自然の話が聴こえた—玉川上水の生きもの調べー

講師:高槻成紀


ー講座概要ー

玉川上水で生き物調査を初めて2年が経ちました。

ありふれた動物であるタヌキを軸にほかの動植物とのつながりを解明してきました。

コツコツと作業を積み重ねてゆくうちに気づいたのは、都会に残された貧弱な緑地に生きるありふれた生き物たちが、いかに懸命に、そして理にかなった生き方をしているかということでした。

そしてそのことが調査をして明らかになったとき「自然の話が聴こえた」と感じました。

今回はこの生き物調べで明らかになったことと、作業をしながら考えたことなどをお話しします。



ー講座内容ー





coming soon



ー講師紹介ー

高槻成紀 (たかつき せいき)

1949年鳥取県出身。1978年東北大学大学院理学研究科修了、理学博士。東北大学助手、東京大学助教授(1994-2007)、教授(2007)、麻布大学教授(2007-2015)を歴任。

現在は麻布大学いのちの博物館上席研究員(保全生態学)。専攻は野生動物保全生態学。

ニホンジカの生態学研究を長く続け、シカと植物群落の関係を解明してきた。

最近では里山の動物、都市緑地の動物なども調べている、一方、スリランカのアジアゾウ、モンゴルのモウコガゼル、タヒ(野生馬)、モンゴル草原の生物多様性などの研究もした。

著書に「北に生きるシカたち」(どうぶつ社)、「野生動物と共存できるか」「動物を守りたい君へ」(岩波ジュニア新書)、「シカの生態誌」(東大出版会)、「唱歌「ふるさと」の生態学(ヤマケイ新書)」、「タヌキ学入門」などがある。

近年、玉川上水の動植物などの調査をし、観察会を続け、それによってわかったこと、観察会の記録などを通じて、玉川上水の現代的意義、ありふれた生き物をじっくり観察して知ることの大切さをまとめ執筆した「都会の自然の話を聴く—玉川上水のタヌキと動植物のつながり」がこのたび彩流社より出版された。


この講座は2017年12月21日(木)に武蔵野美術大学1号館104教室で開催されました。