ウェス・クレイヴン’sカースド

ウェス・クレイヴン’sカースド

この映画を見ようと思ったのは新聞に載った小さな写真のせいです。クリスティーナ・リッチと一緒にうつっている男の子のことが気になりました。ジェイミー・ベルに似ていません?私「リトル・ダンサー」は見てないんですけどね。宣伝文句、紹介文句はリッチ主演、ウェス・クレイヴン監督そればっか。ストーリー読んでも意味わからん。私「スクリーム」見たことないし、まあ何の思い入れもないんですけど、この男の子は見てみたいなーって単純に思いましたの。やってるとこほとんどなくて、新宿の方が行きやすいんだけど、ここはものすごく狭いと聞いているので、スクリーンが見にくかったらいやだなーと思ってお台場の方へ行きましたの。まわりはすごく景色いいけど、海辺にこんなの作っちゃって大丈夫なんですかね。地震や津波が来たら・・なんて余計なこと考えちゃいましたよ。さてお客は二人でした。何で?宣伝不足?町中でやればもっと来るんじゃないですか?ここ不便ですよ。パンフレットはないらしくがっかりしました。またヘルプになるものがないよー。あの男の子の名前何ていうんですか。帰りに雑誌を一冊買いました。思いがけなく記事が載っていたんです。パンフレットの代わりにしよう。もう今月号が出ているのに、なぜか先月のが置いてあったんです。きっと私のために残っていてくれたんだわ!ジェシー・アイゼンバーグ君ですか、よしッ!何がよしッ!なんでしょう。さてシネマメディアージュですけど、きれいで見やすいのはいいんですが映画が始まるまでが長くてうんざりしました。予告CM予告CM予告・・もう果てしなく続くんであたしゃ呪いでもかけられているのかとおびえ・・いや、腹立たしくなりました。同じの二回見せられたり・・。こんなの見るためにはるばる3時間もかけて(最近駅まで歩くようにしているので時間かかるんですの)やってきたんじゃないッ!まあよっぽどのことがない限りここにはもう来ませんよ。さて映画ですけど・・狼人間です。全体的にあんまり怖くないです。ポップコーンとコーク用意して数人で気楽に見るのにぴったりです。高校生友情プライスのCMそのまんま。目を開けていられないほど残酷とか、きまりの悪い思いするようないやらしいシーンもありません。クライマックスの戦いもどことなくユーモラス。悪く言えばゆるいです。

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特撮も見たことあるようなのばっかりです。狼人間って何か不格好で絵にならない。ロマンチックじゃないです。私にとっては「キャット・ピープル」でのナスターシャ・キンスキーの変身シーンが一番で、あれ以上のびっくりさせられる変身シーンは今のところないです。「カースド」は出演者がまたアレです。リッチは別としてあとはほとんどアレです。二流どころとかそんなこと言っちゃいけないよな。こっちでは知られていなくてもあっちでは有名アイドルかもしれないんだからさ。まあひとくせありげな人達は出ています。テレビ局勤務のエリー(リッチ)は恋人ジェイクのことで悩んでいます。彼はヒースと怪しいらしい・・って違うってば。まだ「ブロークバック」見てません私。ジェイクのまわりにはいつも女性がいて、彼を信じたいけど信じられずにいます。両親をなくして以来、エリーは弟のジミーと二人暮らし。ジミーは内気で何をやってもヘマばかりで学校ではいじめられッ子。密かにブルックという女の子に思いを寄せているけど、三年間も気づいてもらえないほど存在感がうすいんです。ある日思い切って声をかけたらうれしいことに彼女も彼のこと気に入ったみたいです。でも彼女にはボーというボーイフレンドがいて、ボーはジミーをホモだのオカマだのとねちねちいじめるんです。言い返すこともできないジミー。ある晩、エリーの運転で家に帰る途中何かが突然車にぶち当たり、そのせいで他の車も巻き込んで事故を起こしてしまいます。幸いエリー達は大したことはなかったけど、相手の車は崖下に転落。動けなくなった女性ドライバーを助け出そうとしますが、何者かがその女性を襲い、エリーやジミーも傷を負わされてしまいます。女性は惨殺され、ジミーは狼の仕業だと言いますが、エリーは何も見ていません。その後二人には何やら変化が現われ始めます。まあストーリーはありきたりで、何者かはもちろん狼人間。さてその正体は登場人物のうちの誰でしょう・・。ジェイク役はジョシュア・ジャクソン。テレビ局の同僚でエリーに気があるカイルがマイケル・ローゼンバウム。そう、この二人「ルール」に出ていました。「レーシング・ストライプス」でも一緒だったし、いつもコンビ組んでいるんでしょうか。今回のジョシュアはジョージ・クルーニー若くしてちょっと甘くしたような感じです。

