クラウドネットワークロボット研究会とは

現在ネットワーク上のサービスとして、Webサービス技術、クラウドサービス技術の研究・開発が盛んに進んでいます。一方、実世界で稼働するサービス向けの技術として、ユビキタスセンサによる環境や人間行動のセンシング技術、コミュニケーションメディアとしてのロボット技術などの研究も進められています。

現在は主に企業向けのサービスが中心となっているクラウドサービスですが、今後は実世界から収集されたデータを対象とした、消費者に向けのサービスへ発展することが予測されます。このようなクラウド型のデータ連携に基づく消費者向けクラウドサービスの端末としては、スマートフォンのような従来の情報機器だけでなく、ロボット、車椅子、 EV車など、コミュニケーションロボットからパーソナルモビリティロボットまで様々な機器が考えられます。

従って、クラウドサービスやコミュニケーションメディアを含めた幅広い議論や意見交換を行う場が必要と考え、クラウドネットワークロボット研究専門委員会を新設いたしました。本研専は2005年5月に発足したネットワークロボット時限研究会(NR)の運営母体を発展させたものです。

ネットワークロボット技術とは、3タイプのロボット(ビジブル型、アンコンシャス型、バーチャル型)がネットワークを介して互いに協調・連携することによって、ロボット単体では実現できない機能を実現可能にする技術です。ビジブル型ロボットは身体性をもつロボット、 アンコンシャス型ロボットは環境に埋め込まれたセンサ群・ウェアラブルコンピュータ・アクチュエータが連動したロボット、バーチャル型ロボットはパソコンや携帯端末のエージェントキャラクタを指します。

NR時限研究会設立当初は、「異種ロボット間協調・連携」(ロボット・ロボット間、ロボット・センサ間)と「ヒューマン・ロボット・インタラクショ ン」(人・ロボット間)の2本を柱として研究を進めていました。その活動の結果、センサや既存サービスのデータと連携したロボットサービス(データ・ロボットサービス間)の研究も必要であることが分かりました。この部分が「ネットワークロボットのためのクラウド型データ連携」です。

このため本研究会では、その点を意識して、敢えて「クラウド」を冠し、クラウドネットワークロボット研究会といたしました。