エンパイア・オブ・ザ・ウルフ
予告編を二~三回見たんだけど意味不明。トルコが関係しているらしい。最初は「キャ!クリムゾンの新作!?」って喜んだのよ。原作者同じ人だし、主演ジャン・レノだし・・でも違うのね。あまりにも意味不明なのが逆に心をそそる。メチャクチャなストーリーなんだ・・ってのは見る前から承知している。フランスのサスペンス映画ってたいていそうでしょ。あれはどうなったの?ここはこれで終わりかよ?ってね。理路整然としたのってある?今度もきっとそうだろう・・って。でも私なんかは子供の頃テレビで「キイハンター」とか「ザ・ガードマン」とかメチャクチャなの見てますから。免疫できてますから。あの頃は外国ロケなんかすると一回だけじゃもったいないらしくて、顔ぶれほぼ同じで別のエピソードも撮影しちゃう。とっといて忘れた頃放映すればいいのに続けて放映する。同じ材料を調理法を変えて・・。主婦のやりくり料理みたいなもんですな。さてこの映画、たいていのところでは二週間で終了しちゃったので、見逃しちゃったかなーと残念に思っていたら、銀座と新宿でまだやっていた。銀座の方が行きやすいが、午後からなので新宿の方へ行く。この館は初めてだけど全体的に薄暗い。画面も暗い。予告の「プリティ・ヘレン」も、ラブコメディーなのに暗いぞ。お客は一回目は13人くらいか。お正月なのにガラガラ・・と思ったが、二回目は40人くらいはいたかも。きっとみんなジャン・レノを見にきているんだろうなあ。意味不明な予告にそそられて・・なんていう意味不明な動機で見にきているのは私だけでしょう!「クリムゾン」でおなじみのむごたらしい死体も、「ああまた出てる・・」って感じ。DVDには死体の作り方も特典で入ってるし(殺し方ではないよ)。いちおうサスペンス映画なので最初から気合入れて見ている。しかし・・出たり入ったり・・何やねん・・映画見るのかケータイ受けるのかどっちかにしろこら。映画見てる間くらいケータイから自分を解放しようとは思わないのかね。ひとときの夢を見るために映画を見るんじゃないんですかね。・・とまあ、アホ客に気が散らされるが・・冒頭のシーンからして意味深。拷問かな?・・と思ったら記憶の欠落に悩むヒロイン、アンナの治療でした。こんな治療法あるの?夫ローランが医師アケルマンに言う「どうします?」っていう言葉がポイントなのよ。
エンパイア・オブ・ザ・ウルフ2
二回目に気づいたわ。夫なら「どうですか?」って聞くはずでしょ?アンナは夫の顔がわからない。発作が起きるとまわりの人の顔が・・何と言うか・・ドロドロに溶けて見える。私は狂っているの?アンナとローランのメソメソしたシーンが続くので、「アンナの頭の中の消しゴム」かよ・・と思ったぜ。普通ああいう場合アルツハイマーとか疑うと思うが・・。アンナは高級官僚の妻で、裕福なはずなのにお菓子屋の店員をしている。お菓子を買いに来る男性客が気になる。向こうはそ知らぬ顔をしているけど、私は前に会ったことがある。でも思い出せない。しきりに脳の生体検査を受けるよう勧めるローラン。でもアンナは受けたくない。夫に内緒で精神分析医のマチルドを訪ねる。私がおかしいのか、それとも夫の方がおかしいのか。夫が別の人に思えるのは彼が整形手術でもしたからなのか。でも手術の痕跡はないし・・。とうとう検査を受けざるをえなくなって、出かける前にシャワーを浴びる。鏡を見て自分がおかしいことに気づく。整形されていたのは・・!!!いやーここらへんゾクゾクしちゃいました。怖いです。モロホラー映画ですぅ。ずっと雨降り、夫婦の間もメソメソジトジト、シャワー浴びて髪はぬれてるし、体もよく拭かないで水滴つけたまま下着つけるし。とにかく水・水・水・・。押し寄せてくるんです。降りかかってくるんです。乾かないんです。流れていくんです。