福島第一原発は津波の前に壊れた

講師:木村俊雄(元東京電力原子炉設計監理担当)×関野吉晴


ー講座概要ー


テーマは「福島第一原発は津波の前に壊れた」。原発現場の炉心専門家が決意の告発、原発事故の真実を明らかにする。(東京電力の嘘を暴く:福島第一原発は実は津波ではなく、地震ですでに壊れていたのだ)

木村俊雄さんはこの事実を今年の「文藝春秋9月号」で告発した」


以下、文藝春秋2019年9月号から一部を抜粋した。

木村俊雄氏は長年、東電の技術者として原発の仕事に携わってきた。

1983年に東電に入社、1989年に福島第1原発に赴任、退社するまで、原子炉の設計、管理業務を担当してきた。東電社内でも数少ない炉心のエキスパートだった木村氏が、自身が手に入れたデータをもとに、福島原発であの日、何が起こっていたのかを解説した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

東電は「津波によってメルトダウンが起きた」という主張を繰り返しています。そして、その津波は「想定外の規模」で、原子力損害賠償法の免責条件にあたるととしています。

しかし、「津波が想定外の規模だったかどうか」以前に、「津波」ではなく、「地震動」で燃料破損していた可能性が極めて高いのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

原発事故からすでに8が年経ちますが、この問題は、決して「過去の話」ではありません。不十分な事故調査に基づく、不十分な安全基準で、多くの原発が、今も稼働し続けているからです。





ー講座内容ー








ー講師紹介ー


木村俊雄(元東京電力原子炉設計監理担当「炉心専門家」)

1964年、秋田県生まれ。東電学園高等部卒業後、東京電力に入社。福島第一原子力発電所で、原子炉の設計やプラントの運転管理などに携わる。「炉心屋」として数々の実績を重ねるが、やがて原発の安全性に疑問を抱くようになり、また、東電の危機意識を欠いた体質にも失望し、2000年に退社。以降は各地で原発の危険性を訴えて活動する。3.11の事故では、公表された炉心の膨大なデータの解析から、津波来襲前に原子力施設の安全機能が喪失した疑いのあることを証明し、大きな話題となった。現在は足摺岬を拠点に、趣味のサーフィンを楽しみながら、「家庭レベルでのエネルギー独立」を掲げ、オフグリッドソーラー発電を始めとする、エネルギー自給実践のサポートを仕事としている」




この講座は2020年01月23日(木)に武蔵野美術大学三鷹ルームで開催されました。