アパリション ー悪霊ー

アパリション -悪霊-

こういうのはだいたい予想つく。寄せ集め、クズ手前。せめてちゃんとした説明くらいは欲しいけど・・映像作りに注意がいって、ストーリーはスカスカ。1973年、死んだ友人に接触を試みた”チャールズ実験”というのがあって。で?それが?説明不足。それの現代版をやるけど、昔に比べると機械によって脳波の増幅もできると。これは大学のサークルか何かでやったことで、パトリック、グレッグ、リディアの三人がうつっているけど、撮影している四人目がいるはずで、それがベン。何かが起きてリディアが消える。で?どうなった?説明なし。その後また実験やったの?よくわからん。ベンはケリーと同棲中だが、まわりで妙なことばかり起きる。で、パトリックがまた実験を持ち出す。さらに脳波を増幅してとか、それを逆にすれば裂け目から呼び出しちゃった”何か”を封じ込められるとか。このパトリックには呆れてしまう。事態を収拾しようとしてますます傷口を広げるタイプ。霊を呼び出したいというのがまずあって、その後のことは何も考えてない。迷惑と言うかノーテンキと言うか。何やらもっともらしいことを並べ立てていたけど、結局”何か”の正体はあいまい。はっきりとしたものは作り手にもないのだと思う。ただ、その外側あたりのことには豊富なイメージがあるから、壁にくっついたカビの塊とか、床材が割れるとか、家具が動くとか。ガレージがひとりでに開くとか、防犯装置が解除されたりとか。送電用の鉄塔が何度もうつるのは、”何か”がエネルギーであり、電線を伝ってどこへでも移動できることを表わすのか。エネルギーにはエネルギーで対抗というのは「ヘルハウス」風味。一度はもう大丈夫となって、またすぐ逆戻りするのも同じ。電線を伝ってというのは「プロフェシー」風味。とにかく目新しいものは何もなし。救いようのない結末もいつも通り。リディアのように人間が消失したとなれば警察が動くはずだが、そういう描写はなし。見ていても怖いという感じはせず、作り手の小細工ばかりが目につく。ベン役セバスチャン・スタンは「ファインド・アウト」に出ていたらしいが、記憶になし。マーク・ハミルとマイケル・ビーンをミックスしたような感じ。最初の方とエンドクレジットで流れる静かな音楽はよかった。