甘味雑学

ところ変われば名前も変わる汁粉

小豆を柔らかく似てさらに砂糖を加えた餡に焼いたお餅や白玉団子を入れたお汁粉は江戸中期から末期にかけてひろまったもので、甘味の店には欠かせない品です。

ひと昔前までは、東京赤坂の店でお汁粉を注文すると「粒ですか、こし餡ですか」と聞かれていました。小豆の粒が残っているのが「田舎汁粉」、こし餡のものは「ご膳汁粉」と関東ではよばれています。

関西ではこし餡の汁粉を単に「汁粉」と呼び、つぶ餡の汁粉を「ぜんざい」と呼んでいます。

◎ヘルシーな日本の伝統甘味

フルーツみつ豆189キロカロリー、あんみつが247キロカロリー、お餅入りお汁粉は327キロカロリー代表的甘味のカロリーです。「甘いものは太るから」と日本の伝統甘味を敬遠する若い女性が多いですが

生クリームやバターたっぷり使ったケーキに比べれば低カロリーですし動物性脂肪が使われていない点、中高年層に多いメタボリック症候群の心配も少ないヘルシー食品です。

加えて豆寒やみつ豆の赤えんどう、餡の原料の小豆は現代人に不足しがちな食物繊維を多く含みます。小豆に含まれるサポニンは担汁の分泌を促し、コレステロールを排出する働きもあるといいます。

いづれにしても私たちの祖先が長い歴史のなかで作り、食べ続けたものは次の世代にも大切に伝えていきたいものです。肥満を抑えることで生活習慣病の予防も期待できますし、疲れた時に頂く甘味の

「ほっと」する味は、何より心の栄養にもなるでしょう。

ところで、さとうが一般的に使われるようになった江戸時代のまえまでは、甘草や果物の甘みが利用されていました。いまでもたくあんを漬けるとき、柿の皮を干したものを加えて補ったりします。これも昔の人の

知恵です。

参考文献 「東京五つ星の甘味処」 著 岸朝子

和菓子の日

和菓子の日ってご存知ですか。6月16日は和菓子の日です。

かつて平安時代、6月16日に宮中や武家では厄除招福を願う嘉祥の儀式が行われていました。

仁明天皇がご神託に基づき、16個のお菓子や餅を神前において健康や幸福をお祈りしたのが始まりと言われています。

この嘉祥の日を、昭和54年に日本和菓子協会が和菓子の日として制定したそうです。

水無月

水無月は六月の和菓子の代表ともいうべきものです。

下の写真のようなお菓子で、外郎生地の上に小豆が載った三角形の和菓子です。

小豆には悪魔祓い、三角形は暑気を払う氷を表しています。

無病息災を願い一年の折り返しの日である六月三十日に食べる和菓子です。