エリミネーターズ

エリミネーターズ

これは大昔民放でやったのを見たのが最初。日本では未公開か。確か解説の人はヒロイン、デニース・クロスビーがビング・クロスビーの孫娘だと紹介していて。要するに他に宣伝する材料がないのだ。いろんな映画の寄せ集めだし、有名スターが出ているわけでもない。私みたいなアンドリュー・プラインのファンなんて、日本にそうたくさんいるとも思えない。この機会を利用して彼のこと少し紹介する。と言っても詳しいこと知ってるわけじゃないけど・・プライン歴ってことですけど。代表作は「奇跡の人」と「グリズリー」だろう。前者ではパティ・デューク扮するヘレン・ケラーの兄役、後者ではヘリの操縦士。主演映画としては、私は見たことないけど「悪魔の調教師」がある。「ゾンゲリア」は大昔に輸入8ミリフィルム買って(←大馬鹿)見たけど、もちろん意味わからず。その後500円くらいの安いDVD手に入れたけどまだ見てない。他に「悪魔の棲む家PART2」「新・悪魔の棲む家」にも出ている。「チザム」ではすぐ殺されちゃうし、めぼしいのはそれくらいか。「キラー・アンツ 巨大殺人蟻の襲撃」も見ていない。テレビシリーズだと「ロデオ」があるが、見たことなし。ゲスト出演では「爆撃命令」「燃えよ!カンフー」「事件記者コルチャック」「警察医サイモン・ロック」など。こういうのって今ならネットで調べて何の番組の何話目に出ているかわかるけど、昔はそうはいかない。たまたま運がよくて見ることができたってだけ。そう言えば1983年版の「V」にも出てるんだっけ。録画したままほったらかしだ。これでファンと言えるのかね。クロスビーは「ペット・セメタリー」に出ている。他にはクジ役でコナン・リー。「龍の忍者」で真田広之氏と共演して、日本でも人気出るかな~って思ったけど、それっきりだったな。「太陽にほえろ!」のボンこと宮内淳氏にそっくりなんだよな。ジョン役パトリック・レイノルズは知らない人。いちおうハンサムでいい体しているけど、どこと言って特徴がなく、地味。俳優としての活動期間も短いようで。キャストの紹介はたいてい最後にやるんだけど、今回はまずこれだけは書いておかなくちゃ・・というのを先に持ってきました。

エリミネーターズ2

ここからやっと映画の感想です。SFかな・・と思って見ていると、ローマの戦士が出てきてあら?となる。とにかく最初からごちゃごちゃです。マンドロイド、ジョンを見ていると「ロボコップ」「プレデター」「ターミネーター」、スポットを見ていると「スター・ウォーズ」、タイムマシンとか機械を見ていると、タイムトラベルとは関係ないけど「メトロポリス」とか。そう言えば冒頭の音楽はシンセサイザー。現代風の音楽つけた方の「メトロポリス」連想させる。途中で「デビルスピーク」そっくりのフレーズが何度か流れるのがおかしい。ストーリーは行き当たりばったりな感じ。一日撮影して、夜の間に次の日のストーリーひねり出して、翌朝「はい、今日の分・・」って渡すみたいな。もちろんマンドロイドとかタイムマシンとかあらかじめ最後までストーリー考えてあるとは思うけど、見ているとそうは思えなくて、あっちへふらふらこっちへふらふら。ここでこうなる必要あるのかなみたいなところがいっぱいある。一緒にいたのが離ればなれになって、また後で一緒になって・・現実には一度離れたらめぐり合うのは難しいと思うが。あと、研究所の中とかちゃんとそれらしく作り込むより、川でボートチェイスとか、森の中でバイクチェイスした方が作りやすいかな~って感じ。それにやたら爆発入れときゃ派手だし時間稼げるしって感じ。ジョンは飛行機が墜落し、気がついたら機械人間に。手をはずしてロケット砲に付け替えるとか、足をはずして人間戦車みたいになったり。突っ込みどころ満載の設定で、あれじゃあ狭いところは通れないじゃないかとか、歩いた方が速いじゃないかとか。それに下がでこぼこだと引っくり返るし。それはともかく彼はタイムマシンで過去へも飛ぶ。すごい科学力だが、ボスのリーブス(ロイ・ドートリス)は五年前に死んだことになってる大富豪。実は生きていて臓器移植をくり返している。顔はヤケドみたいな状態から縫い目に変わり、そのうち無傷に。髪も白くてまばらだったのがフサフサに。しかも屈強なローマ戦士風。タイムトラベル、人体改造などの超すごい技術を持ちながら、それが全部自分の野望のため。