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なかなかのハンサムぶり見せてくれます。「ルール」より出番が多く、重要な役ですが、正直言って彼演技がうまいようにも思えません。マイケルの方は相変わらずヘンな顔してます。相変わらず犠牲者になるより他に使い道がないって感じです。同じくテレビ局の同僚で、みんなに嫌われているジョアニー役がジュディ・グリア。彼女はヒロインの姉(「ヴィレッジ」)とかヒロインの友人(「ウェディング・プランナー」)とか、要するにヒロインの引き立て役でよく出てくる人です。今回はシワが多くてびっくりさせられるけど、役柄の方もいつもと違います。嫌われ者であること、そしてまた後でびっくり。その時の彼女を見て怖いと感じるか滑稽と感じるか・・滑稽の方ですかね。他にスコット・バイオが本人役で出てます。どうでもいいような役です。何で出ているのかわかんないような・・。往年のアイドルが老けて現われると、いけないものを見てしまったような気まずい思いをしますな。うまく年を取っていてくれるといいんですが、たいていは・・。他には二回ほど出てくる女占い師がよかったです。彼女は冒頭二人の女性に忠告するんですがもちろん信じてはもらえません。その二人の女性の一人は例の車のドライバーです。もう一人も駐車場で惨殺されます。その後エリーにも忠告します。よっぽど腕のいい占い師と見えますが、カイルには何の忠告もしません。リッチはホラー映画にはよく出ていますからいつも通りという感じ。危なげがないけど驚きもありません。おかしいのはエリーとジミーが姉弟なのに全然似ていないこと。丸い大きな目と広い額のエリー。細い目と狭い額のジミー。ジミーはネットで調べて自分達の変化が狼人間の呪いだと知ります。このままでは満月の晩、今がちょうど満月の時期なんですが、狼に変身してしまう。呪いを解くためには呪いの主を殺さなければならない。二人には心身の変化も現われます。まわりの者を引きつけるセックスアピール、高い運動能力、自分に対する自信。エリーの変化も描かれますが、ジミーの変化の方がずっとおもしろいです。おどおどしていたのに堂々としてくる。しつこくホモ呼ばわりをするボーにきっぱり言い返します。「ボクをホモ呼ばわりするのは自分がホモだからだ」ボーとレスリングをし、彼を負かしてしまいます。

