山口大学国際総合科学部:科学技術論演習Ⅰ(相互行為分析)

2026年度後期 火5~6限

担当:秋谷直矩

講義概要(シラバスより)

とある社会学者は、相互行為(Interaction)は、社会を成立させるための最も重要かつ根本的なインフラだと述べた。たしかに、社会が複数の人間が共に在ることで成立していることを踏まえれば、会話や身振りを通してどのように人々は共に在るのかを調べることは、「社会はどのように成立しているのか」という社会学の根本的課題に対するひとつのやり方と考えられる。

以上のような考え方のもと、社会学分野では、会話分析と呼ばれるアプローチが展開している。会話分析は文字通り会話の仕組みの研究から始まったので会話分析という呼称が使われているが、現在は撮影技術の利用による身振りや身体配置も射程に含めた相互行為分析として展開していることから、本授業では相互行為分析という呼称を用いる。相互行為分析は社会学に起源を持つが、現在、言語学・人類学・認知科学・情報学・人工知能などの分野で広く取り組まれている。デザインリサーチの一環として取り組むケースもある。

本授業では、相互行為分析が分野横断的かつ学際的に取り組まれるようになった背景を説明したうえで、相互行為分析の基本的な考え方と分析方法について学ぶ。それにより相互行為分析に取り組むための基本的な知識とスキルを習得するとともに、様々な分野の固有の課題に即して相互行為分析を行う応用的態度も涵養する。本授業は、国際総合科学部のディプロマポリシーのうち、特に「1-3. 情報収集・処理能力」と「2-4. 科学技術・社会に対する洞察力」を涵養する。

なお、本授業は前期に開講する「科学技術論演習Ⅲ(科学技術社会学)」と接続させて設計している。それぞれ個別に履修しても問題ないが、映像データの集め方や観察の着眼点をより詳しく学びたい場合は、本授業とあわせて同授業の履修を勧める。