1960年代アメリカ美術 市場独占主義と反逆者:草間彌生とグローバル化する美術市場

講師:山村みどり


ー講座概要ー

アーティスト草間彌生と、アート・ディーラー レオ・キャステリは、共に1950年代のマンハッタン・ダウンタウンのマルチカルチュラルなアートシーンでキャリアをスタートさせた。草間は日本人女性でありながら、当時はニューヨークのアートシーンの一員として受け入れられた。しかし、アートマーケットがグローバル化すると共に、彼女は周辺的な立場に追いやられ、変性意識状態を作り出すサイケデリックライトショーを通して、科学的に人々の性や人種に関する考え方を変えようと社会改革を目指した。そして、自分の意見を表明しないことで社会の優位に立つアンディ・ウォーホルの一派と競い合った。このトークでは、社会的マイノリティーが、その社会体験からそれまでになかった唯一無二な表現を作り出す過程を、日本初公開のオランダでの《裸のハプニング》(1967年)の映像も交えて検証する。



ー講座内容ー





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ー講師紹介ー

山村みどり

武蔵野美術大学卒業後、株式会社アートフロント・ギャラリーにてファーレ立川外国人アーティストの選考に携わり、プロジェクト終了後渡米。2012年、ニューヨーク市立大学で美術史博士号を取得。2004年よりニューヨーク近代美術館講師。2006年スミソニアン・アメリカ美術館特別研究員、メロン財団特別研究員 などを経て、2016年までフォーダム大学常勤講師。近著にテートモダン/ホイットニー美術館の『草間彌生』、マサチューセッツ工科大学出版『Yayoi Kusama: Inventing the Singular』などがある。2016年7月より日本学術振興会博士研究員として、2年間日本に滞在、2018年イギリス、リアクションブックスより出版予定の『Japanese Contemporary Art After 1989: Emergence of the Local In the Age of Globalization』を調査、執筆中。


この講座は2017年6月20日(火)に武蔵野美術大学 1号館 103教室で開催されました。