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ここらへんは青春映画の乗りです。いけてない主人公が偶然何かの能力を授かり、みんなをあっと言わせる活躍をする。悪ガキをやっつけ、美女をものにし、みんなの注目の的となる・・みたいな。この映画でおもしろいのは、ジミーとブルックの関係(恋の行方)を描くのではなく、ジミーとボーの関係を描いていることです。試合で負かした夜、ボーが家に訪ねてくるんだけど、仕返しではなく告白するためなんです。彼はホモで、それを知られるのがいやでジミーをいじめて男らしさ演出していたわけです。でもジミーに図星をさされ、レスリングでも負け、自分の気持ちに気づいたわけです。自分の本当の姿を素直に認める気になったんです。ジミーが好きだからいじめていたんです。自分がホモだと見破ったのはジミーもホモだからに違いない。でもジミーはホモじゃありませんからびっくりして断るんです。ここらへんは笑うシーンなんだと思いますが、私は特撮駆使した変身シーンなんかよりよっぽどぐっときちゃいましたよ。エリーが真実の愛を求める姿も描かれているんですが、そっちの方はあんまりうまくいってないです。テレビ局勤務ということで、見かけはハデだけど、出てくる連中はみんな軽薄で人間としての深みがない。ジェイクはエリーへの真剣な愛を語るけど、演じているのがアレですからねえ・・。あれでジョシュアに観客みんなを味方につけてしまうような魅力、観客みんなを信じ込ませてしまうほどの演技力があればよかったんですがねえ。「ギャザリング」のヨアン・グリフィズみたいなさ。でも何にもないですから・・。エリーが何でこんな男に引かれるのか理解できません。一方ジミーとボーの方はまだ高校生ですから言動に深みなんてなくてあたりまえ。ボーの告白とかストレートすぎて危なっかしいけど、だからこそリアルであるとも言えます。こっちが好きなら向こうも好きなのに違いないっていう単純さ。ボーはイケメンでスポーツマン、女のコのあこがれの的で、いつも子分の二、三人も引き連れて肩で風切って歩いています。それらは全部本当の自分を隠すためのカムフラージュです。いつ正体を知られるか不安なので、先手を取ってジミーのような弱虫をいじめるわけです。本当は自分もジミーと同じくらい弱虫なのは自覚しているんです。

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ところが弱虫だと思っていたジミーが実は強くて、自分の隠れ蓑を全部取っ払ってしまいます。あとに残ったまっさらな自分はと言えば、ジミーに恋しているただの男の子です。そこで高校生らしく単純に、ばかばかしいほどストレートに、告白するというわけです。しかし前にも書いたようにジミーはブルックが好きなので、ボーの好意はノーサンキューです。あっという間に失恋です。残念なのはブルックがちっとも魅力的じゃないことです。よくいる髪サラサラの、学校一の人気者とくっついているお飾り的カワイ子ちゃんでしかないんです。ジミーやめとけ、こんな女掃いて捨てるほどいる、ボーの方がまだマシ、彼と仲良くしろ・・そう忠告してあげたくなります。クライマックスではジミーはボーと行動ともにします。普通の映画ならジミーとブルックが一緒のはずですが、この映画は違うんです。そこがよかった。途中でボーはやられちゃうけど、死んだわけではないのでホッとしました。死んだら後味悪くなっちゃいます。ジェイクのクラブ開店記念の喧騒の中で事件は起きます。あの交通事故の原因となった何か、女性達を惨殺した何か、エリー達に呪いをかけた何か・・それは・・カイルと思わせておいて実は・・ジョアニーでした。彼女はジェイクのせいで狼人間になったのです。ジェイクは生まれつき呪われていて(どういう意味でしょう・・いいかげんな設定ということです)、フェロモンのせいで女性が寄ってきてしまうんです。なるほどエリーが彼に引かれたのもこのせいですか。でなけりゃこんなつまんない男に引かれるはずありませんから。ジェイクは自分をコントロールできるので満月だからってやたらめったら変身したりはしませんが、ジョアニーはそうはいきません(修行が足りないってことでしょう)。ジェイクに近づく女は許せないから次々に殺してしまう。今度はエリーの番です。今までの映画での印象覆すべくグリアはよくやっていますが、原因が原因ですから(ジョシュアのジェイクじゃあねえ・・)かわいそうと言うより滑稽です。怖いと言うより・・やっぱり滑稽です。クライマックスなのにこっちはどう反応したらいいのか迷っちゃいます。怖がるべきなんでしょうか、呆れるべきなんでしょうか、笑うべきなんでしょうか。・・笑うべきなんでしょうなやっぱ。