とらえどころがないんです。まるで記憶みたい。正体を現わしたローラン。アンナは家を飛び出したものの行く当てもなく、救護院へ。見せられたレントゲン写真にはおびただしい整形のあとが・・。いったいなぜ?私は誰なの?この顔が作られたものだとしたら元の顔は?人間にとってこれはすっごく怖いことですな。自分が誰だかわからない。まわりの人がみんな信じられない。夫も夫の同僚も医師もみんな私をだましていたんだもの。警察にも行けない。だって夫や同僚はそっち関係の職業。でも一人だけ力になってくれそうな人がいる。マチルドである。彼女を訪ねたのは電話帳で調べてだから、夫達は彼女のことを知らない。そりゃそうなんですけど・・。ローラン達はアンナに尾行はつけていなかったんですかね。アンナを使ってばれちゃまずい実験していて、その実験台をほったらかしにしていたんですか?しかもアンナは実験がうまくいかなくて情緒不安定、何するかわからないんですよ。
エンパイア・オブ・ザ・ウルフ3
一方トルコ人女性が三人連続して殺された事件を追っているポール。捜査が進展せず、トルコ関係に詳しいというシフェールの協力をあおぐ。彼は腕ききだが、汚職やら殺人やら暗いうわさのある男で、今は療養所暮らし。何かやっぱりニーマンスのなれの果てみたいに思えるんですけどぉ・・。今回のレノはいつもと違う悪タイプで、すぐブチ切れてポールをあわてさせたり怒らせたり(それっていつもと同じだと思うが・・)。パンフは当然レノ中心で、いろいろ書いてある。そりゃ人気・実力・実績あるし、当然なんだけど、私が感じたのはくたびれ度。確かに眼力とかありますよ。ありますけど感じるのはワルの魅力とか艶男ぶりとかではなくてくたびれ度なんです。もう年だな~、ちょっと一休みしないと持たないな~、忍耐強くなんてやってらんないよ、さっさと終わりにしたいな~・・そんな感じ。いきなり極端な行動を取る。とにかくブチ切れる。映画だからそのままだけど、現実にあんなことやったらすぐ仕返しされると思う。すぐ暗殺されちゃうと思う。途中からもしかしてシフェールはワルの方?・・って思えてくる。ブチ切れてもくたびれているからさほど迫力ないし、怪しくてもモタモタしていてそのうち死んじゃう。あら?主役なのに死んじゃったわ。でもな~ムリないかも。だってくたびれているんだもの。途中降板、選手交代、あとは若手のポールにまかせなさい。彼が事件解決するからあんたは帰って寝なさい・・いや天国行きなさい。この映画でのレノはカゲがうすいのよ。インパクトがないの。途中で引っ込んでもお疲れ様~ってなもんよ。あーでもまた出てくるんだけどさ。やっぱ主役だから?出てこなくてもいいのに・・。レノを死なすわけにはいかないんでしょうなあ・・。あの状態で何で助かるのかね。前にも書いたけどサスペンス映画だからこちとら気合入れて見ている。ここがこうなって、あれがああなって・・、よし、ここまではオッケー、大丈夫ってね。でもシフェールがらせん階段もろとも墜落するあたりでもう「お手上げ・・」なのよ。このシーンはおそらくこの映画の一番のハイライトシーンだと思うけど、ウワーすごい!とかレノ危うし!なんていう気にはならないのよ。何がどうなってるか全然説明されてないじゃんかよー。ここでこんなスペクタクル入れたからって何なんだよー。こんなのにリキ入れるヒマあったらもっと画面明るくしろー。
エンパイア・オブ・ザ・ウルフ4