エリミネーターズ3

後でわかるが、リーブスはローマ帝国の支配者、シーザーの代わりを目指しているらしい。共同研究者はタカダという・・名前でわかるが日本人。もう研究もほとんど完成したし、ジョンは無用だから分解しろと言われるが、やさしい性格なのでジョンを逃そうとし、殺されてしまう。ジョンはタカダに言われた通り宇宙研究所のノーラ・ハンター大佐(クロスビー)を訪ねる。位置関係がはっきりしないが、リーブスがいるのはメキシコあたりで、ノーラがいるどこかの都会とは100キロ以上離れているらしい。ジョンがどうやって100キロ以上移動できたのかは不明。機械人間だし半分壊れているのに。ノーラに会った後、また戻るわけだが、帰り道がわからないのでガイドを雇うことに。うん、だから話が繋がらないのよね全体的に。リーブスのこともジョンのことも最後まで何も不明なまま。まあいいや、ここでプライン扮するハリーが登場。ビデオカバーの説明とか、ネットの記事では賞金稼ぎになってるけど、映画の中ではガイドなんだよな。そりゃノーラ達の目的はアステカの財宝捜しに違いないと思い込むし、ノーラにもそう思い込まされるんだけど。彼は気楽な一匹狼で、ベティ(ペギー・マニックス)をボスとする他のグループに、料金安すぎて商売の邪魔と因縁つけられる。ここがどこかはよくわからないが、ガイドを雇おうとする観光客が多いとは思えない。それともたまにはアステカの遺跡調査に来る人でもいるのか。ともかくバーで(ベティの方だけ)険悪ムードになっている時、ひょっこり顔を出したのがノーラ。船とガイドが欲しいなんて言ったものだから、バーでは派手な殴り合いになる。西部劇のノリですな。まず殴ってから・・話はその後。結局ハリーが仕事にありつくわけだが、イカした美女とボートで・・なんて喜んでいると、ジョンが現われる。この時のジョンの格好はどう見たってマカロニ・ウェスタンのガンマン。そりゃマントで隠さないといけないんだけどさ半分機械だから。ハリーはお調子者だが、根はわりとまとも。「クロコダイル・ダンディー」なんて書いてる人もいるけど、私は見てないから。まあ超大作ならハリソン・フォードあたりがやっただろうけど、こちらは超小作ですから。いや、心意気だけは大作だけどね。ああ、どうしても弁護してしまうわ。

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この後もベティ達はしつこく追いかけてくる。せっかく舞い込んだ客を逃してなるものか・・と言うより、どう見たってガイドじゃなく盗賊風味。金目のもの奪って殺すか、奥地に置いてけぼりにするに違いない連中。今もただ追いかけるんじゃなく、銃を撃ちまくるという乱暴さ。ハリーは絶対そんなことしない。リーブスのところへたどり着くまでは、ずっと珍道中の描写。SF的なことやると金がかかるから、ケンカしたり仲直りしたり、いなくなったり現われたりの時間稼ぎ。ボートはポンコツだから故障もする。で、ノーラが直したりする。電子偵察器のスポットを作ったり、ジョンのようなマンドロイドを作る技術開発したのも彼女。元々は宇宙ステーションで使う作業ロボットを考えていたらしい。それらをリーブスが盗用したわけ。でもここらへんはあまり深く考えちゃいけない(と言うか誰も考えてないか)。話を戻すと、度々エンジンがいかれるような状態なのに、ハリーが無茶な操縦するのはおかしい。未開の奥地で立ち往生するような事態を自分から招くのはおかしい。でも、それをやっちゃうのがハリー。後で彼が急にカーブを切ったせいで、ジョンとスポットが川に落ち、行方がわからなくなるシーンがある。どう見たってノーラと二人きりになるために邪魔なジョンを始末したように見える。でも、違うんだよな。乗ってる人が川に落ちるような操縦するのがハリー。作り手にはハリーがどういう性格なのかはっきりしてないんじゃないか・・なんて思っちゃいけない(思うけど)。さてジョンには墜落前の記憶がほとんどない。話は前後するが、偵察に出たスポットが飛行機の残骸を見つける。このスポットは、ポットと言うか炊飯器と言うかヒョウタンツギと言うか・・よくわからんけど、ジョンの肩にチョコンと乗ったりする(乗ってないように見えるけど・・たぶん後ろで誰かが支えているのだろう)。川に落ちた後、水をピューと排出するなど、愛敬がある。で、残骸だけどノーラは過去をはっきりさせることがジョンには必要だと思ってるけど、ジョン自身は違うのよね。明らかになったところで自分が元に戻れるわけじゃない。自分は本来ならもう死んでいる存在。リーブスへの復讐やタカダの仇は討ちたいけど、その一方で生きていたくない。