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エリーとジミーは力を合わせてジョアニーを倒し、事件は無事解決したように見えます。呪いの元を断ったのだから、これでもう変身の心配はないはずです。安心して家に帰ります。これで終わりかな・・?と思ったらまだその後も続きます。二人に変身の徴候が現われます。えーッ、どうして?元には戻れないの?変身なんていやー・・とまあいろいろあって、ラストはジミーとブルックがブチューッとキスします。それを見てボーは複雑な表情です。初恋です、失恋です、友情です、青春です。ブルックを家まで送るジミー。でも二人で立ち去るなんてつれないことしません。ジミーはそんな人でなしではありません。ボーの肩をたたいて、一緒に来るよう促します。ジミーにとってはボーは大切な友達なんです。恋人にはなれないけど友達にはなれます。今はちょっと落ち込んでいるボーも、すぐ立ち直るでしょう(単純だし)。ジミーとの友情育むでしょう。三角関係になる恐れなきにしもあらずですが・・。しつこいようですが私はジミーとボーの方を断然支持いたします!ブルックなんかほっとけ。三人を見送るエリーはひとりぼっち。そばにいるのは飼い犬のジッパーだけです。ジェイクがなぜその場にいないのかは書かなくてもわかりますね。エリーの表情は晴れやかです。真実の愛はそのうちきっと彼女にも訪れることでしょう。今度のことでエリーもジミーも確実に変わったのです。成長したのです。・・てなわけで雑誌には青春系ホラーと書いてありましたが、ホントその通りです。最後がハッピーエンドなのは気持ちがいいです。印象は確かに散漫になりましたが。・・つまりホラー映画として心底怖がりたくて見に来る人には、この青春映画ティストは物足りないと思います。でも元々狼人間って描きにくいと私は思っています。この映画もただの出来の悪いホラー映画になるところでした。でもそれを救ったのが誰にでも訪れる青春の一ページの描写だったわけで。さて私が注目したジェシー・アイゼンバーグ君ですけど・・「ヴィレッジ」に出ているんですね。今ちょうどWOWOWでかかっているので早速見てみました。ちょっとネコ背で、出番も少なく、印象うすいですけど、こういう映画に出てちゃんとリッチに次ぐ大活躍したわけですからよかったねとうれしくなりましたよ。この映画を見ることができてホントラッキーでした。

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夏休みに入り、「パイレーツ」だの「インポッシブル」だの「沈没」だの「ゲド」だのきっとにぎやかなんでしょうなあ。でも私には関係ないな。もうすぐ終わりそうでひっそりやってるのとか、もうとっくに終わって感想も書いたのになぜかやってるのを見つけて見に行くとかさ。私はこれを「映画の落穂拾い」と呼んでおります。次から次へと新しいの追っかけて、見た後は忘れるということができない性分なのよ。最近では「ダ・ヴィンチ・コード」の四回目を見てきた。もう一日一回しかやってなくて、朝早くなんだけど25~30人はいたかしらね。他の映画見れば感想文のネタが増えるけど、それがわかっていてまた同じもの見に行ってしまう。さすがに新しい発見はもうなくて、音楽に注意して見るとか・・そういうことをしていた。見終わってああもうこれで思い残すことはない、DVDの発売までがまんできる・・って自己満足にひたるわけ。で、そうやって他の映画を先のばしにしているうち、見損ねてしまうんだけどさ。まあ仕方ないわな、全部見るのはムリだもーん。「カースド」も「落穂拾い」の一本。わざわざお台場まで行って見たことは前にも書いたけど、当時は新宿ピカデリー4でもやっていたのよ。ピカデリー2で「サウンド・オブ・サンダー」見た時予告がかかって、今現在隣りで公開中なのに、予告かかるのね・・とびっくりしつつうれしかったのだわん。そのピカデリーもすでになくなっちゃった、ああ!とにかく「カースド」は早くDVDが出てくれないかしら・・と心待ちにしているんだけど、その気配ゼロ。「SPL」「SPIRIT」「サウンド」「ファイヤー」・・みんな出たのに何で「カースド」はまだなんですかーああん待ち遠しい。・・ところでそんなある日「ぴあ」を見ていたら某シネコンで「カースド」やるではないですか!その少し前そこで「マインドハンター」もやってくれたのよ。池袋までわざわざ見に行ったのにッ!でもほら「カースド」も「マインド」も、数ヶ月遅れでここでやってくれるなんて、神様じゃあるまいし私にわかるわけないじゃん。「マインド」は結局行ってるヒマなかった。何か忙しかったのかな私。どうせやったってお客来るわけないのよ。知られてないし宣伝もされてない。チラシだけはゲットできたから、見逃しちゃったけどまッいっかーなんて思っていたのよ。

