加藤 愛理 (Airi N. KATO) のウェブサイトへようこそ!
2023年9月からボルドー大学のLOMAというラボのKellay groupで ポスドクをしています.(—2025.9)
Keywords: アクティブマター(自己駆動粒子)・コロイド・界面・表面粗さ・バクテリア乱流・集団運動
現在は"interfacial active matter"や"activity-controlled matter"をキーワードに研究しています.最近ずっと,自己駆動が典型的なソフトマター系(懸濁液,乳液など)の諸性質をどう変えるか(自己駆動粒子と界面のカップリングなど)にとても興味があります.
Email: airi.nakamoto_at_u-bordeaux.fr, amo.rationem_at_gmail.com
過去の研究のプチ紹介(短いですが日本語でも書きました.詳しくは英語版へ.)
コロイドは濡れ角が有限なら界面にトラップされますが,そのときのコロイド単層膜の挙動は粒子の形によってことなります.私たちは圧縮実験を通してコロイド単層膜の性質の,粒子の表面粗さによる影響を実験・数値計算で明らかにしました.十分滑らかな表面の球では毛細管相互作用が無視でき気体的な状態から固体的な状態に転移しますが,粒子の粗さは等方的な引力を生み,percolatedネットワークを形成する中間的な状態を示しました.また,表面粗さはjamming点を下げることを示し,摩擦やinterlockingとの関係について議論しました.
コロイドを使った自己駆動粒子系の一つに,クインケ粒子 (Quincke rollers)というものがあります.通常,直流電場下で電気伝導性のある液体中の誘電体球コロイドが自発回転する現象を用いて電極の上を転がり動くものです.私たちは交流下での一粒子の運動は印加周波数で往復運動しながら長い時間スケールではActive Brownian particleと呼ばれるの運動のモデルにそって動くことを実験・理論両面から明らかにしました.さらに自発的に形成するクラスタについても報告しました.
量子力学のobservableでないパラメータ(温度,結合定数など)を知るときには,observableを何回も測定した結果から推定されます.独立で同一な測定からの推定では,同じ初期状態を多数準備する必要があります.私たちは散逸を伴う系に対して一連の測定(ある時間間隔での測定)を行った結果からのパラメータ推定を考えました.私の貢献は連続的なスキームでの推定がうまくいく例であるリザバーの温度推定についての計算(6章)です.