地球の作り方 〜ミニ地球をつくって生活してみた実験の報告〜

講師:篠原正典


ー講座概要ー

ガラス張りの東京ドームのような建物をつくり、その中に地球上の様々な植物、動物、昆虫、菌、微生物、水、土といった生態系を放り込み、完全に閉鎖してその中で人間が生活をしてみる"バイオスフィア"という実験が試みられている。

火星移住や宇宙船での長期滞在への応用が期待されたが、課題は山積みで、逆にいかに地球生態系を模倣することが難しいかが浮き彫りになった。

今回は青森の六ヶ所村でのバイオスフィア(ミニ地球)に参加した篠原先生をお迎えしてお話を伺います。


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「ミニ地球」に暮らし、持続可能なヒトの暮らしを想う


遠く地球を離れてヒトが暮らすためには、地球が与えてくれる多くのものを人工的に造りだし、宇宙船や宇宙基地に備える必要がある。水・酸素はもちろん、食料も自給率を高める必要があり、植物を組み込んだバイオスフィア(生物圏=地球)を模したシステムが必要となる。この分野での画期的な試みとして、米国アリゾナのBiosphere2(8名、2年間)、NASAが行った月・火星生命維持実験

Lunar-Mars Life Support Test Project(4名、3か月など)、および青森県六ヶ所村・(財)環境科学技術研究所によって行われたミニ地球(2名、最長1ヶ月)といったプロジェクトが挙げられる。

今回の講演では、私自身が居住者兼研究者として参画したミニ地球プロジェクトを中心に、これらのバイオスフィア実験の概要・成果・アウトリーチ(環境・科学教育への貢献、人文科学系分野への波及など)、さらに、この試みから得られた個人的な世界観の変化などを紹介し、地球の上で住み続けるにせよ、宇宙に進出するにせよ、ヒトが持続可能に暮らしていくために必要ななことは何であるのかを、会場の皆様と一緒に考えたい。(文・篠原正典)



ー講座内容ー





coming soon



ー講師紹介ー

篠原正典

帝京科学大学准教授(動物行動学、行動生態学)。京大理学部で日高敏隆博士の研究室で学ぶ。現在はイルカを研究している。著書に「わたしのイルカ研究やさしい科学」など。


この講座は2017年5月30日 に武蔵野美術大学1号館103教室で開催されました。