「人と自然の共生」と「しあわせな死」

〜しわあせな死とは=人間的な見方のネガティブな死ではなく、生態系全体の視点から見たしあわせな死〜

講師:伊沢正名(糞土師)×関野吉晴


ー講座概要ー


私たちが暮らす地球は今、資源枯渇やマイクロプラスチックなどの環境汚染、異常気象といった多くの危機に直面しています。ひどくなる一方の状況の中で安心・安全な暮らしを取り戻すために、一体どうすればいいのでしょうか?

解決策は、自分を生かしてくれた自然に命をお返しするという糞土思想を基準に、「人と自然の共生」を実現することです。共生を実現するためには、増えすぎた人口問題が最大のハードルです。人間は欲望を満たすために不老不死を求めてきましたが、共生を実現するには「死」を受け入れざるを得ません。かと言って、戦争や死刑などのつらい死はごめんです。これまで人間社会では、死は苦しくつらいものと思われてきました。しかし生態系の共生を基準に考えれば、いただいた命を自然にお返しすることは当然のことではないでしょうか。つまり納得でき、しかも意味のある「しあわせな死」を見出すことが問題解決のカギになると考えています。

以上の「人と自然との共生」と「しあわせな死」というテーマについて、2人で語り合う。



ー講座内容ー





coming soon



ー講師紹介ー


伊沢正名(いざわまさな)

糞土師、嘗ては菌類とキノコ、コケ、変形菌等撮影の第一人者。

1950年 茨城県生まれ。人間不信に陥り、高校中退。仙人を夢見て、貧乏旅行で各地の山を巡る。

1970年 自然保護運動を始める。

1973年 物が腐って土に還ることで新たな命が生まれることを、キノコを通して知る。また、屎尿処理場反対運動をきっかけに、ウンコの問題を考え始める。

1974年1月1日 信念を持ってノグソを始める。

1975年 菌類と隠花植物(キノコ、コケ、変形菌等)を専門に、写真家を目指す。

1988年 14冊目の本の出版を機に、プロ写真家宣言。

1990年 葉っぱで拭き水で清める「伊沢流インド式野糞法(正しいノグソのしかた)」を確立。

1999年 年間ノグソ率100%を達成。

2003年 千日行成就。

2006年 写真家を辞め、糞土師を名乗り、糞土研究会を設立。

2007~2009年 野糞跡掘り返し調査を敢行し、ウンコの分解過程と新たな命の誕生を解明。

2013年7月16日 13年と45日(4793日)続いた連続野糞記録が途絶える。

2015年 舌癌で死を覚悟し、糞土思想が深まる。

2019年10月12日現在 累計ノグソ数は1万4,695回。


主な著書・共著書:

『キノコの世界』 あかね書房、1977年

『日本のきのこ』 山と渓谷社、1988年

『日本変形菌類図鑑』 平凡社、1995年

『日本の野生植物 コケ』 平凡社、2001年

『きのこ博士入門』 全国農村教育協会、2006年

『カビ図鑑』 全国農村教育協会、2010年

『くう・ねる・のぐそ』 山と渓谷社、2008年

『うんこはごちそう』 農山漁村文化協会、2013年

『葉っぱのぐそをはじめよう』 山と渓谷社、2017年


この講座は2019年10月29日に開催されました。