見せるべきものをちゃんと見せろー・・と私は冷えた頭で考えていたわけよ。興奮なんかできないよ、これじゃあね。「クリムゾン2」でレダのデスクのあたりが不自然なまでに暗くて、これじゃ仕事できんだろッ!って思ったことがある。映像としての効果が優先され、リアリティーはあとまわしにされていた。この映画でもポールの部屋は暗くて・・電気止められているのかよッ!警察署の中なのに。ところで彼、ここでネコ飼っているんですよ。一回目に見た時はエサをやるシーンでああ何か飼ってるな・・と。でも暗すぎて犬なのかネコなのかわからん。二回目見ていたらそのシーンの前にも出ているのに気がついた。一回目は全然気がつかなかったけど(暗くて)、デスクの上に置き物みたいにチョコンと・・。黙って動かないところを見るとネコですな。ネコならじっとしている。犬だったらちゃわちゃわと(私の田舎の方言で落ち着きなく)あばいくさって(甘えて)あせっくらしく(しつこく)寄ってくるはずだ。とにかくこんなに暗くちゃ仕事もへったくれもない。目を悪くするし、第一映画を見ているお客に失礼だぞこら。「暗がりでどれだけ見えるかコンテスト」なんてやめてくれっちゅーの!シフェールが謎のトルコ人女性(アンナのこと)の衣服を調べるシーンでは「見つけたものは何でしょうクイズ」やってる。何か見つけるんだけどうつしてくれないから(ケチ!)結局何なのかわからん。別に隠す必要ないのだが。私が思うにそれはカギですか?二つの別々のストーリーが同時進行し、途中でそれが結びつくというのはよくある設定だけど、この映画の場合いつまでたっても結びつかないので見ていてイライラさせられる。早くくっつけ!・・と心の中で毒づきながら見ていた私・・。アンナは元々はセマというトルコ人女性。「灰色の狼」という組織のエリートで、麻薬の運び屋。20キロのヘロインを運ぶ途中逃走。追っ手に見つからないよう整形手術をしたが、9.11テロ以降警備が厳しくなり、ヘロインを国外に持ち出すことができない。ひとまずブツを隠し、組織に見つからないよう働いていたが、不法就労ということで警察につかまってしまう。移民局に連れていかれるはずが、記憶操作のいい実験台はいないかと捜していたテロリズム対策局の連中の目にとまり・・。実験台の女性が本物のテロリストだったとは・・皮肉もいいとこである。
エンパイア・オブ・ザ・ウルフ5
医師アケルマンによってセマの記憶は消され、アンナという女性が誕生したわけだが、実験は失敗で・・。一方「灰色の狼」の方はセマとヘロインの行方を捜す。殺し屋アゼール(アンナの店へお菓子を買いにくる男)はアンナと似た顔立ちのトルコ人女性を次々に殺す。拷問してヘロインのありかを聞き出そうとするが、人違いなんだからわかるわけもなく・・。アンナはアケルマンを脅して記憶を戻させ(便利なもんやな~簡単に戻るんですぜ)、自分をだましていたローランをぶちのめし(原作によればセマに注入された記憶は彼の自殺した妻アンナのものらしい。彼も一種の被害者なのだが・・)、マチルドとともに墓場へ向かう。どうやらヘロインは墓場に隠してあるらしい。マチルドを帰し(もっと活躍すると思ったのにぃ・・)、遺骨だか遺灰だかをおさめてある場所を壊し始める。そこへシフェール、続いてポールまで現われ、双方が出会うわけだけど・・ハデな銃撃戦、らせん階段スペクタクルがあるわけだけど、見ている方は何で?・・ってなるわけよ。記憶の戻ったアンナが現われるのはいい。アンナは場所を思い出したけどカギを取りに行くわけにはいかない。カギを縫い込んだ衣服は警察の保管庫にあるからだ。だから遺灰収納庫を壊したのだ。さっきのシーンでシフェールが見つけたのはカギなのだろう。あのカギを頼りにシフェールはここへ現われたのだ。ではポールは?彼はアンナの整形手術をした医師を捜し当て、面会する。ところがアゼールに襲われ、何とか助かるが、アゼールが落としたブローチと同じものをシフェールが持っていたことを思い出し、彼が「灰色の狼」の一員ではないかと疑い始める。署に連絡してシフェールのケータイの位置を割り出してもらい、墓場へ来たわけよ。後で考えるとこうやってそれなりの説明はつくんだけど、見ている時はね。何で?何で?と疑問でいっぱい。スペクタクルが何だよ~こっちはそれどこじゃないんだよ~とこうなるわけよ。アゼールは何で医師の家に現われたんですかね。その後何もしないでトルコに帰っちゃうしストーリーホントにいいかげん。シフェールも何でアンナがヘロインを取り出すまで待っていないんですかね。途中で声かけるから銃撃戦になって・・。結局ヘロインはあったんですか?ちょこっと灰が舞い上がりましたが、まさかあれがヘロインだなんて言うんじゃないでしょうね。
