私たちが自然と触れ合ったとき、なぜ心が穏やかになるのだろうか?
この問いを中心に据え、リラックス効果についての考えを広げ、五感を活用したアプローチで実際に検証することに挑戦した。
序の巻では、問題発見と方法の検討を行う。
2024年4月後半から6月後半の2ヶ月で行った活動をまとめていく。
まずはリラックス効果について考えを広げる。
真ん中に疑問を配置し、関連する用語を配置していく。
→五感を刺激するとストレスの軽減に繋がること、ストレスが心拍数や血圧など、体の状況に影響を与えることがわかった。
次は最終的な成果物について考える。
マインドマップによってどのように五感を刺激し、それを検知するのかの大枠の計画を立てた。この段階でハーブを使用しコンポストを行うことを決めている。
→どのように課題を解決するのかを考えることができ、おおまかなゴールの設定ができた。
次は具体的な方法について考える。
ゴールに辿り着くために何が必要なのかを考え、より具体的にした。五感を刺激する方法やストレスを計測する方法、そのために必要なものや得られるメリットなどを詳しく記述した。
→活動を把握することができ、実現可能性を吟味することができた。
次は制作物の構成について考える。
竹灯籠の中にポプリ、赤外線ランプを入れ後ろに扇風機を設置し、ウェアラブルウォッチによってBPMを計測する。計測結果が一定の基準よりも高くなったらランプを点灯させ扇風機を動作させることで視覚、触覚、嗅覚を刺激する。同時にスピーカーから自然音を流すことで聴覚を刺激し、味覚要素としてハーブティーを用意する。
→完成系を簡単に把握することができるようになった。
まずはコンポストを行った。
用意した段ボールの底にしわしわにした新聞紙を3枚ほど敷き、土を投入する。毎日生ごみを入れ、スコップでかき混ぜる。
コンポストはおよそ3週間かけて行い、655gの生ごみを消費することができた。
また、液体肥料にも挑戦する。
バナナの皮を細かく刻み、ペットボトルの中に入れて2週間ほど放置する。発酵して肥料として使えるようになったらコンポストに投入する。
また、液体肥料は植物を植えた後にも使用できるため、定期的に作成し肥料として植物に与えた。
植木鉢の底にネットに入れた軽石を敷き、その上にコンポストした土を入れた後ハーブの苗を植え、さらに隙間を土で埋めていく。
今まで入れてきた生ゴミはほとんど無く匂いもしなかったため、コンポストが成功したことがわかった。
今回植えたのはアロマティカス、バジル、ローズマリー、コモンマロウ、ラベンダー、セボリー、カモミール、バタフライピーの8種類。
すのこを敷き水はけが良くなるようにしたので、あとは毎日水をやって成長を見守る。
植物を育てている段階で葉が弱ったり害虫の問題に悩まされもしたが、その時々で対処することで育てることができている。
ポプリやハーブティーにする前の段階だが、匂いを嗅いで心拍数を計測してみると数値が下がっており、すでにストレス軽減の効果が見込めた。
水やり:春秋は土が乾いたらたっぷり、冬は控えめにする
植える場所:日当たりがよい場所
収穫:通年
用途:香りもよいことから料理やハーブティーなどに利用される
特徴:乾燥に強い、病害虫にも強い
花言葉:友情、鎮静
ワンポイント:梅雨の時期になる前に剪定する
水やり:土の表面が乾いたら、すぐに水やりを行う
植える場所:日当たりがよい場所
収穫:茎の高さが20~30cmほどまで育ったら収穫可能
用途:料理
特徴:暑さを好み、気温の上昇とともにぐんぐん生長する
花言葉:神聖、好意、好感、何という幸運
ワンポイント:バジルの葉は花が咲くと硬くなって食味が落ちるので、花穂ができたら花が咲く前にハサミで切り取る
水やり:基本的には降水のみで育てられる
植える場所:日当たりの良い場所(直射日光が6時間以上当たる日向)、良い培養土
収穫:枝ごと収穫する
用途:リフレッシュ効果、抗菌・抗酸化作用、 血行促進、消化促進などなどなので、ハーブティーで摂取することがおすすめ。また、ハーバルスチームにすると効果大
特徴:乾燥に強い
花言葉:追憶、思い出、変わらぬ恋、私を思って、あなたは私を蘇らせる
ワンポイント:ローズマリーを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になる
水やり:多湿
植える場所:よく日のあたる水はけのよい場所、土質は選ばない
収穫:葉は6~8月、花は7~8月、種は7~9月に取れる
用途:ハーブティはのどの痛みを和らげ便通を促す
ティーに使うのは花で、食べるのは葉っぱと芽の部分
特徴:ハーブティはレモンを入れると、ブルーから紫、ピンクへと変わり、やがて消えることから夜明けのティーやサプライズドティーなどと呼ばれる
花言葉:穏やか、柔和な心、やさしさ、温厚、魅力的
ワンポイント:意外と背丈が伸びるので、1メートルほどの高さを確保できる場所で育てる
水やり:朝、用土が乾いていたらたっぷりと水やりする
