シリア難民取材最新報告会

講師:小松由佳×関野吉晴


ー講座概要ー



ゲストはフォトグラファーの小松由佳(日本人女性初のK2登頂者、その後転身してフォトグラファーになり、2012年よりシリア、シリア難民の取材を続ける) フォトグラファーの小松由佳は2019年11月25日より2010年1月10日までトルコ東部のシリア難民キャンプで取材をしています。今回は夫のラドワンと3歳と1歳の息子が一緒で、シリアから逃れてきたラドワンのご両親や兄弟とも再開したようです。家族4人そろって日本を出るのは今回が初めてです(ラドワンはシリア遊牧民の16人兄弟の末っ子で現在は小松由佳と結婚して東京に住む。ご両親、兄弟は国外に出たが行方不明者もいる。子供たちは東京で生まれた)



(FBによる途中報告より)

現在の私は、内戦によって国を追われ、劇的な生活の変化を余儀なくされたシリア人を取材し、彼らの現実から人間の生きる普遍性を記録することをしたいと思っています。ところが写真家である前に母親であるため、撮影は常に小さな子供と一緒。ハイハイする次男に三脚を倒されたり、シャッターを切る直前に長男に頭突きされたりしながら「撮れないことを撮る」ことを試みています。

子供が一緒かどうかにかかわらず、撮りたくとも撮れない状況は多々あります。光の状況、政治情勢、そして私にとって最も配慮するのが被写体の意思です。簡単には撮れないものを撮るからこそ、その一枚に価値が生まれ、それをどう表現するかに写真家としての真価が問われると思っています。特に被写体の意思・尊厳を大切にしながらも、最後までこの部分を追求するべきだと思っています。

12月12日 トルコ東部シリア難民のキャンプより




ー講座内容ー








ー講師紹介ー



小松由佳

公式サイトプロフィール

フォトグラファー。1982年秋田県生まれ。山に魅せられ、2006年、世界第二の高峰K2( 8611m / パキスタン )に日本人女性として初めて登頂。植村直己冒険賞受賞。次第に風土に生きる人間の暮らしに惹かれ、草原や沙漠を旅しながらフォトグラファーを志す。2012年からシリア内戦・難民をテーマに撮影。シリア難民の自立支援活動も手がける。著書に『オリーブの丘へ続くシリアの小道で~ふるさとを失った難民たちの日々~』(河出書房新社)。

出版物

・「オリーブの丘へ続くシリアの小道で~ふるさとを失った難民たちの日々~」 (河出書房新社/2016年3月)

・「風土に生きる人々 写文集・生き物との暮らし」 (電子書籍/ゼロメガ/2017年1月)

写真展

2015 「国境の街に生きる」

2017 「ヨルダン 子連れパニック取材行~シリア難民に助けられた一カ月~」

2019 「Borderless people 〜シリア難民の肖像〜」





この講座は2020年01月22日(水)に武蔵野美術大学三鷹ルームで開催されます。