変形菌 ふしぎな生きもの

講師:増井真那×高野丈


ー講座概要ー

変形菌は俗に「粘菌」とよばれます。

公園で腹ばいになって変形菌を観察していると、通りすがりの人によく声をかけられます。

「何を見ているんですか?」と訊かれ、「ネンキンです」と答えると、(年金???)と絶句する場合がほとんど。変形菌は、日常生活ではまず見かけることがなく、まだまだ知られていない生きものの一つです。


菌といっても、菌類(きのこ)や細菌(バクテリア)とは似て非なる別の生きもの。ある時はアメーバのように動き回り、またある時は菌類のように子実体をつくって動かなくなる。つまり、動物的な性質と菌類的な性質を併せもつ生きものです。これが、ふしぎな生きものといわれるゆえんです。


その「知性」が注目の研究対象となっている変形体(アメーバ)。変形体が「変形」した子実体(しじつたい)の色形の多様さ。いずれも神秘的で、研究者のみならず、多くの人をとりこにしています。

今年は、変形菌に魅了され、その研究に没頭した博物学者、南方熊楠(みなかたくまぐす)の生誕150年の節目の年。今夏には、熊楠の生まれ故郷である紀伊田辺で変形菌類の国際会議も開催されます。


地球上のすべての生きものの存在には、必ず意味があります。このふしぎな生きものにはどんな役割や意味があるのか。ふしぎな魅力を紹介しつつ、その謎について考えてみます。



ー講座内容ー





coming soon



ー講師紹介ー

増井真那(ますいまな)

2001年東京生まれ。東京都立小石川中等教育学校3年。5歳より変形菌(粘菌)の変形体の飼育を始める。7歳(小1)より変形菌に関する研究で論文執筆、研究発表、講演、観察会/ワークショップの企画・講師などを行う。現在の研究テーマは「変形菌の変形体の自他認識」について。自然科学観察コンクール、日本学生科学賞、国際賞Broadcom MASTERS Internationalなど受賞歴多数。日本変形菌研究会会員。


高野丈(たかのじょう)

自然科学を得意とする編集者・写真家。変形菌の写真集の編集制作を依頼され、取材を進めている内にすっかり魅了され、ミイラ取りに。今では本格的な撮影による作品づくりのみならず、自然観察会やワークショップを通じ、変形菌の魅力を伝える活動にも取り組む。日本変形菌研究会会員。


この講座は2017年3月11日に小平市小川公民館ホールで開催されました。