アズールとアスマール

アズールとアスマール

この映画は私が今まで見た中で最も美しい映画だろうな。一シーン一シーンが細密画のような美しさ、繊細さ、緻密さ。あのさ、「レミー」なんか見て感心しているバヤイではないわけよ。そりゃあっちも景色とか料理とかよくできてますけどさ。こっちはけっこう平面的でベタッとした感じ。3DCGとか、顔だけ立体的とか、解説に書いてあるようなことは私にはよくわからない。でもまあホントにすごいのよ。だまされたと思って見てちょうだいよ。私はずっと口あんぐり状態だったな。一館でしかやってなくてわざわざ渋谷まで行った。もうだいぶたっていたからお客は11人くらい。女性がほとんど。途中で男性が出て行っちゃったな。退屈したのかな。元になる話はなくて、ファンタジーっぽくてゲーム的なところもある。わりとさらっとしていて特に感動したりワクワクするってわけでもない。文化・言語・容姿・偏見・迷信などを通して何か崇高なことを説いているんだと思う。でも私にはそんなことどうでもよくて、ただただ何てきれいなんだ!は~ほ~ひぇ~と感嘆しておりましたのよ。大きな画面で見てよかった。小さなテレビ画面じゃわかりませんよこのすばらしさ。私が見たのは日本語版。途中からアラビア語圏での話になるけど字幕なしなので何しゃべってるかわからない。でもいいの。どうせ大したことしゃべってないだろうから。ストーリーも大したことなし。ただは~ほ~ひぇ~。草花、木、建物(崩れた建物から見えるのはキリスト?)、ホタル、ライオン、サイムール(鳳凰みたいなもの)、料理、お菓子、スパイス、果物、建物の中、小さなネコ・・。まとわりつき、木に登り、枝にうずくまる。主人公アズールの青い目の美しさ。見に行こうと決心したきっかけはこれ。「王様のブランチ」での紹介で金髪で青い目を見たとたん→ジョン→必見!となったわけ。条件反射(ジョン・トレーシー反応とも言う)ですな。アスマールの力強い黒い目もいいけどね。ラスト近くはアズール、アスマールの美男二人と、ジンの妖精、エルフの美女二人、誰が誰と結婚するかでえらくモタモタしていたな。だから・・ストーリーは大したものじゃなくて。画面は二重三重に細かくて、でもごてごてした感じはなくてきっちり対称的とかくり返しとか。まあこれは口で言うより見てもらう他ないと・・。いやホントすごかったです。