愛人関係

愛人関係

これはずーっと前に一度見たことがある。ずーっと無表情のミレーユ・ダルクが印象に残っている。あと、おっぱいぺろんのところも。で、最後はアラン・ドロンが彼女を殺して自分もあとを追うんだよな。でも、今回見たら銃声は一発だけ。あら?あとは追わないの?それから私はドロンの職業は精神科医だと思い込んでいたけど違いました。弁護士でした。・・カモメが舞うニースの海辺。豪華な毛皮にくるまって散歩するペギー(ダルク)。テレビ作家のフランソワ(クロード・ブラッスール)は、彼女こそ自分の描きたいヒロインと、しつこくつきまとう。このフランソワのキャラが私にはぞっとするほどいやで。とにかくしつこい。べらべらとしゃべりまくり、あつかましい。向こうではこういうのが魅力的な男性なんだろうか。根負けしたペギーから電話番号をゲットすると、早速家を訪問。迎えに出たアルベルトは不愛想。ペギーは、彼が自分に迫ろうとしているなど妙なことを言う。いや、迫っているのはフランソワですって。ドライブに出かけると、あとをつけられている・・と無茶な運転をする。彼女と親しげな男性が、フランソワには気になる。いっちょまえにジェラシーかい。この後ろ姿の男性はもちろんドロンで、観客・・女性客をじらす。彼リルソンはペギーの世話をしている弁護士。次に登場した時にはビリヤードをしている。一分のスキもない美男。澄んだブルーの目を見開き、目の演技を強調。あとは唇の端の上下で。髪も服装もばっちり決まっているのだダーバン。女性はその美しさにクラクラ、男性はケッ、何てキザなんだ!とムカムカ。リルソンによると、ペギーの夫は麻薬中毒で、彼女も中毒だったと。そのせいで脳に障害が起き、夫を殺してしまったと。しかしリルソンのおかげで無罪釈放。精神科医の治療もすんだが、病気が完全に治ったわけではないと。要するに彼は彼女の弁護をしているうちに深く愛してしまったのだ。彼女が普通に生活できるのは、彼がアルベルトや運転手ステイグに命じて目を光らせている(あるいは尻ぬぐいさせている)おかげ。だからフランソワには余計なことはして欲しくない。彼女は魅力的だが、自分も含めて男性とは接触できない。もちろんフランソワは信じない。自分を追い払うためのウソだと思っている。人の言うことを聞かず、勝手にふるまい、事態を悪化させるのがフランソワ。彼女の気を引き立てようとあれこれ引き回す。

愛人関係2

別に珍しくもないストーリーだが、演じているのが当時実際に恋人どうしだったドロンとダルクとなれば話は別だ。ダルクは髪が美しく、スタイルもいい。服の着こなしも当然のことながら文句なし。ファッション雑誌を見ているよう。化粧も薄く、かえってドロンの方がお肌に何か塗っていそう。二人の関係を深く掘り下げるでもなく、二人を見て楽しむ映画だと言える。そのまわりをフランソワがウロチョロして、せっかくのムードをぶち壊す。ハエたたきでぴしゃりとやりたくなるくらいうるさい、五月蝿い、煩い!何とか安定を保っていたかに思えたペギーだが、駐車場の暗闇で怖い思いをしたのが引き金になったのか、まずアルベルトを誘惑してハサミを首にブスリ。リルソンは死体を海に捨てるが、弟のドニが警察に密告。次にそのドニがフランソワの部屋で死体となって発見され、フランソワが疑われたりする。リルソンの妻は夫がペギーに献身的に尽くすのがおもしろくない。何とか夫を取り戻したいと思っている。すべての元凶はペギーだ。彼女さえいなくなってくれれば。そんな彼女を、リルソンは平手打ちにするのだダーバン。いやアンタ、この場合奥さんの方が正しいですってば。殺人の後始末までして、弁護士としての将来もぶち壊し。病院に戻りたくない・・そりゃペギーはそう言うでしょ。でも殺人となればそうはいかないはずですが、リルソンはペギーをかばうため、自分が殺したなんて見え透いた嘘までつく。一方フランソワはペギーと結婚するつもりだ。見ていて口あんぐりとなったのは私だけですか?殺人犯で金がかかりそうな家事なんかやったことなさそうなしかも頭のおかしい・・。この映画はダルクがミスキャストだと書いてる人もいるが、私は別に・・。出来が悪いのは確かだが、私はこういう出来損ないが好きだったりする。部屋のインテリアがステキだったりする。フランソワとペギーが見に行くアパートのがらんとした感じがよかったりする。フランソワの部屋で、朝ペギーがむしって食べているパンがおいしそうだったりする。リルソンの奥さん役ニコレッタ・マキャヴェリがとってもきれいだったりする。彼女に共感できるような気がしたりする。それにしても・・銃声がして、その数秒後もう一つ銃声が響いた方が・・。それともあの後リルソンはペギーを抱いて投身自殺したのかな?だって一人生き残っているリルソンは想像つかないんだものダーバン。これには原作があるらしい。リチャード・マシスン・・読みたいよ~ん。