アビス

アビス

これはだいぶ前WOWOWで見たことがあり、今回二度目。ノベライズも読んだが、内容は忘れた。冒頭原潜モンタナが何やら一人で(←?)騒ぎまくり、あげくの果て自滅する。謎の物体の出現をソ連と結びつけたらしいが、アホにしか見えん。高性能を誇っているはずが、何かあると助かる手段が全くないというのも変な話だ。原油採掘基地のダイバー達が、このモンタナ捜索に駆り出される。やりかけの仕事があるし、気が進まないけど、報酬をはずむと言われりゃ・・。リーダー、バッド(エド・ハリス)の離婚間近の妻リンジー(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)もやってくる。会社では彼女の方が地位が上。バッドはまだ彼女に未練があるようで。SEALsの連中も来る。コフィ大尉(マイケル・ビーン)は石頭で、指揮官風を吹かすので、ダイバー達は反発する。海底にもぐり、モンタナを見つけるが、生存者はなし。途中でコフィが二手に分かれるよう言うので、バッド達に秘密にしておきたいことがあるのだなとわかる。モンタナ沈没にソ連が関係しているのでは・・と、米ソの関係は悪化。そのうち衝突も起きる。コフィ達はモンタナから核弾頭を運び出す。海上では嵐が近づき、上官と交信ができない。海底でのストレスもあって、コフィはだんだん精神が不安定に。海の上も下もトラブル続き、物事が悪い方へ悪い方へと行く。こっちもソ連も同じ人間なのだから、できることにそんなに差があるわけない。でもちょっと何かあると向こうが新しいこと考え出した、作り出した、そうだそうだそうに違いない、先手を打って攻撃だ・・となる。目の前に見えているのならまだしも、見えてないのに暴走する。謎の何かを最初に見たのはリンジー。彼女の言うことを信じなかったバッド達も、やがて自分の目で見る。リンジーは宇宙船のようなものも見てるから、異星から来た知的生命体だと信じてる。ただ、彼女はすぐ行動し、言葉に出すので危なっかしい。バッドがワンクッション置くよう忠告しても聞かないから、コフィとの亀裂はますます深まる。

アビス2

宇宙船は海溝・・裂け目(アビス)から現われた。たぶん母星の環境が深海に似ているのだろう。高い気圧と低温。「SF映画年代記」によると、ジェームズ・キャメロンは深海生物の不思議さに強い印象を受けたらしい。確かに「ディープ・ブルー」などで見る深海生物は、地球のものとは思えないほど美しく謎めいている。バッド達が見る水の塊は、私なんぞは「ドニー・ダーコ」の方を先に見ているから、あれと同じだな・・と。他の人は「ドニー」を見て「アビス」と同じだな・・となるのだろう。どこまでも伸びて、水なんだけど目のような役割もある。「宇宙戦争」の火星人の機械を思い出す。前回見た時はリンジーがほとんど死んじゃって、それをバッドが必死で蘇らせるという・・。オッパイは出てるしパンパンはたかれるしで、役者さんも大変だなあ・・と。しかも時間長いし。で、何とか生き返るんだけど、これがこの映画のクライマックスで。その後のバッドの不思議な体験や、巨大な宇宙船の出現も、小首を傾げる宇宙人も、人間への重いメッセージもみんなかすむほどで。かなり長いけど退屈することもなく、そこはさすがだと思うけど、思ったほど感動もせずに終わってしまったのも事実。最後がやっぱり二人の愛の世界ってのがなあ。結局はそれかい!って感じでがっかり。まあ私がこれを見たのはビーン目当てだからいいんですけどさ。どんどん追いつめられておかしくなっちゃう憎まれ役。だけどどうしてもかわいそう感の方が勝る。深海に沈み、圧力で爆発し・・。そう言えばビーン自身沈んだままで・・。さわやかで誠実な二枚目として人気保ち続けるはずだったのに・・どこで道を間違えちゃったのかしら(ため息)。上官役の人はどこかで見たような・・。J・ケネス・キャンベル・・ちょっとマイケル・レニー風味。クレーンなど、上からいろんなものが落ちてくるシーンは、「サンダーバード」の「海上ステーションの危機」風味。液体で呼吸するってのは、近くは「ミッション・トゥ・マーズ」、古くは「謎の円盤UFO」でありましたな。