物質中の電子の世界は、我々の最も近くに拡がる量子力学の世界です。多数の原子が化学的に結合した凝縮体である固体では、結晶という物質固有の構造を舞台に、膨大な数の電子やスピンが強く相互作用しあうことで、実に多様で魅力的な物理現象を引き起こします。その顕著な例が、強く相互作用しあう電子系 ― 強相関電子系 ―で実現する非従来型超伝導やエキゾチック電子状態、量子臨界現象といった現代物理学における重要問題とされるものたちです。当研究室では、極低温・強磁場における精密熱測定や電子/熱輸送測定、磁気異方性測定、超伝導磁石による発生磁場を大きく超えるパルス強磁場での測定、超純良単結晶の育成など、様々な実験手法やその開発を通じて、新しい物理学を開拓することに取り組んでいます。
新四年生/大学院進学で研究室を志望される皆さんへ
笠原・木原研究室(量子物性物理学研究室)は、2021年度に発足した新しい研究室で、教員もとてもフレッシュな顔ぶれです。若い教員と一緒になって研究活動に臨みたい人、物理学を学んだ4年間の集大成として活きた物理学の面白さを味わいたい人、大学院進学に意欲ある人を歓迎し、研究活動を通じて、テストのための勉強とは違う「本当の勉強」を志しています。また、これまで課外活動などに熱中して大学生活を謳歌したけれど、せっかく物理学を専攻したからには大学院でちゃんと研究をしたい人(ただし本気の人に限る!)大いに歓迎します。現在、研究環境の整備を終え、自分達で立ち上げたオリジナルの高精度実験をおこない、新しい発見に臨む、まさに「啐啄同時」のときにあるところです。2022年度には新たに国際共同研究プロジェクト「極限定常磁場下での精密熱輸送測定の実装とエキゾチック凝縮相の物性開拓」が走り出し、欧州の強磁場施設での研究プロジェクトを進めています。博士課程へ進学される人にも、世界的施設での実験に参加してもらい、研究者として、また一人の人間として、貴重な経験を積んでもらいたく思います。私たちの研究室に興味を持った方、ぜひ教員に連絡し、一度見学に来てみてください。研究室見学は随時受け付けており、希望があれば輪読会へのプレ参加も受け入れています。
特任助教、および博士研究員の募集について
当研究室では、特任助教として研究を推進していただける方を募集しております。また、日本学術振興会・学振PDの応募も歓迎しております。詳細についてはお問い合わせ下さい。
(New) 研究室配属説明会のスライドはこちら↓
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2023/8/21, 22 研究会「強相関電子系のフロンティア」(名古屋大学)において笠原教授が招待講演を行いました。