[太陰太陽暦]
Lunisolar calendar
天保暦は月(朔望)と太陽の黄道上の運行(二十四節気)をもとに日付を決定する「太陰太陽暦」です。
太陰太陽暦の1年は現行暦のように平年365日、閏年366日というようには決まっていません。
1年は基本的に12ヶ月とします。ただし、月の満ち欠けは平均で約29.53日である為、
12回では354.36日となり、太陽暦1年の約365.24より約11日間、短くなってしまいます。
この11日の誤差が蓄積しつづけると、季節と月が著しくずれてしまい、いずれ睦月(1月)が
真夏になるというようなことが発生してしまいます。
これを防ぐ為に二十四節気をもとに閏月というおまけの月を追加します。
(1月、2月、閏2月、3月...といった具合いです。
この閏月というおまけの月をどのようなルールで設置するかを「置閏法」と呼んでいます。)
ちなみに、二十四節気は中国で導入された太陽の黄道上の運行で決定されるもので、
節気と呼ばれる季節の基準となる日を決定する一種の暦です。
(春分(太陽黄経0度:現行暦の3月21日頃)、夏至(太陽黄経90度:現行暦の6月21日頃)、
秋分(太陽黄経180度:現行暦の9月23日頃)、冬至(太陽黄経270度:現行暦の12月22日頃)など)
月の満ち欠けの「太陰」と、季節と月のタイミングを合わせるため「太陽」を使用することから、
この種の暦を太陰太陽暦と呼びます。
天保暦以外にも、日本や中国(日本の太陰太陽暦は、基本的に中国の暦法をお手本にしていました。)など各国にありますが、
現在でも非公式ながら日本で使用されている太陰太陽暦が天保暦です。
(中国などでは時憲暦という太陰太陽暦が春節の決定に現在でも使用され、農暦と呼ばれています。)
日本や中国などには、改良を重ねた結果、多数の太陰太陽暦が作成されましたが、基本は月と季節を合わせるための置閏法と
その基本となる天文上のデータやデータの使い方の違いとなります。