家庭科教育とは・家政学とは
家庭科教育とは・家政学とは
日本家庭科教育学会(1992)では,家庭科教育の目的を「家庭生活を中心とした人間の生活を総合的にとらえて,これを追究し,想像する実践的能力をもつ人間の育成である」と定義し,さらにその目標として,「家庭生活についての認識を深め,家庭を中心とする人間の生活の充実向上と,その福祉を図る実践的能力を養う」としています。
日本家政学会(1991)では,家政学を「家庭生活を中心とした人間生活における人と環境との相互作用について,人的・物的両面から,自然・社会・人文の諸科学を基盤として研究し,生活の向上とともに人類の福祉に貢献する実践的総合科学である」と定義しています。家政学の具体的領域としては,食物学,被服学,住居学,児童学,家庭経営学及び家政教育学の6領域が示され,これら6領域の科学を管轄した広域学問分野を家政学であるとしています。
このように,家庭科教育と家政学を比較すると,家庭科教育の目標と家政学の定義はほぼ一致しており,家庭科教育は家政学の成果をよりどころとしていることがわかります。つまり,家庭科教育は教育科学的方法で家政学の目標を実現し,児童・生徒の生活の質の向上を図ろうとしているといえます。