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そしたら今度は「カースド」でしょ。こちらはもう何としてでも見に行かなくちゃ。何しろジェシー君命ですから(←アホ)。万難を排して見に行くわけですの。全くたかが狼人間映画に何熱くなってるんざましょ、いい年こいてオホホ。・・で、行ってきました。お客三人です。お台場二人でしたからまだマシです。数日後がまんできずまた見に行きました。お客四人です。いいぞ、こういうの微増と言うんでしょう!受付のおねーさんずーっと捜してました。そりゃ「ダ・ヴィンチ・コード」なんかと違って、パソコン画面の隅の隅のそのまた隅っこにあるんでしょうよ。「カースド」?そんなのやってたっけ・・ああ、あったあったこんなところに隠れていた・・おねーさんの心中まる見えですぜ。ああでもありがとう!お客さん来ないとわかっていてやってくれてありがとう。それとも休日には少しはにぎわったのでしょうか(ありえん)。でも行ってよかったんですの。パンフレット売っていたのですの。キャッホー、神様ありがとうございますぅ。お台場では売ってなかったんです。ポスターだけ。でもほとんどリッチだけの図柄なので買いませんでしたの。はぁ~ひぇ~ほぇ~(意味不明)うれしー何だパンフちゃんとあるんじゃないの。そうなると「マインド」もあったのかも。見にくればよかったわーと後悔しても遅いのだぜい。全く何やってるんでしょ私は・・と思いつつ久しぶりに見るジェシー君に目が釘づけでしたの。それにしても彼小柄ですな。リッチが155センチで、それよりは少し大きい。ジェイクが「これくらいの背丈の子を捜せ」とか言う時、自分の首のあたりに手をやっていて・・170もないのかも(ちなみにジェイク役のジョシュア・ジャクソンは188センチあるらしい)。ジェシー君その上猫背だし。今は子供っぽい役柄多いけど、年を取ったらどうするのかな。今回は高校生の役だけど実際には20過ぎてる。いつまでもこのままじゃマンネリ・・とちょっと心配。そしたらパンフ見てびっくり。ボー役の人は28ですってよ。上には上がいるのねえ。じゃあジェシー君も負けずにがんばって、いつまでも初々しい高校生役やってください。そのうち「イカとクジラ」なんていう、おつまみみたいな題名の映画公開されるようだけど、今から楽しみだわん。

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今回パンフの写真見ていてわかったんだけど、ジェシー君どことなく私の王子様スコット・ウォーカーに似ているんですの。なぜ私がジェシー君に引きつけられるのか、その原因はここにあったわけ。ちょっと見はそれほど似てないけど、パンフ持ってる方は(←いるわけないって!)「呪いの元は誰だ!」というページでのジェシー君見てくださいませ。狭い額、見張った美しい目、鼻、口、髪・・よく似てます。角度によってはジェシー君ものすごいハンサムなんですよ。たいていは姿勢悪くて目の細いぱっとしない神経質な兄ちゃんなんですけどね。最初乗りのいい音楽で始まって、遊園地、女占い師、ギャル・・いかにも若者向けホラー映画ムード。サントラも捜してゲットしましたよモチ。単純で明るい曲満載で、聞いてて楽しいんですの。アイロンかける時とか雑巾縫う時に映画のサントラいろいろかけて楽しむんですの。あッ!夜景がどことなく五芒星に見えるんだっけ。忘れていたこともいくつかあって、見ているうちに思い出してくる。何かにかまれた翌朝、目覚めたジミーは何と庭にいる。しかも全裸で。隣りのオジさんがポカンと見ている中、あわてて二階の自分の部屋に上っていくシーン。途中まではジェシー君だけど、木を伝って上り、窓から入り込むところはどう見たって吹き替えの人よね。全裸だから(後ろ姿だけですよモチ)体つき、肌の色が違うのがわかる。髪も違うし・・。何となくアクロバットでもやりそうな、そんな肉のつき方している。ジェシー君ならもっとひょろっとした感じ、もっとバランスの悪い体つきしていると思う。目を覚ますところはきれいですよぉ・・若いから肌がきれい。色白・・と言うかうすいピンクで、唇が赤いの。目もきれいだし、ああ若さってそれだけで美しい。朝の光の中、草や花に囲まれて目覚める美少年。そりゃボーがほれるのもムリありませんてば。その後の生肉食べるシーンもおかしいの。自分じゃ生肉食べてるっていう自覚なくて、横から手を出すエリーも同様なの。今回は少し余裕あるから(ストーリーわかってるから)、リッチの演技も見ていましたの。最初登場した時にはお堅い感じで、髪もきちんとまとめ、黒のパンツルック。それが一夜明けると髪を垂らし、何やら開放的な服装。態度もくだけて如才ない。