エンパイア・オブ・ザ・ウルフ6
言っときますが20キロですぜ。かなりの量・重さですぜ。私なんか持ち上げられないわ。あの舞い上がり方せいぜい2グラムですぜ。いいかげんにしろこら。大半のお客にとっては、結局ヘロインはあったの?なかったの?状態。でも作り手の頭の中はらせん階段スペクタクルのことでいっぱいで、つじつま合わせなんかやってられるかよー先へ行こうぜGOGO状態。シフェールは死んだらしいし(もちろん後でまた出てきますが)、ポールは爆発から何とか助かって(墓場を爆破しやがってばちあたりな女だぜ)、アゼールに襲われても死ななかったのと同様(医師の方は殺されたのに)今回アンナに襲われても助かります。何でやねん。都合がよすぎるぜ。さてポールのこと今まであまり書きませんでしたけど、実は予告を見た時から目についていたんですの、ウフ。チラッと何やらかわいいのがうつってるわ~って感じ。レノに目を奪われたりしないんですの私。知らん人だわージョスラン・キヴランですか・・はぁ~ケサラン・パサランみたいな名前ですな。ヘイデン・クリステンセンに似てますな。それとヴァンサン・ペレーズにも似てる。背が高くて、美形だわ~フゥ・・(ため息)。ポールという人物もなかなか・・。近頃珍しいくらいに純粋で真面目なんですの。あんなに美形だとまわりの女性がほっとかない。他署の受付の女性がアンナの情報をくれたりモンタージュ写真の作成に協力してくれたのもそのせいだと思う。彼には協力してあげたいと女性に思わせるようなサムシングがある。彼もそれは自覚しているけど別に思い上がったり悪用したりしない。法は人を守るためにあり、自分はその法の番人だと思っている。実際にはそうではないことは彼もよく知っているんだけど、それでもね。と言うのは・・幼い頃愛する母は連続殺人鬼の手にかかって殺され、犯人はまだつかまっていないのだ。彼が刑事になったのはそのため。迷宮入りになってしまったけど、まだあきらめたわけではない。法は人を守りきれないし、裁かれずに逃げおおせた犯人はいっぱいいるけど、それでもね。今追っているトルコ人女性連続殺人事件も迷宮入りになりそうだけど、それでもね。それでもポールはがんばるのだ。シフェールのやり方には嫌悪を覚える。乱暴だし汚い手を使うし・・。でも効果的なのは認めざるをえないけど。効果的でも自分はそんな手は使わないけど。
エンパイア・オブ・ザ・ウルフ7
彼のような刑事はいつか圧力にはね返されるか押しつぶされるかするだろう。悪は時として強大な背景を持つ。その背景が「法の番人」の側の場合だってあるし。つまり今回の記憶操作実験が自国の高級官僚の手で行なわれていたように・・。苦闘するポールの姿は悲しくも空しい。悪を以て悪を制するシフェールの境地に達するにはまだ純粋すぎる。でも彼が悪に染まらないでいてくれるのがうれしい。私は人間の善を信じたい。この映画はポールのおかげで陰惨なイメージがだいぶやわらいだ。ちょうど「クリムゾン2」のレダと同じだ。アンナが彼を殺さなかったのは・・一目ぼれってやつですかね。記憶障害に悩み、雨の中をさまよう前半のアンナはとても気の毒だった。しかし後半の彼女は・・あんまり気の毒じゃないです。ポールだってあんなに美形でなければ、心も動かされずさっさと殺していたはず。