植える場所:日当たりと風通しのよい場所で育てる
収穫:二分咲きから満開時に、葉を4~8枚つけて花穂を切る
用途:ポプリ、ハーブティー
特徴:高い殺菌効果がある
花言葉:あなたを待っています、沈黙、期待、疑惑、優美、清潔
ワンポイント:大株になると枝が込み合ってくるので、中のほうの込み合っている枝を間引くとともに、地際近くの垂れている枝を整理して、風通しをよくする
水やり:土の表面が乾いてきたらたっぷりと水を与える
植える場所:日当たりのよい場所
収穫:花をポプリなどクラフトとして利用する場合、2~3分咲きの頃に刈り取って乾燥させる
用途:乾燥させるほか、枝葉を酢に漬け込んだハーブビネガー、もしくは油に漬け込んだハーブオイルとしても保存できる
特徴:水はけが良い弱アルカリ性の土壌を好む
花言葉:知恵、尊敬、家族愛、長寿
ワンポイント:茎がある程度伸びてきたら先端の新芽を摘んでワキから芽を出させることで、枝葉が増えバランスの良い株姿になり収穫量も上がる
水やり:鉢植えは、乾燥しすぎるとハダニが出やすいので、葉水を与える
植える場所:日当たりと水はけのよい場所を好む
収穫:花の中心の黄色い部分がふくらんできたころ、花弁が反り返る前に収穫する。
用途:ポプリ、ハーブティー、化粧水、入浴剤
特徴:りんごの果実に似た香りがする
花言葉:逆境に耐える、仲直り、苦難の中の力、親交
ワンポイント:タネができないうちに花をこまめに収穫することで、花期を長くすることができる
水やり:土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりする。夏は生長が旺盛なので、水切れを起こしやすい。朝と夕方の1日2回水やりする
植える場所:日当たりと風通しの良い場所が好み
収穫:1日花なので、花を利用する場合は、開花した日に摘み取る
用途:乾燥させた花はドライハーブとして楽しめる
特徴:バタフライピーの花にはアントシアニンという天然の色素が含まれており、その量はブルーベリーの約4倍。青いお茶として飲むことができる。また、レモンなど酸性の液体をたらすとピンクに変化する
花言葉:小さな恋、神秘的な美しさ、自由と幸せ
ワンポイント:寒さに弱いため、日本では越冬できず一年草として扱われる
ポプリを入れるケースとしてどのようなデザインがいいか悩んでいたときに、竹に穴を開けて中からランプで照らす竹灯籠というものが目に留まった。
さっそく大学の佐藤プロジェクトというグループと一緒に森の音楽会というイベントに参加し、竹灯籠を作成した。
中に赤外線ランプを設置し、マイクロコントローラから赤外線を送信すると好きな色に変化させることができるようになった。
この竹灯籠の中にポプリを入れることで装置本体にする。
展示会を行うにあたって、説明パネル、看板、ネームプレートの作成を行った。
ハーブというメインの活動を全面に押し出すことでどのような活動を行っているのかが一目でわかるようにした。
→人にわかりやすく説明するための工夫や活動内容を効果的に伝える方法を学ぶことができた。また、自分自身でも情報の整理ができた。
展示会で見学者にフィードバックをもらった。
植物の成長が発表までに追いつかなかったらどうするのか、色々な仕組みを一気に実現できるのかという質問も寄せられ、今後の活動を行う上で必要なことを割り出すことができた。
種から育てる植物と苗から育てる植物を用意することや、統合作業を早めに行い余裕を持たせることなどで対処したい。
2回目の展示会ではより完成品に近いものを展示することができた。
確かにリラックス効果がありそうだというコメントやBPMに目をつけたところ、人間以外の生き物をフル活用して協働しているところなどポジティブな評価が多かったが、中にはどのように実現するのかはっきりしないという意見もあり、大変参考になった。
展示会において指摘されたのが、やはり実現するための具体的な装置だった。
そのため今後はRaspberry Pi(マイクロコントローラ)、ウェアラブルウォッチ、スピーカー、扇風機、赤外線ランプの5つの装置をどのように動作、接続させるかの改善、計画を行う。
装置はRaspberry Piによって制御する。
それぞれの装置と接続できるようにプログラムを作成中。
プログラムはPythonで記述する。
FitProというアプリケーションを使用して計測したBPMを取得する。
具体的なプログラムはサイトで調べている。また、ChatGPTを駆使して方法を探る。
自然音を流すために使用する。
パソコンと有線で直接接続するスピーカーで、プログラムによって音を流す命令を出す。ただし電源が必要。
ポプリの匂いの拡散に使用する。
起動させるためにSwitchBotの使用を計画している。Raspberry Piで動作させるが、こちらも電源が必要。
竹灯籠の点灯に使用する。
送信機をRaspberry Piにすることで、プログラムで命令を出した時にランプが点灯するようにする。