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歩き方がまた体をくねらせるような、踊るような・・。実際に職場でこんな歩き方していたらどこかおかしいんじゃないか・・と思われそうだけど、映画だからね。リッチは小柄で童顔なので、体をくねらせてもセクシーだなあ・・とはならないのよ。男性から見てどうなのかは知らないけど。でもその体のくねらせ方が、やりすぎの一歩手前で何とも微妙なの。リッチうまいなあ・・と感心させられた。出がけに姉弟二人して一つの鏡覗き込み、チェックに余念がない。しかも二人して自分達のそういう変化に(自分の変化だけでなく相手の変化にも)気づいていないってとこが笑える。前の感想でも書いたけど、怖くなくて笑えるシーンがいっぱいある。いやらしいところや下品なところがほとんどなく健全。まあ強いて上げれば、売れっ子の司会者が本番直前指を切り、血が出てしまうシーン。自分の指だろ、自分で拭けよ、ハンカチ持ってないのかよ・・と呆れるけど何にもしないんだな、これが。でもって血を見たエリーの顔つきが変わり、思わず指を口に入れてしまう。この描写はちょっと下品でした。この程度の接触では司会者狼人間にはならないんでしょうか。さて、若者向けホラー映画と言えば、聞いたことないような無名の俳優がぞろぞろ出てきて、そこらへんで何かやってる(叫ぶ、逃げる、襲われる、殺される、イチャイチャする)っていうイメージがあって、この映画もそういう部分はあるけど、けっこうお金かかってるなーと思う部分もあって、それはジェイクのクラブ。いろんなロウ人形が置いてあって、例えばシエールとか。他にいろんな怪奇映画の一シーンが再現されていて、見ていてとっても楽しいの。フランケンシュタイン、ドラキュラ、そしてもちろん狼男。例の拷問器具「鉄の処女」も出てくる。たかが若者向けホラー映画なのにクラブの内装の凝り方がはんぱじゃない。・・で、ちゃんと作ってまわりがきちんとしていると、映画に安っぽさを感じないの。狼人間そのものはCGにしろ着ぐるみにしろ安っぽい作りだけど、映画全体としては「わりとまとも」って感じるの。こういうクラブの内装はお金かかるし、置いてある小道具も貴重なものという設定で、マニアなファンに持って行かれそう。でもジェイクはきっと金持ちのやり手ビジネスマンなんだろう。