エリミネーターズ5

ノーラは残骸の中で写真を見つける。うつっているのはたぶんジョンの妻子。その時飛行機が沈み始め、ノーラは大ピンチ。ハリーのおかげで助かる。で、びしょぬれになったので上を着替えるんだけど、ジョンとハリーはハッとしてみたり目をそらしてみたり。お前ら高校生か中学生かよってな反応。白いの着てる時は濡れるとスケスケ、ノーブラだってわかる。黒のタンクトップに替える時は後ろ向きになるけど、ノーブラだからチラリと見える。気まずくなってるヤローどもとは違い、ノーラは濡れたから着替えただけ。恥ずかしいとかエッチとか、そういうのはなし。ここは笑える場面だけど、ジョンの立場に立ってみれば気の毒な気もする。余計自分が妻や子供のいる世界とはかけ離れた存在になってしまったことが痛感されたはず。写真だって、ボートから落ちた時なくしちゃったんだろうし。はぐれている間にノーラとハリーはネアンデルタール人に遭遇。あたしゃてっきり出てくるとしたらローマ戦士だと思っていたので、ここは意外でした。ネアンがデルとは思いあタールはずもなく・・。ここらへんは「猿の惑星」風味。一方ジョンはクジと出会う。始まってから1時間・・やっとリーの登場です。彼はタカダの息子で、父親からの連絡がないので心配になってとか何とか。で、ジョンはタカダは命の恩人で、でも死んでしまったことを伝える。は~そうですか、クジねえ。するってぇと、タカダクジっていう名前なんですか?高田駅9時集合雁木通り散策とか。あるいは一字違えば宝くじ。全然関係ないけど大相撲で宝富士っていう人がいますけど、私いつかはNHKのアナウンサーが間違って言ってくれるんじゃないかとテレビの前で期待している。「宝くじ、当たりました!一気の出足」とかさ。そんな妄想は置いといて、何でクジ?しかも忍者の格好していてカンフー使う。魚は念力で捕まえる(フィルムの逆回しなんて言ってはいけない)。見せ場は換気扇通り抜けるところだけ。まあ、いいですけどさ。どの映画でもそうだがカンフー出してきても、その設定をうまく生かせない。香港映画ならできても欧米の映画ではできない。

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相手方・・敵方にカンフーのできる人がいないから、ちゃんとしたアクションシーンが成立しないのだ。見栄を切るだけで終わるか、何も技術なくてもできる銃撃戦にお任せだ。この映画もリーの見せ場はほとんどなし。それにリーブスの手下はバカばかり。デブのレイ役ピーター・シュラムは見たような顔だが「ターミネーター2」に出ていたらしい。で、あれこれあってイオン破壊装置なんてのが出てきて、どういう装置なのだろうと思ったら、動く前に壊されちゃった。前に書いたようにリーブスはこの頃には元気になってて・・関係ないけどこの人常田富士男氏に似ているな・・何でもジョンの二倍強いらしい。で、タイムマシンに乗ってシーザーになるべく過去へゴー!過去が変えられてしまう!とノーラ達は言うけど、ご心配なく、もう変わってますってば。ネアンデルタール人を村一個分連れてきていますやんけ、忘れたの?と言うか、移送してどうするつもりだったのかな。と言うかあんなにたくさんタイムマシンに詰め込んだのかいな。タイムマシンで困るのは、自分が乗っちゃうと後は運任せなこと。誰かが残ってちゃんと操作してくれてるならいいけど。いちおう勝手にいじくれないようパスワードでロックされていて、ノーラにも打つ手がないんだけど、ハリーは単純だからマシン壊しちゃう。で、リーブスが着いたのはシルル紀(いつやねん・・)。で、みんなしてアッハッハとなってエンド。ジョンはみんなを助けるためにすでに命を落として、その場にはいないのよ。今回ビデオカバーをよく見たら、ジョンが横になっていて、ノーラ達三人がまわりに立ってる写真があって。どう見たってジョンを生き返らせようと修理にかかるところ。写真があるってことは撮影されたはずで、ジョンが生き返る後味のいいハッピーエンドにしたって問題ないと思うんだけど。と言うわけで久しぶりに見直したけど、やっぱおバカ映画でした。いろんなもの詰め込んでおけば、どれかどれかは視聴者の好みに引っかかるだろうってな感じの映画。でも、好きなんですけどねこういうの。テレビで見た後中古のビデオ見つけたんだけど、DVDはまだ出る気配なし。早くコメンタリーなど豪華特典つきで、安価で発売してくらはい!