情無用のテロリスト、麻薬の運び屋、組織を裏切って大金をせしめようと企む、ずれっこない(私の田舎の方言でずるがしこいの意)女、それがアンナなのだぜい。さてと・・シフェール再登場あたりからは「もうどうにでもして」って感じになります。雨ばっか降ってるパリから、からりと晴れたトルコに舞台は移ります。シフェールとアンナの再会もいいかげんですが(きのうの敵は今日の仲間ってか?どうやってアンナを見つけ出したの?何でシフェール無傷なの?)、何でポールがトルコへ来れたのでしょう。若造のくせに余計なことをするなと麻薬捜査関係の偉い人アミアンににらまれ、今までの捜査資料没収されてしまう。署がそんな彼をトルコへ派遣するとも思えんが、なぜか現われるんです。自費で来たんでしょうか。しかもアゼールのあとをつけ、アジトを簡単に、チョー簡単に見つけちゃう。忍び込むのかと思ったら大声で呼ばわる。ポールも向こう見ずだけど、アゼールも見張りくらいちゃんと置けよ。いらっしゃいませ熱烈歓迎状態で何やってんだよ。中へ案内されると「灰色の狼」のボス、クドセイの他にシフェールもいるしアンナもいるし、ああんもうどうにでもして。お決まりの裏切りだの何だのがあって、ハッピーエンドになります。もう何のこっちゃ!どうしてこうまでメチャクチャなのかと思ったら、原作の結末をムリに変えているからなのよ。小説ならかまわないけど、映画だとそうはいかない・・ってことがある。
エンパイア・オブ・ザ・ウルフ8
小説にシフェールっていう男が出てきて、途中で死んでしまっても読み手は「あっそう」ですんじゃう。でも映画でジャン・レノが出てきて途中で死んじゃうのはだめなのよ。レノは死んじゃあいけないの。法律違反なの。観客が納得しない。暴動を起こす(たぶん)。「クリムゾン」だってそうでしょ。原作では死ぬニーマンスが映画では生き残る。今回もね・・ホントはみんな死・・最後に現われて決着つけるのは・・(内緒)。正直言ってこのトルコでのシーンはときめかなかったな。つけ足しみたいに思えてドキドキしない。かってにやっとれ!アゼール役の人はちょっとルーファスに似ていたな。三人の女性はさっさと殺しちゃったのに何でアンナに対してだけはぐずぐずしていたのかな。クライマックスで(クライマックスなんでしょ?)石でできた女神の頭部が出てくるけど何じゃありゃ?ブッサイクー!アンナが発作起こした時まわりの人の顔がなぜドロドロ溶けて見えるのかやっとわかったわ。この女神の顔のせいなのね(せいなんでしょ?)。あたしゃ戦慄するより笑っちゃったんですけど、正しい反応だったでしょうか?で、もちろんアゼールは死んでアンナは助かるんですよ。突入指示していたオジサン誰?って思ったんだけどアミアンですか?シフェールとアミアンはつながっていて(どこで・・って電話でですよ、もちろん)、シフェールはやっぱり正義の味方だったってか?後ろではポールがアンナをお姫様抱っこですよ。二人は恋に落ちたんです。テロリストで麻薬運び屋で刑務所にぶち込まれても仕方ないのにそんなことはムシして結婚てか?おめでたいこって。アンナに間違われて惨殺された三人は浮かばれませんぜ。でもまあポールが少しでも幸せになれるのなら・・何たってポールこのままじゃかわいそうですから。支え合う伴侶が必要なんですわ、私は身を引きますぅ・・って何のこっちゃ!シフェールにはマチルドがお似合いだったのに・・途中退場は残念です。マチルド役の人はとってもよかったどす。てなわけでメチャクチャな映画ですが全体的にはおもしろかったどす。特に前半のホラームードがよかった。場内が明るくなった時、後ろの方で「助かったのか、よかった」なんて言ってるオジサンがいて・・それってアンナのことでしょうね。ハッピーエンドならわけわからなくても取りあえずは後味がいいってことですな。