実形状モデルを用いた歯茎摩擦音/s/発生メカニズムに関する研究

研究者 吉永 司 

Introduction

歯茎摩擦音とは,日本語のシ/sh/を除くサ行/s/を発音する際に口から発せられる音である.この歯茎摩擦音は,歯茎と舌によって作られた狭めからジェット流を発生し,そのジェット流が前歯付近において空力音源を形成することにより発生する音と言われている.この音が物理的にどのように発生するのかを調べ,発音障害等の/s/を発音できない人の治療への応用を目指している.

Method

本研究では,CT画像により得られた口腔内の形状を再構成し,3Dプリンタで印刷することにより,実形状モデルを作成した.実形状モデルにはコンプレッサから空気を流し,モデルから発生する音および流速をマイクロフォンと熱線流速計を用いて計測することにより,口腔内で発生する流れと音の関係を調べている.

Reference

K. Nozaki, T. Yoshinaga, and S, Wada, “Sibilant /s/ simulator based on computed tomography images and dental casts,” J. Dent. Res. 2013.