むし塾 第一回

むし塾 第一回


日時:2017年08月29日

場所:小平中央公園

講師:新里達也・韓昌道


8月29日、新里達也さんと韓昌道さんによる「むし塾」が開講されました。第一回は、雑木林と玉川上水で昆虫採集&標本作り。スタッフ初参加の伊沢尚子さんによる報告です。


募集人員子ども10人に対し、20人ほどの大人がスタッフとして参加しました。場所は小平中央公園、総合体育館の東側です。スタッフは8時30分に集合、まもなく子どもたちも来ました。「あ、黒いチョウだ。カラスアゲハかな~」もう網を振り回しています。

9時すぎて塾長・新里さんのご挨拶があり、いよいよスタートです。韓さんは新里さんの大学の後輩とのご紹介がありました。

韓さんの網捌きは、切れがいい! シュシュッ、シュシュッと葉をなでて、虫を網の中におとしていきます。いるいる~小さな虫がたくさんとれました。それなのに子どもったら、「カブトとかクワガタはいないの?」と不満げ。でも韓さんは、ニコニコと対応します。「カブトのサイズは、虫の中では恐竜レベルだよ。いきなり恐竜じゃなくて、まずは人間サイズの虫から探そうよ」

なるほど!! その言葉に納得したのでしょう、小さい虫も大切に、次から次へと自分の虫かごにいれていきます。

私たち大人は、スタッフ参加の成瀬つばささんと虫探しをしました。成瀬さんは『ひみつのゴマちゃん』の著者です。ぱぱっと探してすぐ、白い綿毛のようなものを見つけ、スケバハゴロモの幼虫だと教えてくれました。言われないと虫だとわからないその姿。主催者のリーさんは、3日前に携帯を買ったばかりなのですが、その携帯のカメラが幼虫の小さな目をとらえたもんだから感激です。それを見せてもらった私たちも興奮しました。成瀬さんが、この虫はミズヒキが好きなんですというそばから、ミズヒキにとまるスケバハゴロモの成虫も発見し、またまた大興奮しました。

子どもたちの虫かごが虫でいっぱいになったので、今度は標本作りです。10時半ごろ、津田公民館に移動しました。

たたみの部屋で、まずはスライドで標本の作り方を教えてもらいます。そのあと、自分のとってきた虫を自分で標本にします。新里さんと韓さんが、ひとりひとりに教えてくださるのです。10人しか募集しない理由はこれでした。贅沢ですねえ。

緑色のナナフシを3匹もとってきた子がいました。1匹だけ黒くなっています。「毒で殺したから黒くなったんだよ」と教えてくれました。ちゃんとわかってて偉いなあ。スタッフとは名ばかりの大人です。

新里さんがやってみせる手つきをじーーっと真剣に見る男の子たち。この子たちは普段から虫とりをしているのでしょうね。虫のあつかいも慣れているし、一度見ただけでセミなどの大型の虫もどんどん標本にしていきます。

虫とり網がなくて虫をとれなかった子は、韓さんがとってくださった虫をもらいました。

が、刺すのこわい、かわいそう、刺そうとしても針がすべる、と作業が進みません。ほら刺してみようよ、少し力を入れて、などとおしゃべりしてからやっと、ぶちっ。そのあとは次々に刺していきました。

標本にしたのは、カブトでもないクワガタでもない、種名もよくわからない小さな虫です。しかも死んでいるので縮こまっています。それが、触角の角度や足の形を整えられ、種名を教えてもらってラベルを貼ると、急にお宝に大変身! かっこよく見えてくるのだから不思議ですね。

とても素敵なむし塾でした。今からもう、第2回が楽しみです。

写真:豊口、リー、足達


主催


ー講師紹介ー

新里達也

韓昌道