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これくらいの出費は平気ってくらい裕福で、貴重な小道具も盗まれたって別にぃ・・というくらい太っ腹なのかな。まあ残念なことにジェイク役のジョシュアはちっとも有能なビジネスマンには見えませんけどね。今回二回見たわけだけど、彼が画面にうつる度にああ・・って思っちゃうの。背が高くて甘い二枚目なのよ。声も悪くない。それでいてどうしてああも魅力ないのかしら。きりっとしたところ、男らしい渋み、それと演技力ね。それらが加わればいい俳優になれるのに、今のままじゃホントもったいないわよ。この映画では人物の背景描写はほとんど省略されており、エリー達の両親がなぜなくなったのかも不明である。うすっぺらいんだけど、そのぶんいろいろ妄想はできる。まあたいていの人は背景など考えず、見ている間は笑ったり怖がったりして、映画館出れば内容忘れているんだろうけどさ。あれこれ思いをめぐらせ、ごにょごにょ書いてる私みたいな物好きはほとんどいないんだろうけどさ。いろいろ使われているCGのシーンでは、狼人間はアレだし、中盤のトイレでのシーンもねえ・・。私はあんまり気に入らないな。個室にこもっているエリーを、心配して同僚が声をかけるんだけど、普通じゃ考えられないくらいしつこく様子を尋ねるの。もう何が何でもトイレの中で何をしてるか突きとめずにはいられないって感じ。このシーンは、最初見た時はエリーが何をしているのか、あのドアについた指のあとは何を意味するのか、じぇんじぇんわかりませんでしたの。パンフによれば、変身を意思の力で止めようとし、その凄まじい力があのドアについた指のあと・・ってことらしい。はーそうなんですか。ところであのドア何でできているんですか?木だったら指のあとつかないよな。金属?しかも指から血がにじんでいたっけ。ものすごい力なんでしょう。そのわりに後で戦う時エリーあんまり力強くなかったですけど。普通でしたけど。ドアのすきまから一瞬見えたエリーの目は獣の目になっていて、同僚はぎくっとするわけです。これにこりてあのお節介な同僚も、トイレで呻吟する誰かに、しつこく様子を尋ねるクセを改めるでしょう!今回見ていて最も胸がキュンとしたのは、クラブでの騒動がかたづいて家に帰ってきた時の、姉弟の車中での会話。

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エリーはもう呪いの元(つまりジョアニー)を断ったので、狼への変身の恐れはなく、自分は元に戻ったと安堵している。彼女にとって変身や狼人間の能力なんておぞましいだけ。でもジミーは違う。彼はまたいじめられ、もてない、さえない学校生活を送るのか・・とユーウツである。その鬱屈した感情が伝わってきて胸キュンなわけよ。彼は思いがけなく授かった能力を活用したい。まずそういうのがあって、コントロールできるのか・・とか、人を襲うことについてはどうなのかとか、そういうことは考えていない。「ファンタスティック・フォー」の火の玉男と同じ心理。授かったことを悩まず、失うことを恐れる。たいていのキャラは、こんな能力いらない、元に戻りたい!と切望するんだけどね(「ファンタ」のシングとか、ここでのエリーとか)。ただジミーは、まだ変身を押さえようと苦悶した経験(エリーのトイレでの苦悶のような)はない。イケメン気取りで楽しく過ごしただけ。実際変身を体験すれば考えもコロッと変わるはず。変身の度に耐えがたい苦痛味わうし、そもそもブルックが狼男とつき合ってくれるとも思えん。ボーは狼だろうが何だろうがつき合ってくれるだろうけど(愛があるから!)。そんなこんなで、映画が終わってもいろいろ妄想は尽きないわけ。劣等感のかたまりみたいになってるジミーがこれからどうなるのか。襲ってきたジェイクを倒すことができたのも、やっぱり狼人間としての能力のおかげだし。でもジェイクを見れば、狼人間へのあこがれも吹き飛んだだろうけどね。邪悪だし醜悪だし。結局人間を変えるのって、授かった能力とかそういうことじゃなく、自分自身のものの考え方によるのよ。家族、恋人、友人を大切に思う心。それに気づいたエリーやジミーは、特別な能力なんてなくたってこれから前向きに生きていけるはず。この映画のいいところは、単なるハッピーエンド(悪い狼は倒されましたとさ)で終わるのではなく、主人公達のこれからを期待させる、明るさを感じさせるところにある。ちょっと道草したけど、でももう大丈夫、自分を信じて歩いていける。まわりには家族や恋人、友人がいる。若さっていいな。一人じゃないっていいな。そして見上げるのが朝日でも夕日でもなく、満月ってとこがいいんですよ。だってホラー映画だもん!何ともかわいらしくキュートな映画で、私は大好きですよ。