ、そしてこのステラン。三人とも似た顔立ち。さてメリンは酒びたりで、すさんだ暮らししているらしい。でもどこかで踏みとどまっている。どこかにまだ理性や理想残っている。サラがそれとなく誘いかけるんだけど、好意(と言うか欲望)感じながらもたやすく流されたりしない。サラに引かれつつも理性保っているというのがいい。あんまり感情のおもむくまま行動したんじゃこの作品(およびメリン)の「品」が落ちる。ネタばらししてしまうと、悪魔が取りついていたのは少年ジョゼフと思わせておいて実はサラ。スコルプコは大口開けて大熱演だけど、前にも書いたようにCGバレバレなので怖くない。むしろステランの演技の方に目が行く。クライマックスの悪魔ばらいはちっともハデじゃない。でも力強くてゆるがない。説得力がある。彼は神父時代に悪魔ばらいやったことがあるはず。だからサラの変貌に動揺するはずがない。戦争中人間が悪魔以下のことやるのその目で見たし、自分もやらされた。そのせいで神父やめたんだし、今でも悪夢に悩まされてる。悪魔はそんな彼のトラウマにつけ込んでくるけど、地獄を経験したからこそ悪魔には負けないの。結局サラの命は救えなかったけど、魂を清めて天国に送り出すことはできた。そして彼は再び神父として生きていく。ラストは安易と言えなくもないけど、私はあれでいいと思う。少なくとも「サイン」のようなわざとらしさは感じない。背が高くがっちりしていて知的な風貌のステランは、本当にはまり役。怖くはないものの全く退屈することもなく最後まで見させるほどのばつぐんの演技力の持ち主。さてこの映画、途中で監督が交替し、ポール・シュレイダー版とレニー・ハーリン版があって、公開されたのはハーリンの方。つじつまの合わないところがあったり(サラはいつの間に悪魔に取りつかれた?)、活躍しそうな人がちっとも出てこなかったり(フランシス)するのはそのせいか。シュレイダー版もどんなふうなのか見てみたいものだ。ところでこの映画の後BSで「ジェニファー・コネリー自らを語る」を見ていたらステランの名前が・・。ポール・ベタニーとの間に生まれた子供の名前がステラン。ポールは息子に、友人であるステランの名前をつけたとのこと。彼は演技うまくて存在感あるからポールも尊敬しているんだろうなあ、きっと。